ヌヌ葉否   作:エンゼ

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ふと出てきたネタです。
色々おかしい点豊富だと思いますが、許してください。


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 皆様おはようございます。もしくはこんにちは、こんばんはですね。私、『ヌヌ葉(ぬぬよう)(いなむ)』と申す者でございます。現在17歳で、とある東京の高校に通っているただのどこにでもいる高校生です。ただ、何故か身長が低くて背の順で並ぶと必ず一番前になるのが悩みの種でしょうか...これでも生徒会長なのですけれどね。

 

 私は以前は地方に住んでいまして、学校に通うために東京のマンションで独り暮らしをしてるのです。元々料理や洗濯といった家事は好きなので別に苦ではないのですが、少々部屋が私一人だと大きすぎるかな、というのが難点ですね。楽しいこと...はバイトですかね。働くことは素晴らしいというのは本当でしたね。正直、早く社会人になって残業というものをしてみたいほどです。

 

 まぁ、私のことはここまでにしておきましょう。別にここまでは普通ではあったのですが...とある日、親戚から一本の電話が掛かってきたのです。内容は──

 

『うちの杏がアイドルになるために東京に行くから、そっちに住まわせて貰えないだろうか?』

 

 ──というものでした。

 

 杏は『双葉(ふたば)(あんず)』という名前でして、私の従姉妹に当たります。歳は私と同じで、なんと容姿、声の高さも殆ど同じなのです。正直鏡を見てるみたいで気持ち悪いです、はい。親戚のおじさん──杏のお父様のことです──曰く、若干私のほうがつり目になっているようです。あまり意識はしてませんでしたが。

 

 この電話を貰ったとき、私はあまりにも意味不明な点があり混乱してしまいました。私の知っている杏は一言でいうなら...面倒くさがり屋ですね。今年の1月に新年の挨拶ということで杏の家を訪ねましたが、何をするにも面倒だ、という性格でした。

 

 更に働きたくないなどとほざきやがっており、少々私が説教をしてしまいました。働くということの素晴らしさを杏は少しでも理解してほしいものです。その杏がですよ、『アイドルになる』などと言ったですって!?ということです。

 

 もう1つ言うならば、何故アイドルなのかということです。アイドルを目指す経緯が良く分からなかったわけですね。まぁ、この疑問は最初のやつのインパクトが強すぎて消えてしまったわけですが。

 

 電話の件ですが、私は了承しました。先ほども述べた通り、この部屋は私一人だと大きすぎると感じており、使ってない部屋もいくつかあったので一人くらいなら別に大丈夫かなと感じていたのです。

 

 その電話から大体二週間後、杏は来ました。杏の両親も一緒に来るだろうなと思い、茶菓子を用意して待っていたのですが、なんと来たのは杏一人。一応杏は現役の女子高生です。何かあったらいけないだろう、と杏を説教しましたが、はいはいと聞き流されてるばかりでした。危機感が足りませんよ...全く。

 

 いつの間にかオーディションは終わったらしく、最低結果が来るまで共同生活をすることになったのですが...殆ど家事は私一人で勤めました。最初の3日程度は声かけをしたのですが、言ってもどうせあまりしてくれないので止めました。ですが──

 

「いやぁ、否の料理って本当に美味しいよね」

「否の作る飴さ、杏の食べた飴の中で一番美味しいよ」

 

 ──こんなこと言われたらもっと頑張るしかないでしょう。お世辞でしょうが、私は物凄く嬉しかったのです。

 

 そしてとうとう、結果の通知がやってきました。杏にそれを言うと、面倒だから私が開けろと言われました。緊張してないのかこいつは...と一瞬思いましたが、若干手が震えているのが私には分かりました。杏にも可愛い所あるんですね。微笑ましくなりましたよ。

 

 さて内容ですが...合格です。杏はなんでもなさそうにしてましたが、私の目は誤魔化せませんよ。あれは完全に喜んでる目でしたね。

 

 その日はお祝いということで料理は杏の好物で固めました。その時に杏にアイドルになった経緯を聞きましたが...

 

「だって印税貰えるんでしょ?それで遊んで暮らすんだ!」

 

 ...呆れましたね。さっき喜んでたのは印税のことを考えてたわけですか...世の中そんなに甘くありませんよ。むしろここでアイドルやって世間の厳しさを学んで来て欲しいですね。

 

「まぁまぁそんな顔しないでよ。印税次第では否も養ってあげるからさ」

 

 何をバカなことを。そんなことしたら働けないじゃないですか。

 

 

 

 

 ◯ ◯ ◯

 

 

 

 

「杏、何ですかその『働いたら負け』と書かれたTシャツは」

「否だって人のこと言えないじゃん。何その『残業させろ』Tシャツ。正気?」

「なっ!杏はこの良さが理解出来ないのですか!?」

「...多分杏以外も理解出来ないと思うよ。寧ろ杏のこれのほうが共感集めるよ」

「ぐっ、そんなはずは...!!」

 

 

 

 これは、こんな二人の物語。




多分続きません。

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