頭わるわるーな内容となっておりますので空っぽにして見てください。
ストーリーとはあまり直接関係ないかもです。
完全休日の日。つまりレッスンもバイトも学校ですらもない本気で何をしようかいつも考えるこの日のことです。
休日って何をすればいいのか分かんなくなりませんか? なりますよね? ...そうですか。
そんな普段なら無駄とも言える時間を生んでしまうこの日ですが、今日の私はなんとなく浮かんでしまった疑問について頭を悩ませています。ホントに些細なことなのですが、一度気になってしまうと他に手が回らなくなってしまいます。
うぅむ...流石に一人で解決は難しそうです。客観的な意見が欲しいですね。
と言うわけで、休日が被った同棲相手の杏に聞いてみることにしました。
「杏、ちょっと聞きたいことがあるのですが...」
「ん、珍しいね。否が聞きたいことなんて。んで、何?」
「えぇ、その聞きたいことというのはですね─────」
「─────私って、属性は何なんでしょう?」
「...否、きっと疲れてるんだよ。ほら、杏が今日は一緒に寝てあげるからさ...寝室、行こ?」
「ま、待ってくださいよ杏! 私は疲れてなんかいませんから!」
「いやーあのワーカホリックの否が厨二発言しただなんて...あ、まさか杏が疲れてるのかな。疲れてるから幻聴が聞こえたんだねうんきっとそうだ。今日はもう寝るよおやすみ」
「いやストップです杏!! 話を!! 話を聞いてくださいぃぃ!!」
「...ふう、落ち着いた。でもごめん、中身が全然読めないからなんでその疑問に至ったのかから教えてくれない?」
「分かりました」
ここで私はその経緯を説明します。
私や杏が所属している美城プロダクション...というか、この世界に存在しているアイドルというのは簡単に分けて三つの属性があります。
一つ目は『キュート』。これは可愛さを重視するアイドルの方々に付けられる属性です。例を挙げればですと、そこにいる杏や杏と同じユニットに属している緒方さんや三村さん、後は菜々先輩辺りが該当しますね。
二つ目は『クール』。これは...なんといいますかね、美しさとか格好良さとかを重視するアイドルに付けられる属性ですね。また例を挙げれば、私の属してるプロジェクトのメンバーの大半がこの属性です。宮本さんと大槻さんはまた違う属性なんですけどね...というか少し疑問なのですけど、トライアドプリムスの神谷さんはクールらしいのですがこれ属性詐欺なんじゃないですかね。一緒に仕事すればするほどなんか違う気がしてならないのですが。
そして三つ目は『パッション』。これは元気ハツラツ! な方々に付けられますね。またまた例を挙げれば、杏とよく一緒にいるシンデレラプロジェクト所属の諸星さん、後は城ヶ崎さん等でしょうか。それと先ほど述べた大槻さんもこのパッション属性となりますね。多分ですが。
さて、こうなってくるのは私は何なのかというわけです。他の皆さんは定まっているのに私だけ定まってないような気がしてなりません。ちょっと自問自答をしてみたこともありましたが───
キュート───私に可愛いげなどないため除外。
クール────私に美しさや格好良さはないため除外。
パッション──仕事に対して情熱はありますが他の皆さんほど元気ハツラツではないので除外。
このような感じでした。
自分の中ではこう考えることしか出来ず膨らませ切れなかったので助けを仰ぐことにしたのです。
「───と、いうわけですよ」
「そんなの気にしなくてもいいと思うけどなぁ...まぁ杏的には否はクールかパッション辺りだと思うけど」
「なるほど」
「でも杏の意見だけだと偏りそうだし、他の人ここに呼ぼうか。どうせ暇だしね」
「と、いうわけでさ、意見ちょうだい」
「そういわれても...ねぇ」
「そうですよ。いきなりはちょっときついです」
「うーん、結構要素あるから断定するのは難しぃかも...」
杏の手によって呼ばれたのは速水さん、橘さん、諸星さんの三人。単純に話した回数で言えばプロダクションの中のトップスリーです。
とはいえそこまで差というのはないんですけどね。だからこそ色眼鏡無しで判断出来るのかもですが。
「今出てるのはクール説とパッション説」
「確かに否にはキュートの要素ないものね」
「その二つですよね...」
「確かに否ちゃんにはカワイイよりカッコイイが似合うねぇ☆」
「そうです?」
来る途中で買ってきてくれたであろう少し多めのお菓子を摘まみながら円になって話をする。
...あれ、これなかなか美味しいですね。ふむ、九州醤油味ですか...今度自分用にでも買いましょうかね。
「確かにね。否のレッスンを知らない人からすればカッコイイって感じるんじゃないかしら」
「逆に私達は知ってるのでカッコイイとはあまり見れないかもです」
「えぇ...?」
「否、普段どんな感じなのさ......ああ待ってごめん、余裕で想像出来たわ」
...なんで皆さんから変な目線を受けなきゃならないのでしょう。特に諸星さん以外の視線がきついです。私はいつも通りやっているだけなのに...
