いつも通り拙い感じではありますが、雰囲気で読んでくれるとうれしいです!
──冬の舞踏会当日。これは美城プロダクションのその年の集大成のようなライブであり、所属プロジェクトなど全く関係なく全員が出るライブです。
勿論杏の所属しているシンデレラプロジェクトや、私の所属しているプロジェクトクローネも出場致します。そのためお客さんはいつもの定例ライブとかよりはるかに多く、異常な盛り上がりを見せるらしいです。私は初めてなのでよくは知りませんが...
おっと挨拶が遅れてしまいましたね。どうもお久し振りでございます。ヌヌ葉否です。何故か私の過去が知られたくなかった杏に知られてしまい、知ってなお私と共にいてくれるということを言ってくれ少しだけ気持ちが楽になったということもありましたが元気です。
あれからプロジェクトクローネの皆さんやトレーナーさん、さらには美城さんまで私のお見舞いに来てくださいまして。皆さんからは少し...いえ、かなり怒られ、心配されました。特にありすさんからは泣かれてしまいまして...非常に申し訳無い気持ちになりました。
しかし、それだけではありませんでした。皆さん共通して言っていたことなのですが、どこか表情が柔らかくなったらしいです。自分ではよく分かんないですが、皆さんがそう言うならば、きっとそうなのでしょう。
そして私は今、舞踏会の会場にいます。お客さんとしてでなく、アイドルとしてで、です。
ええそうなのです。美城さんになんとか無理を行って出してもらえることになりました。幸い、予定変更するギリギリ前に美城さんにどうかと頼み込んだため、凄く渋られましたが許可を頂きました。復帰したばかりで無理はさせられないとして出場は一回のみと条件を付けられましたが。
ならばとここで私は杏と相談して決めたことを美城さんに伝えました。
──今回、私はクローネでなく杏とのユニットで出たいです。
最初美城さんは呆気に取られたような表情をし、否定するわけではなく、いいのか? と、一言言いました。なんとなく美城さんは私が杏に抱いていた気持ちを分かっていたのでしょう。だから美城さんは聞いてくださった。私を気遣って。
それに対して私は迷うことなく肯定しました。もう杏のことを怖がる私はいません。結局、どう足掻いても杏と私は別物なのですから。
暫くしてから美城さんは、善処はしようと言ってくださいました。思わず私は深く頭を下げて感謝の念を伝え、その場を後にしました。さらに有難いことに、その要望は通ったのです。
現在私は一人、控え室にいます。出場まで残り三十分ほど。限定ユニットとして私と杏は出る予定です。
私はいいとしても、杏はキャンディアイランドとこのユニットと出場は二回します。時間は空いているとはいえ大丈夫なのかなと心配してるのですが...大丈夫ですよね。きっと。
本番まで、あと二十五分。
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「いやぁ、いいじゃないか。アイドルとファンが一体になっているこの感じ」
「ええ」
関係者のみが立ち入れるライブの席。割と広いその空間に、二人の人物がいた。アイドル部門の部長である今西と、美城プロダクションの常務である。今西のほうは楽しそうに、微笑ましそうにライブを眺めているが、対して常務の顔は硬い。
「それにしても、よくアレを通したねぇ。かなり無茶な要望だったはずだが」
「珍しい本人達からの熱い要望でしたから」
ここで言われている『アレ』とは、杏と否のユニットのことである。否の過労によりその話は白紙に戻されたのだが、常務が強く働きかけ、なんとか実現をすることが可能とすることができたのだ。
「随分と彼女を気に入っているようだね? 君が初めてその手で見つけたアイドルだからかな?」
「別に贔屓しているわけではありません。あくまで彼女はわが社の大事な一人のアイドルですから」
「そうかい」
「それに、アレを通したのには理由があります」
「ほお、なにかな?」
ここで初めて今西は視線をステージから常務へと移し、ほんの少し驚いた表情で尋ねた。
「彼女は以前と変わってしまったように見えます。それは悪い変化ではなく寧ろ良い変化です。しかし、おそらく本質は全く変わっていない...というより、そもそも変化はしていないのかもしれません。ただ──」
「──依存先を増やした。そうだね?」
「...はい」
否は以前までは仕事のことしか考えてなかった。しかし、その仕事という柱がトラウマにより少し崩れ、否を支える柱が壊れかけてしまった...
