俺は、歌い手になりたい。
俺は、とっさにそう思った。
なぜだろう………
その時は、まだなぜ歌い手になりたいのかよくわかっていなかった……
ただ、あの子を救いたかっただけだと思っていた。
だけど、実際は、違ったのかな………
1年前、俺は高校1年生になった。
中学校からほとんど友達はいなかった。
だけど、インターネットには、たくさんの友達がいた。
ネットでなら、分かり合える。分かってくれる人がたくさんいる……
俺は一生、ネットで暮らそうかな……
そんなことを考えて生きていると、とうとう高校生にまでなってしまった。
新しいクラスは1年2組で、明るい人が多いクラスだった。
今年も、馴染めそうにないな……
俺は自分の席に着くと……
ある男子が視線に入った。
その子は、俺と同じように1人静かに席に座り、うつむいていた。
あの子も、俺と同じなのかな……
俺はその子に興味を持った。
しばらくすると、1人の男性がやって来た。どうやら担任の教師らしい。
教壇に立つと、1人ずつ出席を取り始めた。
「……長谷川悠月(はせがわゆづき)」
「はい」
俺は小さな声で返事をすると、生徒の視線が俺に向けられた。
なんであんな暗いのだろうと、不思議に思っているのか、バカにしているのか……
「ちゃんと前向け」
教師は言うと、次の生徒の名前を呼び始めた。
しばらく経つと……
「……前江田祐樹(まえだゆうき)」
「はい……」
祐樹と言われたさっきの子は、俺よりも暗く、そっけなく返事をすると、またうつむいてしまった。
教師は何か言おうとしたが、何事もなかったかのように次の生徒の名前を呼び続けた……
その後2人程の出席をとると、教師は話し始めた。
「今日は1人欠席がいるが……改めて、おはよう」
すると生徒は一斉に「おはようございます」と言った。
俺は口だけ動かして、声には出さなかった。
「今日からこのクラスの担任となる、山崎です。よろしく」
教師は俺の前に来た。
「元気ないな」
そして、そういった。
教師はずっと俺の前にいる。
どうやら、俺の返事を待っているようだ。
「いえ……」
俺がそっとそういうと、クスクスという笑い声が聞こえてきた。
「まぁいい」
祐樹のもとへは行かずに、教師は教壇に戻った。
「じゃあ、まずは一限目、数学やるぞ。早速教科書開いて」
教師は言うと、黒板に問題を書き始めた……
授業が終わると、5分間の休憩時間となる。
俺はその休憩時間で、思い切って祐樹に話しかけた。
「祐樹君、だっけか」
俺は祐樹の近くに行くとそう話しかけた。
「俺ね、君みたいに、ちょっと暗いんd……」
俺の言葉を遮るように、祐樹は席を立って廊下に出ていった。
俺は祐樹の後を追うも、途中で見失ってしまい、結局二限目が始まるとともに帰ってきて、話すことができなかった……
祐樹も、俺と一緒で人と話すのが苦手なのかな……
よく考えたら、俺よりも元気のなかった祐樹に、教師は何も言わなかった。
何か病気でもあるのかもしれない……
結局その日は一言もしゃべることなく家に帰ってしまった……
今回から、君の神様になりたいの二次創作小説を始めます!!
Judasパンプキンさんの小説もぜひ見てくださいね!!