タイムスリップパンツァー・時をかける戦車少女たち 作:疾風海軍陸戦隊
「はい!皆さんこんにちはあけましておめでとうございます!新聞部部長の射命丸文です!私は今生徒会にいるのですが・・・・・・・現在私は縄できつく縛られ逆さに吊るされております。そして私たちの周りには」
と射命丸がちらっと周りを見ると・・・
「さて・・・どんな焼き加減がいい?レア?それともウェルダンがいいかしら?」
「元の時代でサンダースからパク・・・・・借りてきたこのⅯ2火炎放射器の威力がどんなものか早く試したいわね~」
「焼かれて熱いのが嫌なら、このフリーガーハマーのロケット弾がいいかしら?一発で粉みじんにしてハンバーグの材料にしてあげるわよ?」
と、ロケットランチャーと火炎放射器を持った少女が怖い笑みをしていた。
「私は今、未来からやって来たと噂される少女6人のうち、二人にロケットランチャーと火炎放射器を向けておられます」
「烏、なぜおまえはこんな時でも冷静なんだ!?」
「これが文屋というものだよ、河島さん・・・・・・」ドヤ顔
そう文が言うと、
「やあやあ、烏~。久しぶりだね~。去年の夏以来かな~」
「これはこれは干し芋さん・・・いいえ、生徒会長さん。久しぶりですね~。突然ですがなんで私が呼び出された挙句こうして吊るされなければいけないんですか?」
「はい、これ?」
そう言い角谷が見せたのは今朝の新聞だった。
「ああ、今朝の新聞ですね!いや~あれは大繁盛でしたよ~。おかげで新聞部の評価も少し上がりましたし~」
「それはよかったね~。でもね烏。なんでこの子たち6人が未来から来たって・・・・」
「それは角谷会長自身がおっしゃっていたじゃないですか~。私としてはいいネタを拾いましたよ。あ、でもその情報を持ってきたのはうちの王君なんだけどね?でも彼女は責めないで上げてね。あの子は仕事しただけだから」
「相変わらず部員思いだね~。私は君のそこが気に入っているんだよ・・・・でもねこの記事を書いたのはちょっとまずかったね~」
「え?どのくらいまずいんですか?」
「去年の夏の記事よりだよ」
「あ~あの記事ですか!あの記事は私の最高傑作の一つ・・・・・」
「恐怖公の部屋にぶち込まれたい?」
「いえ、それだけは勘弁です。すみません調子に乗ってました」
青筋を立ててそう言う杏に、烏は参ったという表情でそう言うと。杏が、
「それで?何でこんなの書いたのかな?いくら小学校の幼馴染の仲とは言え、本気で廃部にしちゃうよ?」
と、少し脅すようにそう言う杏に烏は、
「いや~、昨日、取材に伺おうとしたんだけどね。ちょうど杏がその6人と話をしててしかも未来からというじゃないですか。文屋としては特ダネだと思って書いたのよ」
「「「「(あの時か・・・・・)」」」」
「それで何?何か広められて困ることでもあるの?」
「それは・・・・・」
烏の言葉に杏は少し引くが、りほは、
「私たちはなるべくこの時代で派手に動きたくないんです。もし世間で未来から来た子なんて広められたら。下手をしたら歴史が変わって元の時代に帰れなくなる可能性が出るんです」
りほが今までのことを烏に言うとその言葉に5人は頷く。それを聞いた烏は納得したように頷き、
「なるほど、なるほど。確かに君の言う通りだね。そう言うことを考えると私にも考えが足りなかったわね。でも発行しちゃったからにはもう後戻りはできないし。杏たちはどうするつもり?」
そう訊くと桃が、
「すぐにでも改竄させるか、その記事を消滅させる」
「それだとかえって逆効果ですよ。それだとそれが本当だと認めるようなものじゃない?」
「じゃあ、そのままにしろと?」
「そっ!下手に検閲して周囲から怪しまれるより、そのままスルーした方が被害は最小限に済むよ。それに自分で言うのもなんだけど私の新聞のほとんどの内容がフィクションだと思われちゃっているしね。すぐにタイムスリップ少女の話題は消えるよ。せいぜいそれを自称する転入生だと思われるだけね」
「自分で言ってて悲しくないそれ?」
「というより、それを自称する設定じゃ私たち頭の変な子だと思われるじゃない・・・・まあ未来人ってバレるよりましだけど・・・・・」
烏の言葉にハルカとアーニャが苦笑してそう言うと、柚子は、
「もしかして烏さん。それを見越して記事にしたの?」
「さぁ~どうでしょうね~?まあ、黙ってても近いうちにその子らの正体ばれちゃうんだし、ここで時間稼ぎになる設定つけても大丈夫でしょ。ね、杏?」
