とある方からのリクエストで山吹沙綾の作品も
書き始めました。
「塩パンに恋をして」
是非お読みください♪
今後もリクエストお待ちしております!
↑恋の方程式#6%↓
今日は何の日か。
「いや~なんか宿泊ってワクワクしない?」
「しない。」
今日は宿泊オリエンテーションの日でもあり、
僕にとって最悪の3日間の始まりだ。
中学に入って早2ヶ月が経とうとしている今。
僕らはより一層絆を深めるためという理由で、
少し遠くの山にある施設に向かいバスを走らせて
いる。
「え~!?何で?」
「僕の理論上、このオリエンテーションで何らか
のトラブルが起こる確率は87%だからだ。」
「またまた…」
「僕は今までの人生で一度もオリエンテーション
に良い思い出が無いんだ。今回もそうなる。」
バスの外の景色は高速を走っている為、あまり
綺麗ではないが、僕は窓際に座るリサの方を見る
のが出来なかった故に少し角度を変えて外を見て
話をした。
「今まで何があった訳?」
「それは…」
僕が言いかけたその時、マイク越しの大きな声
がバスのなかに響いた。
「はーい!皆さん!レクの時間です♪それでは
レク係さんお願いします!!」
先生だ。とてもウキウキしている。
「はぁ…僕の宿泊の嫌いな所その1。バスの中で
急に始まるレク。」
「まあまあそう言わずに…」
本当にレクは嫌いだ。いつもここで大抵のバカは
盛り上がって周りに迷惑をあたえる。
レク係の一人がマイクをもらい、前のほうで
全員に向かって話をし始めた。
「はい。レク係の石井です。それではこれから
レクを始めさせていただきます。」
何だろう。周りの女子がザワザワし始めた。
「ねえ、リサ。石井君ってイケメンだよね♪」
後ろの女子がリサに話しかけてきた。
何だよ。そんなことか。
「う、うん…そう……だね。」
「だよね♪なんか王子様って顔してる!」
「そう…だね……」
何故だろうか。いつもなら女子ってくだらない。
で済むのに、今回だけはそうはいかなかった。
リサはあんな奴のことが好きだったのか。
確かに顔は僕なんかと比べると断然良い。
性格も女子の前では良いと思う。
しかし…
石井とは一度接したことがあるのだが、とんでも
ない奴だったのだ。
─僕が席替えでまたリサの隣になった日の放課後
のこと…
「やあ。石原。ちょっと良い?」
「あ…はい…。」
人と接するのが苦手な僕に初対面でいきなり
馴れ馴れしく接してくる奴がいた。
「お前さ、今井さんのこと…好きだろ?」
「な、何を言っているんだい?君は…」
「こちらには証拠がある。君は今井さんのことを
最近リサと呼ぶようになったよね。そして何より
君は授業中何回も彼女のことを見ている!」
「ほう。なるほど。それならこちらも言わせて
もらうが、僕がリサと呼ぶようになったのは彼女
がそう呼んで欲しいと言ってきたからだ。」
「嘘をつくな!」
全く。僕はこういう感情的な人間は嫌いなんだ。
「嘘じゃない。それに、君は異性のことを下の
名前で呼ぶとその人のことが好きだと考えている
のかい?」
「あ、ああ。しかしだな…もし下の名前で呼ぶ
ことに意味が無くても、授業中に何回も今井さん
のことを見るのはいくら何でもおかしいんじゃ
ないか?そうだよな?」
「フッ…」
「何を笑っている。こっちは真剣に話をしている
んだ。何故君は授業中に何回も今井さんを見て
いる?答えろ!」
ハマったな。
この男は自ら僕の作った罠に入ってきた。
バカな男だ。
「へー。頻度はどのくらい?週1?」
「毎日だ!」
「君は毎日その現場を目撃してると?」
「ああ。そうだ。お前がその汚い目で舐め回す
ように何度も今井さんを見ている所を俺は
しっかりと目撃している!」
「ふーん。そうかい。つまり君も、毎日のように
僕らのことを見ていると言うことだよな。仮に
君は僕を見張るために見ていたとしても、君の
理屈によれば誰かを授業中に眺めているとそれは
好意を抱いているということだ。」
「ち、ちが…」
「あれ?君はリサに好意を抱いて僕らのことを
