インフィニット・ストラトス〜つきのおとしもの〜   作:リバルリー

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夏バテ起こして、さぁてやるぞと思った矢先に体調崩したので初投稿です。大変長らくお待たせして申し訳ありません……。今回はパーティー回です。色々と雑かもしれませんが許してください……。では、どうぞ!


第3話.鈴の音一つ(2)

夕食後の食堂。

本来は全員帰りはじめている時間帯だが、今日は事情が違った。

 

「織斑君、クラス代表決定おめでとー!」

「「「「「「おめでとー!」」」」」」

 

そう言うと、女子たちはクラッカーを一斉に鳴らした。

 

「…………」

 

一夏は驚愕と困惑が入り混ざった表情をしていた。

 

(めでたくない、全然めでたくない……忍はさっさと食い終わって帰っちまったからな……俺も早く食べてれば良かった)

 

一夏は心の中でそう呟き、溜め息を吐いた。

だが、お祭りムードの女子にはそれは気付かれなかった。

 

「いやー、これでクラス代表も盛り上がるねえ!」

「ほんとほんと」

「ラッキーだったよねー。同じクラスになれて」

「ほんとほんと!」

 

女子たちの会話を見て、一夏は違和感を覚えた。

 

(相槌打ってる女子は二組だったはずだけどな……っていうか、心なしか女子の人数がクラス人数より多い気がする……)

 

だが、あいも変わらずお祭りムードな女子たちには関係ないようで、飲み物を乾杯していたりしている。

 

そんな女子たちを困惑した表情で一夏が見つめていると、

 

「人気者だな、一夏」

 

そう言って、いつのまにか隣に来ていた箒が不機嫌そうな顔をする。

 

「……そう見えるか?」

「ふん」

 

一夏は箒に聞くも、箒は不機嫌そうに鼻を鳴らすだけで返答もせず、不機嫌そうな表情を顔に貼り付けたまま、お茶を飲んだ。

 

「まぁまぁ箒さん、皆さん一夏さんの活躍を期待して、景気付けにこうしたパーティーを開いているんです。箒さんも、折角ですから楽しみましょう?」

 

そう言って、セシリアが箒の隣に歩いて来た。

 

「むぅ……。確かにそうかもしれないが……なんだか友人を都合よく祭り上げられているようで釈然としない……」

「……」

「な、なんだ……?セシリア」

 

箒を見て、黙って微笑むセシリアに、箒が問いかける。

 

「いえ。ただ、箒さんは一夏さんが本当に好きなんだなと思っただけですわ」

「なっ、ななななな⁉︎//」

 

セシリアがそう言うと、箒は顔を真っ赤にして慌てた。

 

「ち、違うぞ!一夏は私にとって二人しかいない幼馴染だし……だからその……決して好きとかそういうのでは……//

 

だんだん声が小さくなっていき、言い終わると、箒は顔を真っ赤にして、縮こまってしまった。

その時、

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生の一人、織斑一夏君に特別インタビューをしにきましたー!」

 

という、明るい声が響いた。

 

「「「「「「おおー‼︎」」」」」」

 

女子たちの歓声が一斉に湧き上がる。

 

もちろん一夏は困惑しきった表情を浮かべている。

そして、その新聞部の人は一夏に近づき、

 

「私は二年の黛薫子(まゆずみかおるこ)。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。はいこれ、名刺」

 

そう言って、自己紹介をしつつ、一夏に名刺を渡した。

一夏はそれを見て、

 

(うわ、すごい画数。書く人は大変だな)

 

と思った。

 

「ではではずばり織斑君!クラス代表になった感想を、どうぞ!」

 

そう言って、薫子は、ボイスレコーダーを一夏に向けた。

 

「えーと……」

 

一夏はインタビューを受けるなどと全く考えてなかったので、困った顔をしつつ、頭を掻いた。

薫子は、ボイスレコーダーを向けつつ、目を輝かせている。

期待を裏切りたくないので、一夏は必死にコメントを絞り出した。

 

「えっと、クラス代表の名に恥じないように、精一杯頑張ります」

 

一夏はそう言って、少し溜め息をついた。

だが、薫子の表情は芳しくない。

 

「えー、もっと何かないの?なんかこう、『俺に触るとヤケドするぜ』みたいなさー!」

「勘弁してください……」

「まぁいいや、これは適当にねつ造するとして」

 

薫子がさらりととんでもない発言をする。

 

(いやいやいや、そりゃダメだろ⁉︎)

 

一夏は内心慌てた。

 

「あ、セシリアちゃんもコメントちょうだい」

 

そんな一夏には目もくれず、薫子はそう言って、セシリアにボイスレコーダーを向けた。

 

「わたくし、こういったコメントはあまり得意ではありませんが……仕方ありませんわね」

 

そう言って、セシリアは深呼吸をした。

そして、咳払いをして、続ける。

 

「ではまず、どうしてわたくしがクラス代表を辞退したかというと、それはつまり——」

「あ、長くなりそうだからいいや。写真だけちょうだい」

 

そう言って、薫子が話を遮る。

「ええっ⁉︎いや、最後までお聞きください!」

「いいよ、適当にねつ造しておくから。よし、織斑君に惚れたってことにしておこう」

「ちょっ、違いますわ!私は親睦を深めるために——」

「あーなるほど、つまり惚れたってことだな!よし!」

「ちーがーいーまーすー!」

 

そんな時、忍が食堂の前を通りかかる。

「うー……トイレトイレ…エレベーターは廊下の真ん中だったよね」

《はい、そして男子が使えるトイレは一回の来賓トイレです》

「僕が来ることは分かってそうだったのになんで男子トイレ増設されてないのさー……」

《増設も時間かかりますから……》

 

