タイムスリップパンツァー・時をかける戦車少女たち 作:疾風海軍陸戦隊
それも誠に申し訳ないのですが歓迎会の前に聖グロリアーナ戦作戦会議を書きたいと思います。
歓迎会は次回になってしまいます。本当に申し訳ございません
あの後、私たちは練習を始めた。無論、練習の指揮は河島さんがとっていた。
練習内容はいたって簡単なものだ。隊列を組んで走行したり、砲撃演習をしたりだ。
そして私たちエーデルワイスチームも練習に本格的に参加した。燃料砲弾は蝶野さんの計らいで、連盟から補給物資が届いた。無論、修理するための戦車整備専用の工具も届いた。
届いたとき、よくエーデルワイス号を整備していたナポリとハルカは泣いて喜んでいたことを今でもはっきり覚えている。
そして今・・・・・
「ジャスミン!砲塔旋回!」
「はい!」
「ハルカ!装填早く!!」
「ええ!!」
「ナポリ!急停車!!」
「おう!」
6人は阿吽の呼吸で戦車を動かし、砲塔を旋回させる。そして方針が的に向いた瞬間
「撃てっ!!」
りほの言葉にジャスミンが引き金を引くと放たれた砲弾は的から数ミリ離れたところに当たってしまう
「す、すみません・・・・」
「いや、ジャスミンは悪くないよ。それにあれだけ激しく動いての急停車で的に当てるのは難しいから」
「リホーシャの言う通りよジャスミン。気にしないで」
「そうそう。射撃の訓練でも的を狙って打ち込む弾もたまには外れる時だってあるよ。とあるブラックな防衛チームの一週間の歌にもあるし」
「ハルカ。そのネタ古いわよ。今時それ知っている人、平成の世でもいないぞ?」
ハルカの言葉にリリーはそう突っ込む。
「いまのところ順調だね。りほ」
「うん。そうだね・・・・・」
ジャスミンの言葉にりほは頷く。そして練習をしている最中
「そう言えば・・・・・」
「ン?どうした。りほ?」
りほが何かを思い出したような表情をするとナポリが振り向き訊くと、りほは
「うん・・・歴史通りならこの後、他校との練習試合があるな~って思って」
「あ、それ私も知っていますわ。確か我が校、聖グロリアーナ女学院との試合でしたわよね?」
ジャスミンが頷いてそういう。そう歴史通りならこの後、大洗女子戦車道チームは初めて他校と試合するのだ。しかも相手は準優勝経験のある強豪校、聖グロリアーナ女学院。つまりジャスミンの母校なのだ
「そっか・・・・・それでリホーシャ。あなたはどうしたいの?」
「え?」
「だから試合についてよ。参加するの?リホーシャ。そのことで悩んでいるでしょ?」
「うん」
アーニャの言葉にりほは頷く。りほ個人としては試合でみんなで練習した成果を発揮したい。そう思っていた。しかし、しかしだこの試合は大洗の戦車道チームの初陣でもあり歴史的にも有名な戦いの一つ。
歴史では無名だった大洗女子が強豪である聖グロリアーナに対し負けはしたのだが代わりに苦戦させるという戦果を挙げている。
この試合により大洗は聖グロリアーナに好敵手と認められ、それ以降、りほの時代では聖グロリアーナと大洗は黒森峰を除けば宿命のライバルという関係になっている。
もし、自分らが参戦し勝ちでもしたらどうなってしまうかは、りほでも大体の予想はできた。しかも最悪の方向になりかねないという予想だ
「まあ、りほが悩むのも無理はないな。私だって考えちゃうよ」
「確かに。私たち個人としては参戦したいけど・・・・そうしたら」
「下手したら歴史が狂う」
「ここは、みんなで相談しないとね・・・・・」
そう言い、里穂たちは練習をしながら試合に参戦するかどうか相談しあうのであった。
そして練習試合が終わり、夕焼けに染まる学園に皆が集まる中皆の先頭に立つ生徒会三人衆の一人である河嶋さんが
「今日の訓練ご苦労であった!」
『お疲れ様でした〜』
河嶋さんの言葉に皆は挨拶をする。
「えぇ、急ではあるが、今度の日曜日練習試合を行う事になった。相手は聖グロリアーナ女学院!!」
「「「(来たっ!!)」」」
河嶋さんの言葉にりほたちの顔は強張る。りほはちらっと隣にいる若き母・・・・みほを見ると