そこに新たに杏という柱を加えることで、少し安定したというわけだ。
「依存先が増えることは悪いことではありません。人は多数の依存先を作ることで安定を作っているのですから。だが彼女の場合は...少し依存の程度が大きい」
「そうだね」
「彼女は他のアイドルとは違いかなり儚く、脆い存在です。そのため、彼女が今必要なのは自信。まずは自分を認め、その存在を丈夫なものにしてもらう必要がある...だから敢えて通したのです」
「...なるほどねぇ。双葉君と一緒に出してライブを成功させることで自信をつけさせると...」
今西は視線を再びステージのほうへ向ける。今ステージでは、アスタリスクがトークをしていた。二人のトークは会場を飽きさせることはなく、まるで台本でも作っているのではないかと疑ってしまうほどだ。
そんなトークを見ている今西に対し、常務は切り出した。
「今西部長。貴方は...何者ですか?」
その場はシンと静まっていて、ライブ会場の音しか聞こえない。今西はそうだねぇ、と少し考え、告げた。
「おせっかいの友人、と言っておこうかな。まぁ私も彼女には救われてほしいからね...」
その目は、非常に暖かい目であった。
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『さて、実は皆にサプライズがあるんだよー!』
『なんと今夜限りの限定ユニット! 凄くロックだよね!』
本番まであとほんの少し。私と杏はもうすぐにステージに出られる位置で待機しています。ステージには下から射出される形で入場します。
ステージではシンデレラプロジェクトのアスタリスクのお二方が自然な流れを作って下さっています。私もトーク技術も学ばないとですね...
「...緊張してる?」
「多少は...いえ、かなり緊張してます」
「やっぱり。でも大丈夫だって。なんとかなるよ」
そういう杏はかなり余裕があるようです。ぐぬぬ...羨ましい。
「というか否! 敬語!」
「あっ、すみま......ごめん、杏」
杏と話終わったあの後、限定ユニットの件の他にもう一つあることを話しました。それは、敬語を止めてみること。仕事の時はいいとしても、仲間と話すときぐらいは敬語を止めてみないかと杏から提案されたのです。確かにこれから接することは増えるのにずっと敬語だと堅苦しいかもしれません。とりあえずは慣れ、ということで杏との会話は出来る限り敬語を止めて話すことになったのです。うう、結構難しいんですよ...正直タメ口で話していいものなのか不安なんですよね...
「...というか杏。何そのハチマキ...『働いたら負け』なんて」
「人のこと言えないじゃん...『残業させろ』だなんて、正気?」
「なっ!? この良さが理解出来ないと...!?」
「いやそれ杏以外も共感絶対出来ないから。寧ろ杏のほうが共感集めるよこれ」
「そ、そんな......ププッ!」
「アハハハハッ!」
ここまでやった後、私と杏は二人で小さな声で笑いあいました。
「前にも似たようなことやったよね。しかもこれ殆ど同じ内容じゃない?」
「そうで......そうだね。確か前は...シャツだったかな」
「あー笑った笑った...否、緊張は取れた?」
「...うん」
「じゃ、行こっか!」
杏に手を取られ、ステージの方へ行きます。
『それでは登場してもらうよ!』
『皆! めいっぱい盛り上げてね!』
射出五秒前。杏と顔を見合せ、互いに頷きあいます。
私の生きる意味...まだはっきりとは形は見えませんが、きっと見つかるはずです。
その日まで...アイドルを続けられるといいですね。
さぁ、ライブを始めましょう。
かなりヘンテコで急ぎ足になりましたが...一応これで完結です。今まで見てくださった方、本当にありがとうございました!
最後に簡単なアンケートをしますのでよかったらお願いします!
この中で見たいものがあったら選んでください!
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後日談的なもの(軽めのシリアス)
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世間の反応的なもの(掲示板っぽいやつ)
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番外編的なもの(シリアル)
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