タイムスリップパンツァー・時をかける戦車少女たち   作:疾風海軍陸戦隊

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決断です!

この世で最も貴重な瞬間・・・・それは決断の時である。人は人生での分岐点にぶつかったとき、まずその決断という試練を越えなければならない。

それは別の時代から来た6人の少女たちもまた同じであった・・・・・

練習試合が終わった後エーデルワイスチームは急遽、生徒会の会長である角谷杏に生徒会へ来るよう言われて6人は生徒会室へ向かい、そして部屋で待っていた。

 

「なんだろうな~用って。私、汗だくだから風呂入りたい」

 

「そうね~ハルカが作ってくれたドラム缶風呂。早く入りたいわ~」

 

「わたくしも同じ意見ですわ。それにしてもハルカさんすごいです。ドラム缶でお風呂を作ってしまうなんて」

 

「大したことないわよ。ただ単にドラム缶に水を入れて焚火で沸かしただけなんだから」

 

「しかも?底が熱くならないように五右衛門風呂風にしてでしょ?」

 

「正解。小さいころ、よく母さんとキャンプに行ったときに母さんに教わったのよ」

 

「へ~お母さん。キャンプの心得あるんだ」

 

「うん。なんでもお母さんの知り合いの友達がそう言うサバイバル術に詳しくて教えてくれたみたいよ?」

 

「へ~」

 

と、6人はそんな話をしていると、ドアが開き、

 

「やあやあ伊庭ちゃん達待たせてごめんね~」

 

と、角谷さんたちが入ってくる。そして角谷生徒会三人衆と蝶野さんはソファーに座り、

 

「今日は練習試合、引き受けてくれてありがとね」

 

「いいえ。私たちもいい練習になりました」

 

と、そう言うと角谷さんは。

 

「・・・・・で、6人とも。この時代でそうするか決めた?」

 

「やはりその質問をしますか・・・・・」

 

「うん。20年・・・・・言葉や文字にするとたったの二文字だけど。実際の年数はかなり長い・・・・君たちは何らかの原因でこの時代に来てしまい帰り方もわからないし、ましてはこの時代にはタイムマシンなんてないから君たちをもとの時代に返すこともできない。となると帰る方法が見つかるまでこの時代にすまなきゃいけない。しかしこのお時代には君たちは生まれていない。だからバイトをするにしても戸籍がないとできない。だから・・・・・」

 

「戦車道を取って、角谷さんに協力する代わりにこちらの衣食住の生活を保障する・・・・・と?」

 

「そ、察しがいいわね、伊庭ちゃん」

 

「でも、そんなことできるの?」

 

「まあ、なんとかなるでしょ?それに無名で、どこの学校にも属さない戦車チームより、大洗女子学園の学生ということなら、戦車の燃料や砲弾は連盟側がやってくれるらしいし」

 

「え?本当なんですか蝶野さん?」

 

「ええ、さっき理事長に連絡を取って訊いたら。『異例な事だが、ほんのわずかだが、必要最低限の補給ぐらいなら何とかする』って?」

 

「その人、信じたんですか?私たちが未来から来たっていうことを?」

 

「それは言っていないわ。ただ、どこの学校にも属さないクラブチームがいるということで話したら、OKしてくれたわ」

 

「で、でも学校の方は・・・・・」

 

「それなら小山がいろいろと書類のやりくりしてくれたよ。後は君たちの返答次第だけだよ」

 

「書類のあれこれするのは大変だったけどね・・・・・」

 

角谷さんの言葉に小山さんが乾いた笑いをする。それを見た6人は、

 

「「「「「「(何をやったんだこの人たち)!!!???」」」」」」

 

と、疑問の念を抱いた。そしてりほは自分のいた時代の学園の都市伝説を思い出す。自分のいた時代の大洗女子学園の都市伝説はいろいろとある。例えば夜中学校をうろつく座敷童軍団に旧部室等の幽霊(十中八九原因は私たち)、その他、学校に突如現れるハサミを手にした妖怪だとか。一番人気の都市伝説は角谷さん世代の生徒会が学園長よりもえらく、学校を牛耳って書類を偽造したりと都合のいいことをしているというものだ。

 

「(もしかして柚子さんにまつわる、例の都市伝説て、事実なんじゃ・・・・・)」

 

りほは苦笑しながら、そう思う。口に出したところではあったがそれはやめた方がいいと判断した。

 

「それで、どうするの?」

 

角谷さんが干し芋をほおばってそう訊くと、私たちは小声で話し合った。

 

「どうします。りほ?」

 

「向こうの会長さん。廃校回避のために私たちを利用するのはすぐにわかるけど・・・・」

 

「賞金付きの試合が存在しない以上・・・・・あの会長の提案に乗るのはしゃくだけれど。ここは乗るしかないわね」

 

