タイムスリップパンツァー・時をかける戦車少女たち   作:疾風海軍陸戦隊

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一乗寺下り松作戦です!

一方、そのころみほたちは橋のそばの茂みでエーデルワイスチームを待ち伏せていた。みほはエーデルワイスチームが広いところに出ることを予想し、左右にM3と三突。橋の正面に38t、そしてその三つの攻撃を躱された時を考え、後ろから攻撃できるように待機していたのだ。しかし・・・・・

 

「エーデルワイスチーム現れませんね?」

 

砲手である華がそう言う。試合が始まって一時間が経とうとしていた。

 

「磯部さんたちが撃破されてから、もう一時間・・・・・」

 

「どこに行ったんだろう?まさかまだ森の中にいるのかな?」

 

「もしかして違うルートに行ったんじゃないか?」

 

沙織と麻子がそう聞くと秋山が、

 

「いいえ、エーデルワイスチームのいた地点から森を抜けて広場に行くには橋を渡らなければ無理です。ほかにルートがあったとしても試合場外なので出ることは反則行為になりますし・・・・・」

 

「じゃあ、まだこの森の中に・・・でもどこに?・・・・まさか!?」

 

みほが何かに気付きそう呟いた瞬間、三突が隠れている森の中から爆音と黒煙が舞い上がる。そして、

 

『Cチーム・Ⅲ号突撃砲、行動不能!!』

 

と、アナウンスが聞こえるのであった。そしてその瞬間、三突が隠れていた茂みから五式中戦車が現れるのであった。

 

 

 

 

 

 

Cチーム

 

「う~む。敵はまだ来ないな・・・・・・」

 

エーデルワイスチームを待ち伏せている三突の歴女チームはひたすら相手が出てくるのを待った。しかし今の季節は夏。湿気と熱さで戦車の中は蒸し風呂のように蒸し暑かった。

 

「熱いぜよ・・・・まるでサウナにいる気分」

 

「戦国時代だと蒸し風呂は当たり前だったんだがな?」

 

「それ今、関係あるか左衛門佐?それよりも本当に暑いな」

 

そう言い車長であるエルヴィンはハッチをあけて外に顔を出し、帽子を脱ぎ汗をぬぐう。すると風が心地よく吹く。

 

「ふぅ~風が気持ちいいな・・・・・」

 

「そうですね~今の熱い時期、こういう風は気持ちがとてもいいですね~」

 

「そうだな・・・・・それよりもなかなか来ないな?」

 

「誰かを待っているんですか?」

 

「何って、決まっているじゃないか。エーデルワイスチームだよ。何を言っているんだカエサルは?」

 

「ん?エルヴィン。何か言ったか?」

 

すると、隣のハッチが開きそこから歴女チームのリーダーであるカエサルが出てくる。それを見たエルヴィンはきょとんとした顔をすると、

 

「え?だってお前、さっき『誰を待っているんだ?』って聞いたじゃないか?」

 

「何を言っているんだエルヴィン。私はさっきまで中にいたんだぞ?それでさっきからお前が誰かとなにか話してたから変に思って顔を出したんだが?」

 

「・・・・・・え?じゃあ今、私と話をしていたのは・・・・・・・・」

 

カエサルの言葉にエルヴィンは驚く。すると背後から何かの気配を感じ、後ろを見ると、

 

「どうも~♪」

 

そこには砲身をこちらに向け五式戦車エーデルワイス号がいてキューポラからりほがにっこり手を振っていた。

 

「「っ!?」」

 

敵がいつの間にか目の目の前・・・・・いや真後ろにいることに気が付かなかったことに驚き、二人は車内に急いで入ると、

 

「左衛門佐。敵が真後ろにいる!すぐに旋回!」

 

慌ててそういうが、

 

「気付いた時には・・・・・・もう遅いわ」

 

りほがそう言った瞬間、エーデルワイスの88ミリ砲が火を噴き三突は至近距離でその砲撃をまともにくらい、撃破される。

 

『Cチーム・Ⅲ号突撃砲、行動不能!!』

 

と、蝶野さんのアナウンスが聞こえ、りほは、

 

「よし!次はM3!ナポリ、そのまま前進。アーニャ!機銃を撃って炙りだして!」

 

「わかった!」

 

「了解!7・7ミリ弾の雨を降らせてあげるわ!」

 

そう言いエーデルワイス号は前進し、茂みから出る。そしてアーニャが機銃をM3が隠れている方の茂みに向かって機銃を発射する。すると、

 

『『『キャアアアアアアアッ!!?』』』

 

何やら悲鳴が聞こえたかと思うと、M3リーが茂みから飛び出してきた。突然の機銃の攻撃に驚いて飛び出したんだろう。

 

「出てきた。ジャスミン!主砲、発射!」

 

「はい!」

 

りほの言葉にジャスミンは頷き引き金を引く。そして放たれた88ミリの砲弾はM3の正面装甲に命中し、爆炎が上がると白旗が上がった。

 