「ならパッションになるのぉ?」
「いや...」
「そうかと言われると...」
「なーんか違うんだよねぇ...」
確かに、目の前の諸星さんを見れば...そこまではないはずです。ないですよね? そうですよね。
やはり、ここで詰まります。二択ではあるのですが......定まりません。
「...もうさ、クールとパッションの中間でいいんじゃないかな」
「え」
「そうねぇ、というかもういっそのことキュートって名乗ってもいいんじゃないかしら?」
「え」
「全属性網羅ですか...まぁ、いいんじゃないですか?」
「ちょ」
「それよりぃ、皆でどこか行かない? きらりとってもハピハピするケーキ屋さん知ってるよぉ!」
「あの...」
駄目だこの人たち...考えるの面倒くさくなって放棄してしまってますよ。
あ、三人が出ていってしまいましたね...どうしましょう。
「ていうかさ否、それって今決めないといけないことなの?」
「...え?」
「明日やれることは明日やる、杏のポリシーだよ。必要になったとき考えりゃいいんじゃない?」
「............そうですね」
──言われてみれば、なんで私はここまで本気で考え込んでいたのでしょう。
わざわざ考えなくてもよいことです。その辺りはきっとファンの人たちが決めてくれるでしょう。アイドル活動には支障はありません。
「...それでは、諸星さんご希望のケーキ屋に行きましょうか」
「えぇ、外出るのぉ? 杏このままゴロゴロしてたいんだけど...」
「満更ではありませんよね? 杏とは比較的長い付き合いなんですから大体読めますよ」
「...ちぇ、バレてたかあ。杏を連れていこうと懇願する否が見たかったのに...」
「それ私のキャラじゃないですよね。はぁ...」
『おーい、杏ちゃーん、否ちゃーん! もう考えるの止めてケーキ屋行こー?』
「...どうやらお呼びのようですよ?」
「否もじゃん。ま、今日は仕方ないよね」
並んで諸星さん方が待っているであろう玄関へと向かう途中、私は一言...誰にも聞こえないようにボソッと呟きました。
「...いつもありがとうございます杏。変な相談にも乗ってくれて...こんな私ですが、これからもよろしくお願いしますね」
「ん、否何か言った?」
「な、なんでもないですよ。ほら、いきますよ!」
自分で言ったことなのに妙に恥ずかしくなり早足になってしまいました。
きっと私はそれで少し周りが見えなくなっていたのでしょう。何せ、後ろで立ち止まった杏の呟きが聞こえなくなっていたのですから。
「こちらこそ、だよ」
「...杏?」
「ううん、なんでも。じゃ、行こっか」
「...そうですね。明日からまた忙しくなりますし満喫しましょう」
「うぇえ、仕事の話は止めてよ...」
「何を言いますか! 何回も言いましたが仕事とはですね───」
「...『彼女達』の平穏が、末永く続きますように」
どこか遠くの誰もいない場所で一人、空を見上げ男はそう呟いたのだった。
雑なのは勘弁してください...
最後に出てきた男...一体誰なんでしょうね?