「そうね。砲弾が無くなった以上、いつ補充できるか・・・・それよりも資金が足りないわ」

 

「世知辛いわね・・・・・まあ、私はリホーシャの判断に任せるわ。何か危ないことになったら私たちが全力でサポートするから・・・・」

 

「みんな・・・・ありがとう」

 

りほは頷くと、

 

「角谷さん。私たちはあなたたちの要求をのみます。私たちエーデルワイスチームは大洗女子学園戦車道チームに協力します・・・・ただし。条件があります」

 

「条件?」

 

「はい。まず一つ確認なんですが本当に私たちが協力したら衣食住また戦車の燃料弾薬などの保証はしてくれるんですよね?口約束は約束ではないって言って反故にしないですよね?」

 

「ああ、約束するよ。何なら誓約書も作るよ・・・・で、もう一つは?」

 

「はい。もう一つは。私たちの名前をなるべく公表しないでください」

 

「え?」

 

予想外の言葉に角谷らはきょとんとした顔をし、りほの後ろにいたリリーたちは頷く。

 

「それまたどうしてかしら?あなたたち有名になりたくないの?」

 

蝶野さんが聞くとりほは、

 

「確かに私たちエーデルワイスは戦車道で名を残したいです。しかし。私たちは本来この時代には存在しないイレギュラーです。その存在がいるはずのない時代で活躍し名を残したら、歴史が狂います。現時点でいるだけでも危険なのに。それで新聞や週刊誌なんかに乗せられたら・・・・・」

 

「確かに、歴史が変わっちゃうね・・・・・・」

 

「はい。もしかしたらそれで時は歴史が狂うのを恐れて元の時代に返してくれると思いますが。逆に帰れたとしても・・・・」

 

「自分といた時代とは違う時代になっちゃうってわけか」

 

「そうです河島さん。ですから試合での私たちの名前と写真と記録は公表しないでほしいんです。なるべく元の時代になるように・・・・・」

 

「そっか・・・・まあ伊庭ちゃん達が心配するのも無理ないね。私も同じ立場だったらそうするよ。分かったよ、なるべく君たちのことは表ざたにしないよ。完全にとは約束できないけどなるべくそうするよ。それと君たちが元の時代に帰れる方法も探してあげるよ」

 

「ありがとうございます角谷さん」

 

「いいよ。いいよ互いに協力しないとね・・・・・でさ、一つ訊いてもいい伊庭ちゃん?」

 

「何でしょうか?」

 

「君さ・・・・・もしかして西住ちゃんの娘?」

 

「っ!?」

 

急にそう言われ驚くりほ。それは角谷のそばにいた河島さんたちも同じであった。

 

「だってさ。君の顔。西住ちゃんにそっくりだし、仕草や動きも同じだった。それに伊庭ちゃん、自分の名を名乗るとき西住の名を名乗りそうになった。しかも20年後から来た人でうちの学校出身。だとするともしかしたら西住ちゃんの娘かな?って思って」

 

『す、鋭い・・・・』

 

その場にいた6人は冷や汗をかく。するとりほは軽くため息をつき、

 

「・・・・・やっぱり。この時代の干し芋お姉ちゃん・・・・・いや角谷お姉さんも鋭いですね。敵いませんよ」

 

隠し通せないことに、りほは降参とばかり両手を挙げて苦笑して言う。

 

「やっぱり君は西住ちゃんの・・・・・」

 

「はい。私は理由あって伊庭の名を借りて名乗りましたが。本名は西住りほ。現在在校している西住みほの娘であり西住流の一人です。言っておきますが角谷さん・・・・・」

 

「わかっているよ。みんなには言わないよ私たちだけの秘密にするから」

 

「感謝します。角谷さん、これからよろしくお願いします」

 

「うん、此方こそよろしく頼むよ……………ああ、それと今日は疲れたでしょ?学園の大浴場使っていいからね~」

 

角谷さんがにっこり笑うと、6人は嬉しそうに頭を下げて部屋を出るのであった。そして残された角谷らは、

 

「会長。彼女たちが協力してくれてよかったですね」

 

「うん。これで一先ず、学園の未来も安心したものになる可能性が開けてきたかな~」

 

「でも驚きです。まさか伊庭さんが西住さんの娘だったなんて・・・・・」

 

「まあ私も最初はまさかかな?て思っていたけどね~で、小山?」

 

「はい。西住・・・・・いいえ伊庭さんたちの書類。早速作ります」

 

「頼むね~それと隠密にね。彼女たちが未来から来たことを知られないように」

 

「はい」

 

そう話し合う生徒会たちであったが、その会話を聞いていた者がいた。

 

「(生徒会のこと取材しようと来てみたけど。これはすごい話を聞きました!スクープ!大スクープです!!)」

 

と、生徒会室のドアの前で眼鏡をかけカメラを手にした生徒がスキップしながら走り去っていくのであった.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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