「よし、残りは38tとⅣ号・・・・・・・」

 

りほはあたりを見ると橋の向こうに38tが突然現れ、そして橋を渡る直前に発砲するのだが、38tの37ミリ砲弾はエーデルワイスには当たらず別の所に飛んでいく

 

「ありゃ?あの距離で外した?」

 

「え?そんな馬鹿な。あの距離で?」

 

「砲手はノーコンなの?」

 

絶対に命中できる距離から外した38tを見てナポリとハルカとアーニャがそう言う。そしてお返しとばかりに38tに向かって砲撃し五式から放たれた88ミリ砲弾で倒され白旗が上がるそれを見たりほが、

 

「(よかった・・・・あの38tの砲手。きっと桃さんだ。杏さんだったらきっとやられていた・・・・)」

 

りほが少し汗を流しそう言う。

 

「あとはフラッグ車のⅣ号だけね」

 

「そうね。なんかこの試合フラッグ戦というより殲滅戦ぽくなっちゃたわね?」

 

「まあ、それが作戦だからな。相手を一輌づつ仕留める。まるで宮本武蔵の一乗寺下り松の決闘を連想させるわ」

 

「うん・・・・・・・っ!?ナポリ!急旋回!!」

 

「え!?わ、わかった!」

 

ナポリは急いで急旋回すると急に金属が激しくぶつかるような甲高い音と車内が大きく揺れだす。

 

『うわぁ!?』

 

その衝撃に6人は思わず声を出す。すると茂みからⅣ号戦車が現れた。

 

「Ⅳ号!?やっぱり、りほの言う通り後ろに隠れていたのね!」

 

「危なかった・・・・急旋回してなかったらマフラーごと後面のエンジンやられてゲームオーバーだったよ・・・・」

 

ナポリがそう言う。幸いにもⅣ号の放った砲弾はナポリが急旋回することにより、昼飯角度(又はティーガーフェーベル)の側面に当たり弾いたのだ。

 

「・・・・・・」

 

りほはⅣ号をじっと見る。あのⅣ号には自分の母が乗る戦車。Aチーム。のちのアンコウチーム。一筋縄ではいかないことにりほは少し焦りを感じていた。

 

「残りは伝説のアンコウチーム。通常のやり方じゃ、仕留められない・・・・・みんな。ちょっと、イチかバチかなんだけど提案があるの」

 

「なになに?」

 

皆がりほの言葉に耳を傾け。りほ自身が考えた戦法をみんなに話す。

 

「なるほど・・それなら、何とか・・・・・でも賭けになるわよリホーシャ?」

 

「大丈夫。みんなにチームプレーがあれば、何とか」

 

「そっ。まあ私はそう言う賭け事、一番好きだわ。リリーシャ、ハルーシャ。装填の方は?」

 

「大丈夫、任せて。そのために息合わせしたんだから」

 

「そうそうオートメラーラの127ミリまでとはいかないけど、何とかやって見せるわ。ジャスミン。弾はあと2発しかないけど大丈夫?」

 

「行進間射撃でも可能だけど0・5秒だけでも停車時間がもらえれば最後の一発で仕留めて見せます」

 

「運転の方は任せろ履帯がブチ切れないように派手にしてあげるわ」

 

5人の言葉にりほは頷き、そしてりほは再び、Ⅳ号を見るとインカムで、

 

「前進!!」

 

そう指示すると、エーデルワイス号はⅣ号に向かって前進するのであった。そしてⅣ号が砲弾を発射するが、エーデルワイス号の直ぐ横に被弾し、その衝撃でエーデルワイス号の車体が激しく揺れる。

 

「撃てっ!!」

 

りほがそう言い砲弾はⅣ号の側面を掠り、そして若干だがⅣ号の動きにスキができる。それを見たりほは、

 

「ナポリ!!」

 

りほがそう言うとナポリが頷き、操縦稈を引くのと同時に急ブレーキをかける。するとエーデルワイス号の車体は大きく曲がり、ドリフト状態になりⅣ号の側面に回りこもうとするとⅣ号もすかさず砲塔を旋回する。そしてエーデルワイスの砲身とⅣ号の砲身が互いの車体に合わせた瞬間、二つの大砲から爆音と大きな黒煙が舞い上がりそして何かが爆発するような轟音と閃光が光る。そして発射時に出た爆炎が晴れるとそこにはⅣ号の砲撃で転輪が吹き飛ばされたエーデルワイス号と、砲塔の前面装甲に砲弾が命中し、白旗の上がったⅣ号の姿があった。

 

『フラッグ車、Ⅳ号Ⅾ型、走行不能!よってこの試合、エーデルワイスチームの勝利!』

 

蝶野さんからのアナウンスが鳴り、試合が終了した。エーデルワイスチームにとっては初試合のこの試合の結果は、エーデルワイスチームの初勝利となるのであった。

 

 

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