秋山さんが聖グロリアーナについてみんなに説明をしていた。
「場所は近日寄る港・・・・大洗町で日曜日の10時に試合開始のため朝六時に学校に集合!」
とそう言う。ここまでは歴史通りだ。すると・・・・
「……やめる」
「はい?」
「やっぱり戦車道やめる」
「もうですか!?」
「麻子は朝が弱いんだよ……」
麻子は絶望した表情で夕日に向かい帰ろうとしていくそれを見たみほたちが追いかける。それを見たナポリが
「ねえ、りほ。止めなくていいの?確かあの人、冷泉麻子でしょ?伝説の操縦手の」
「そうですよ。やめられちゃったら歴史が・・・・・」
ナポリとジャスミンが焦って言う中、りほは
「大丈夫。大丈夫・・・・・ほら」
「・・・・え?」
りほが麻子の方を見てみんながその方向を見ると・・・・
「それにさ、ちゃんと卒業しないとおばあちゃん物凄く怒るよ?」
「おばぁ!?・・・・・・・わかった・・・・やる」
と、冷泉はしぶしぶ承諾していた
「ほらね」
「りほ・・・・・まさか知ってた?」
「うん。それに冷泉さんは義理堅い人だって前に竹部先生に聞いたことがあったから、確か昔お母さんに借りがあったから戦車道をしたって本人にも聞いたことがあったし」
「なるほど…義理堅い人が義を返さないわけがない・・・・てやつね」
りほの言葉にハルカが納得する。
その後、練習が終わった後、みほ、それにほかの戦車長は角谷さんたちに急遽生徒会室に集まるように言われた。その理由は今週末に行われる練習試合に向けて対策会議をするというのが理由だった。
「いいか、相手の聖グロリアーナ女学院は強固な装甲と連携力を活かした浸透強襲戦術を得意としている」
河島さんがボードに張られた聖グロリアーナの主力戦車のマチルダ。そしてチャーチル歩兵戦車のスペックや聖グロリアーナの戦法を説明していた。その話を聞いていたのは車長であるみほ、それにM3の車長の澤さんに三突のカエサル。彼女は車長じゃないのだが歴女たちの中ではリーダー格なのでここにいる。そして八九式の磯部さん通称「キャプテン」だった。そして本来この時代にいないはずのイレギュラー。エーデルワイス号こと五式戦車車長、伊庭りほ・・・・西住りほが出席していた
「とにかく相手の戦車は堅い、主力のマチルダⅡに対して我々の方は100メートル以内でないと通用しないと思え」
まあ、河島さんに言うことは間違いではない。マチルダの最大装甲は75㎜以上。三突かうちの五式じゃないと遠距離からの攻撃は難しい。しかも丸みを帯びた装甲だから弾きやすい。その間に河嶋さんは話を続ける
「そこで一両が囮になってこちらの有利となるキルゾーンに敵を引きずり込み、高低差を利用して残りがこれを叩く!」
その言葉にみんなは頷いたり、勝利を確信した顔になる中、不安そうな表情をするものが二名いた
「西住ちゃん。伊庭ちゃん。どうかした~?」
そう、みほとりほであった。その二人の表情を見た角谷が二人に訊く。みほは遠慮するが
「いいから言ってみ~」
と、優しく促す。するとみほは静かにこう言った
「・・・・・聖グロリアーナ当然こちらが囮を仕掛けてくることは想定すると思います。裏をかかれ逆包囲される可能性があるので……」
「あ~確かに!」
と、みほの言葉にみんなが納得する。すると
「うるさい!私の作戦に口を挟むな!そんなに言うならお前が隊長をやれ!」
「・・・すみません」
と、みほに怒鳴りそして
「伊庭!お前も未来人ならこの試合の未来を教えたらどうだ!!」
「・・・・・」
河嶋さんにそう言われりほは黙る。そして皆は興味津々な顔で見るのだが
「お断りします。未来のことは言うことはできません」
「なんだと!」
「当たり前です。未来を知るのがどんなリスクを背負うかは前に説明したはずです」
「なにを~!!貴様いくらにしz「河嶋っ!!」っ!?」
河嶋さんが言いかけた時、急に角谷さんが珍しく声を荒げる。その声に皆は驚き、角谷さんの顔を見ると、いつも飄々した顔ではなく、真剣な表情で河嶋さんを見ていた
