ヌヌ葉否   作:エンゼ

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今年中に本編完結無理そうなので御詫びにこちらを...

あ、本編とかーなーり設定が変わってます。所謂平和な世界です。短めです。許して。


番外2

 

 

 

どうも皆さん。ご機嫌はいかがでしょうか...ふふふ、このように誰かに向かって挨拶をするのは久しぶりのような気がしますね。気のせいかもしれませんが。

おっと失礼しました。私こと『ヌヌ葉否』は元気にアイドルをやらせて頂いております。

と言いましても、私はデビューしたての新人ですのでアイドルらしい仕事というのはまだ殆どやってないのですが。しかし、今は色々と学んでいく時。毎日レッスンをして実力を着けていく時期なのです。

現に本日、何故か私は休みとなっていますが、休日でも開いているレッスン場で自主レッスンをしているところです。私はまだデビューしたてなのに何故私に休みを与えるのか...理解に苦しみますね。

 

さてそんな私ですが、非常に有難いことに専属のプロデューサーがついてます。このプロダクションでは、一人のアイドルに一人プロデューサーをつけてくれるという凄いものでして、同じプロダクションにいる親戚で、現実同棲していて、幼なじみですがアイドル歴が先輩の『双葉杏』も専属プロデューサーがいます。やはり中々凄いことだと思うのは私だけでしょうか。

 

それで、件のプロデューサーですが...ええ、悪い人ではないんです。決して悪い人なんかではないんです。寧ろよい人です。

ただですね──

 

 

「見つけたぞ否ゥ!!」

「なっ、プロデューサー!?」

「今日は休みだろ否ゥ! レッスンは禁止だぞォ!」

「し、しかし! こうしてレッスンを積んでいかなければ──」

「いいから行くぞ否ゥ!!」

「ちょ、あの! 無理矢理連れていくの止めてくださいぃぃぃ!!!」

 

 

──このように、レッスンの時以外無理矢理にでも私を休ませようとするのです。

少ーし無休憩でレッスンをしたり、少ーし皆に隠れてレッスンをしたり、少ーし何もない日にバイトを無休憩でやっただけでですよ!? 私の体力はこのプロダクションの中ではトップであると自負しているのでその程度問題無いのですのに...そのせいでバイト禁止令を出され、泣く泣く辞表を出しに行ったのはつい最近のことです。だからこの日は自主レッスンをしていたと言うのに...

 

「全く、ひどいと思いませんか杏!!」

「...えっと、十割否が悪いって思うのは杏だけかな」

 

プロデューサーからなんとか解放され、偶然そのタイミングでレッスンが終わった杏と、先程述べた以前バイトしていたところのカフェで愚痴を聞いてもらいます。共感してもらえるのを期待したのに杏は呆れた様子。何故なのでしょう?

 

「いやいや、何でポカンってしてるの」

「ですから、杏や皆さんのような先輩アイドルに追い付くためにはそれなりに努力しなければ...」

「だからってさ、否はオーバーワークしすぎ。絶対過労死する。それかいつか倒れるよ」

「うぐぐ...」

 

何故分かってくれないのでしょう...私ってそんなに貧弱そうに見えますかね? 外見は杏とめちゃくちゃ似てはいますけれども。

 

「うーん...なら、否って何でアイドルやってるの? そんなに仕事したいならさ、前みたいにコンビニバイトとかしてたほうが仕事量は今より多いんじゃない?」

 

ふむ、その疑問は確かにそうです。コンビニだけでなく、他のところでバイトしていたほうが仕事量は多いですし、満たされるかもしれません。

 

「そうですね...」

 

ですが、私はアイドルを現に今続けてます。その理由は──

 

「生きる意味を見つけるため、ですかね...」

「...重いし痛い」

「い、いいでしょう別に!」

 

杏にはきっと話したと思うのですが、私はスカウトされてアイドルになりました。それがなんと今の私のプロデューサーだったのですが。そのときに問われたのです。

 

『──あなたの「生きる意味」、探してみませんか?』

 

私は仕事が、働くことが大好きです。ワーカホリックってやつなんでしょう。

しかし、心のどこかではこのままでいいのか...なんて思っていました。少し痛いと思うかもですが、私だって年頃の女の子なんです。そんな時にスカウトされました。

 

「それにですね、アイドルって楽しいんですよ」

「なんだ、否はアイドルが好きなんだね」

「えぇ、そうですね」

 

結局それに落ち着くんでしょう。辞めない理由はそれなのですし。

 

「...あ、ごめん。そろそろ時間だから行くよ。打ち合わせでさ」

「なら、私も出ますかね。それと杏、これを」

「お、ありがと。やっぱりこれがないと始まらないよね」

 

そういって、杏は嬉しそうに私の渡した袋の中の飴を一粒口に入れます。

杏の好物は飴なのですが、何故か私の作る飴を気に入ってくれてます。まぁ美味しいと言われるとこちらも嬉しいので、次も張り切って作るとしましょう。杏の嬉しそうな顔は何かと癒されますし。

 

「じゃねー否ー」

 

会計を済ませ、杏と別れます。心なしか急いでるような...あぁ、そういえば杏は杏のプロデューサーのことが気に入ってますものね。早く会いたいとかそんな感じでしょう。

さて、では私はこれからどうしましょう。時計を見ればまだ午後3時。ならば...よし自主レッスンしましょう。先程はここのレッスン場を使ったから見つかったんです。ならプロダクション内ではない、例えば公園等のような場所でやれば見つからないはず───

 

「否ゥ!!」

「え、プロデューサー!?」

「まぁた自主レッスンしようとしただろ否ゥ!!」

「し、してません! してませんとも!!」

 

一体どこから...それより心を読まれた...!?

 

「ぷ、プロデューサーは自分の仕事をしなくてもいいんですか!?」

「もう今日の分は終わってるぞ!」

「速いです!!」

 

まだ定時2時間前じゃないですか! それなのにもう終わってるって...きっとこのプロデューサーがおかしいんです。ええ、絶対そうです。

 

「仕方ない...今日は買い物に付き合ってもらうぞ否ゥ!」

「へぁ!?」

「放っておくとこのまま自主レッスンしそうだからな!」

「しませんから!」

 

もう今日は近場では出来ませんよ! だってどこでやろうとしてもきっとプロデューサーがどこからともなく出てきそうですし...まぁ人目につかないところを探しにいくつもりではありましたが!

 

「いいから行くぞォ!」

「ですから! 無理矢理! 連れていかないでくださいぃぃ!!!」










熱血プロデューサーってこんな感じかな。上手くできてなかったらごめんなさいです...

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