「本当に君は危ないところぎりぎりまでやるね・・・・下手をすれば廃部にすることだってできるんだよ私は」
「権限はあっても、理不尽にそう言うことをしないのが君だ、杏。まあ、内容は理解したわ。じゃあ君たち6人組については記事にしないことを約束するよ」
「意外とあっさり引くんですのね?」
「私としてはぜひじっくり取材して特ダネとして発表したいんだけど。私は無理やりなことは嫌いだし、何しろ杏がここまで庇うなんて珍しいからね。その杏に免じてそうしないわけ。その代わり・・・・・」
「わかっている。口止め料として部費のアップだろ?」
「正解」
「現金だね~烏は。干し芋じゃダメ?」
「私も慈善家じゃないからね。数倍に上げろとは言わないわ。せめて去年ぐらいに戻してほしい。それだけよ」
「よし、じゃあ交渉成立だね~」
「そうね~」
と、そう言い杏と烏はにこにこと笑いながら握手をする。それを見た6人と桃たちは、
「な、なんか。私たちの入る隙もなく勝手に解決しちゃったよ・・・・」
「私たちが殴り込みに来た意味ないじゃん」
「と、いうより会長とこの烏・・・・」
「ええ…案外この二人」
「「・・・・似た者同士かも・・・・」」
と、苦笑して見ると、烏は『じゃあ、部活の仕事があるので帰るね』と言い帰っていった。そして杏は、
「いや~ごめんね伊庭ちゃん。早速約束破っちゃって」
「いいえ、いいんですよ。どうやら事故みたいなものだったようですし。ですが次からは気を付けてくださいよ」
「うん。善処するよ」
「本当ですね?もし次があったら・・・・・・」
「あったら?」
杏が首をかしげると、りほは怖いくらいの笑みをこぼし、
「杏さんの大切に保管している干し芋のコレクションがあるR36倉庫を爆破しますので~」
「なっ!?」
りほの言葉に杏は顔を青くし、ほかのみんなはわからず首をかしげると杏は、
「そ、それだけは勘弁してりほちゃん!と、いうよりなんでその倉庫のこと知っているの!?」
「未来の杏さんに教わりました。私のいた時代のことですが、もし干し芋好きの超理不尽で横暴の生徒会長がいたらそれを使って脅せって」
「おのれ未来の私!!なんて余計なことをっ!!」
りほの言葉に杏がぐっと悔しそうな表情を浮かべてそう言うと。桃と柚子は、
「あんなに取り乱した会長・・・・・初めて見た」
「そ、そうだね桃ちゃん」
初めて見る杏のリアクションに驚いていた。そしてりほは、
「ではなるべく約束のほう。お願いしますね?」
「は・・・・はい」
そう言うとりほたちは退出する。
「会長・・・・・大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・・まさかりほちゃんがあの倉庫のことを知っていたとはね・・・・もしかして未来の私、このことを想定して?」
「それはわかりませんが・・・・それにしてもあんなに狼狽えた会長は初めて見ましたよ」
「そうだな。最後に見たのは一年の時会長と烏が問題を起こして生活指導として恐怖公の部屋に・・・・・・確かあの部屋ってG・・・」
「やめて!思い出させないでくれ河島!!」
河島の言葉に耳をふさいでそう言う杏であった。
一方、りほたちは、
「はぁ・・・・事故とはいえ、私たちの存在、表に出ましたわね」
「そうね。また鬘被って生活しないと・・・・・」
「そうね・・・・・それよりもりほ。すごかったわよ、あの生徒会長の弱点を突くなんて」
「まあ、杏さんが干し芋好きだから干し芋を人質・・・いや芋質か。そうすればたいてい何とかなると思ったのよ」
「へ~、で、その倉庫どこにあるの?」
「それが知らないのよ~。(未来の)杏さん、存在は教えてくれたけど肝心の場所までは教えてくれなかったから」
「つまり、今のはハッタリ?」
「うん。そうよ・・・・さて。みんなこれからどうする?」
「え?そうね・・・・・少し遅くはなりましたが、りほさんの言っていた船底に行きます?」
「あ、それ賛成!私、早く冒険したいしね」
「じゃあ、決まり。りほその船底って楽しいの?」
「ええ、小さいころ海賊のコスプレしてたお姉さんがよく連れてってくれたから。しかもね、その場所には秘密のバーがあるのよ」
「まじでか!尚更楽しみだな」
「じゃあ、すぐにでも行きましょ!」
「賛成!」
そう言い6人組は、船底へと向かうのであった・・・・・そこで一波乱あることも知らずに・・・・・