見ているのかな?それとも僕に好意を抱いている
のかな?」
僕はきっと今醜い顔をしていただろう。
化け物のような面をな…
「うるせー。今井さんはお前に似合う人じゃねー
俺が狙ってんだ。さっさと失せな…」
「それはありがたい忠告をどうも。それでは僕
からも一言。君にも似合う人じゃない。さっさと
失せたまえ…」
「チッ!」
今までの印象がすぐに崩れ去ったのを僕は
未だに覚えている─
「詠一?おーい!レク始まるってよ♪」
すっかり別の世界へと行ってしまったようだ。
危ない危ない…
「寝る。」
「ちょっと!」
「それでは皆さん。どうか寝ないでレクを楽しん
で下さいね。まずは自己紹介ゲームから
行きますか!」
クソ。せっかくの睡眠を石井に遮られた。
自己紹介とかどうでも良いんだよ。
「それでは最初に立候補する方は手を挙げて
下さい。誰でも良いですよ!」
石井は相変わらずの猫かぶりだ。
しかし石井の声が聞こえたにも関わらず、
周りはシーンとしている。
その時…
「は~い!それじゃ私やります♪」
僕の隣の人物が手を挙げた。
そう、リサだ。
「さすが。勇気の持ち主ですね。それではまずは
名前をお教えください。その後、皆さんから質問
を頂きます。」
「はい!今井リサです♪よろしく!」
リサは相変わらずの明るさだ。
「それでは質問のある方は挙手を!」
「ハイ!ハイハイ!」
たくさんの奴が手を挙げている。
リサは男女問わず人気のようだ。
「今井さん。ご指名を。」
「あ、オッケー!それじゃ君♪」
指されたのは名前を知らない男子。
「は、はい!あの、今井さんって…彼氏…
いますか?」
「オー!!」
周りが騒ぎ始めた。
ある意味勇気の持ち主だな。あの男子。
「うーんとね…それが…いないの。」
「ヒューヒュー」
周りはまたも騒がしくなる。
「それじゃ次、君!」
今度も名前も知らない男子だ。
「それじゃ、好きな人はいんの?」
「っ!」
さすがに聞かれているリサも驚いたようだ。
このクラスの男子はデリカシーの欠片もない。
「その…好き?なのかはまだ分かんないけど…
気にはなってる?みたいな人は…いるよ?」
周りの男子がドキドキして騒いでる中、
僕は何故全て疑問文に?ということに集中して
しまった。
でも、気になっている人ってもしかして…
石井じゃないよな?
「それじゃ~君!」
次は名前は知らないが、顔は見たことある女子
を指した。
「リサちーのタイプは?」
このクラスは男女問わずデリカシーが無いのか?
「え~っとね~。真面目だけど面白くって…
一つのことに夢中になれる人?かな。」
「一つのことって?」
「そうだね~。例えば学問とか?」
「ふーん。リサちーはそれにるんってするんだ」
僕はリサの言葉に少しドキリとした。
自分ではないと分かっているのに、これは
アピール出来るのでは?などと考えてしまう。
「はい。恋愛相談はそこまでにして…」
石井の言葉にまたも遮られたのだが。
「次はね~。君!」
「はい。好きな食べ物は?」
今度はまともだな。
「筑前煮と酢の物かな?」
渋いな。見た目がギャルなのにこのチョイスは
ギャップがありすぎる。
そんなこんなでそれ以降真面目にコーナーが進み
リサのターンは終わった。
「なんか疲れた~。精神的に。」
「お疲れ。でも意外だったな。」
「好きな食べ物でしょ?」
「そうだけど。」
「よく言われる。」
僕はその時実感した。
僕はまだリサのことを全く知らなかったんだと。
周りの人のほうがリサのことを知っているのだ
ということを…
「それでは次に参りましょう。」
悔しいが、もしかしたら石井の方がリサのことを
知っているかもしれない。
僕は悔しかった。
「立候補者は挙手を願います」
僕だって良い男だってことをアピールしたかった
んだと思う。
「ハイ!」
僕は思いっきり手を挙げた。
この後起こるバトルも知らずに…
~See you again~
感想、リクエスト、お気に入り登録
お待ちしております!
次回はバチバチですよ!
お楽しみに♪