「河嶋。落ちつけ・・・・・」
「・・・・あ。・・・・す、すみません会長」
静かな声で言う角谷さんに河嶋さんは冷静になり謝ると角谷さんはいつもの表情になり
「まあ、河嶋の言うこともわかるけど、そう言うズルはやめようよ。伊庭ちゃんにも立場っていうのがあるし・・・・・・それで伊庭ちゃん。ほかにも何か言いたいことがあるんだよね?」
角谷がそう言うとりほは頷き
「はい。実は今回の試合・・・・・みんなで話し合ったんですけど、参戦しないことに決めました」
「「「え!?」」
りほの言葉に杏以外の子たちは驚いた表情をする
「ど、どうしてですか!?」
磯部が訊くと
「今回の試合は大洗女子の初陣です。そして私はこの時代にいるはずのないイレギュラー・・・・そのイレギュラーが参加したら結果はどうであれ・・・」
「歴史がおかしくなる。そう言いたいんだよね?伊庭ちゃん」
「はい。それに・・・・・・」
「それに?」
「20年前の先輩がどんな戦いをしたのかこの目で見たいんです。本での記録ではなく私自身の目で」
りほは力強く言うと杏は
「そっか・・・・・そう言う理由なら仕方ないね~わかったよ」
「え?会長いいんですか?」
「私は相手の意見を尊重する方だよ。まあ、伊庭ちゃんの言うことも一理あるしね。下手に歴史が変わっちゃたら、伊庭ちゃんたち未来に帰れなくなっちゃうしね。みんなも異論はないよね~?」
角谷がそう言うと皆は黙ってしまう。確かにりほたちが帰れなくなるのは自分たちにとっても責任を感じてしまう。本当は参戦してほしいのだが事情が事情のため皆は静かに頷くのだった
「じゃあ、異論は無いっということで。ああそれと西住ちゃん」
「は、はい?」
「西住ちゃんが隊長をやって、うちのチームを引っ張てね」
「えっ!?」
角谷の言葉にみほは驚くと笑顔で拍手をして、それに釣られる様に他の子達も拍手をする。
「頑張ってよー、勝ったら素晴らしい商品をあげるから」
「え?何ですか?」
「私がこよなく愛するこの最高級干し芋三日分!!」
と3本の指を突き出し、嬉しそうに言う。それを聞いてみんな呆れた顔をする。
「あの、もし負けたら?」
と磯部が負けた時の処遇があるのか聞くと、
「大納涼祭りでアンコウ踊りを踊ってもらおうかな〜?」
そう角谷が言うと皆が固まり顔が青ざめていた。しかしみほはアンコウ踊りが何なのか知らずに首を傾げりほは
「(ごめんなさいお母さん・・・・・一緒に戦えなくて)」
アンコウ踊りの悲惨さを知っているりほも心の中で若き母に謝った。その後、会議は終わり皆が生徒会室を出る中、りほは角谷に呼び止められ残った。そして・・・・・
「いや~伊庭ちゃん・・・・いいや、りほちゃん。ごめんね~うちの河嶋が」
「すまない伊庭!危うくお前の正体ばらすところだった!」
「ごめんね」
と、三人は謝る。りほは
「いいんですよ別に、わざとじゃないことはわかりましたから」
そう言うりほに河嶋がほっとすると、柚子が
「あ、あのりほさん。試合の件だけど、本当に参加しないの?」
「はい。みんなで話し合って決めたんです。勝敗関係なく・・・・・」
「歴史の入り口はちゃんとそのままにしたい・・・・そうでしょ?」
「アハハ・・・・干し芋姉さんにはわかってましたか」
杏はりほの気持ちや考えてたことを見透かしていたようだ。そのことにりほは苦笑してしまうと杏は
「さて、じゃあ試合についての話はこれでおしまい。この後の夜に体育館でりほちゃんたちの歓迎会をするからね。楽しみにしてよ」
と、ニコッと笑う角谷さん。そう言えば今朝も夜の7時に体育館に集合ってみんなに言っていたことをりほは思い出す
「楽しみにしててね~河嶋がかくし芸にパンプキンシザーズ音頭を踊るみたいだから」
「なっ!?会長!!」
「?」
角谷さんの言葉に河嶋さんは顔を真っ赤にし、りほは訳が分からず首をかしげるのであったのだった・・・・・
次回歓迎会です!
因みに河嶋さんのパンプキンシザーズ音頭は中の人つながりです
次回も頑張って書きたいと思います