そんな忍を見て、薫子が忍の方へ走り出した。

 

「ねえ白波君、白波君も何かコメントちょうだい‼︎」

 

そう言ってボイスレコーダーを向ける薫子を見て、忍は困った表情を浮かべた。

 

「あ、あの……何についてのコメントなのか分からないし、僕トイレに行かなくちゃいけないので……」

「まぁまぁ、時間はかけないから!というわけで、織斑君がクラス代表になったことについてのコメントをちょうだい‼︎」

 

そう言って、さらに薫子はボイスレコーダーを近づけた。

 

「えっと……一夏の剣は去年の剣道大会全国優勝者譲り。とても強いよ」

 

忍は少し考え込んでから、表情を戻してそう言った。

 

「ああ、箒譲りの剣術だ。そう簡単には負けてやらないさ」

 

一夏も頷き、忍の言葉に便乗する。

 

「なっ、わざわざ名前を出さなくてもいいだろう⁉︎」

 

話題に上がられた箒は、顔を真っ赤にしてそう言った。

 

「ふむふむ、なるほど、箒ちゃんは織斑君が好き、と……よし、コメントありがとう!」

「なっ……⁉︎///」

「さりげなくねつ造された気がするけど、まぁいいか……」

《急いでトイレに向かいましょう!》

「そうだね、急がなきゃ!」

 

そう言って、忍はエレベーターに向かって走っていった。

 

「これは拡散されますわね……」

 

セシリアがそう呟く。

 

「……//」

 

箒はまたもや顔を真っ赤にして俯いている。

 

「参ったなぁ、箒に変な噂は流れて欲しくないんだが……」

「……この朴念仁め」

「え?なんか言ったか?」

「なんでもないぞ」

「なんか不機嫌そうだけど……」

「生まれつきだ」

 

そう言って、箒はまたそっぽを向いた。

 


 

しばらくして、忍がトイレを済ませ、また食堂の前を通りかかる。

その忍を見て、本音が声をかけた。

 

「ねーねーしのぶー、みんなで写真撮ろー!」

「いや、僕は写真写り悪いから、やめとくよ……。せっかくの記念写真だし、一人でも写真写り悪いのがいると、後から見た時、気分悪くなるでしょ?」

 

そう言って、忍は自分の部屋に戻ろうとするが、本音と一夏、セシリアに腕を掴まれる。

 

「なっ……⁉︎」

「忍さんだけがいないなんて嫌ですわ。集合写真というのは、クラスの全員が揃って初めて、集合写真になるのではなくて?」

「お前だってクラスの一員なんだ。だからお前だけいないのなんて俺は嫌だ」

「そーだよー。しのぶーはみんなの輪の中にいないとダメなのだー。そもそも集合写真に写真写りが悪い人がいるだけで気分悪くする人なんていないよー!」

 

そう言われて、忍は手を引かれて、みんなのに混ざった。

 

「はい、じゃあ撮るよー!一+一はー?」

「「「「「「「に〜‼︎」」」」」」

「残念、二進数の十でしたー!」

「「「「「ええー⁉︎」」」」」」

 

みんなが驚いているうちに、シャッターが切られた。

 


 

「あの、忍さん!」

 

帰る途中の忍に、セシリアが声をかけた。

 

「……何?セシリア」

 

背中から声をかけられ、忍は内心びっくりしたが、なんとかそれを表に出すことなくセシリアの声に応えた。

 

「あの、なんで貴方や一夏さんは、女尊男卑の世の中なのに、あんなに堂々としていられるんですか?今や、ただすれ違っただけで男がパシリに使われる世の中だというのに……」

「一夏は特に何もないと思うよ。いつも隣には女の子がいたし、あまり気にしてないんじゃないかな?そもそもあいつ自分に向けられている好意には疎いし」

「そ、そうなんですね……。ですが、貴方は?」

「……ただ、事情があって女性が苦手なだけ」

「その割には、ここの女子には普通に話せてますが……?」

「それは……」

 

そう言うと、忍は口を噤んでしまった。

 

「……分かりました。これ以上は聞きません。その代わり、もう一つ気になったことを聞いてもよろしくて?」

「……うん」

 

セシリアがそう聞くと、忍はそれを了承した。

 

「あの、戦ってる最中に思ったんです。貴方のISがISを世界に知らしめることになった二機のISのうちの一機【堕天使】なんじゃないかって……」

「…………」

《マスター、ここは……》

(うん。分かってる)

「もし、そうなら……」

「悪いけど、僕のISは【堕天使】なんて名前じゃない。あのISは【ヴァルキュリア・ベルフェゴル】。それとはきっと別物だよ」

「そう、ですか……そうですよね」

「…………」

 

これが箒の場合なら、話しても問題なかったが、もしもセシリアがこれを国に話したらとても面倒なことになりそうだと思い、忍は言わなかった。

 

「でも、もし【堕天使】の操縦者だという人を見かけたら、こう伝えて欲しいんです」

「伝える……?」

「一夏さんや忍さん、箒さんたちに会わせるためのきっかけを作ってくれてありがとうございます、と」

「…………覚えておくよ」

「ありがとうございます。では、ごきげんよう」

「うん、また明日」

 

挨拶を済ますと、セシリアは自室へ帰っていく。

忍は、自室へ走っていった。

 


 

「〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎」

 

忍は自室に帰ってくると、顔を枕に埋めた。

 

「ど、どうしたんだよ忍?少し遅いなと思ったら急に枕に顔を埋めて……」

 

セシリアと話している間に先に帰っていた一夏が、忍に尋ねる。

 

「だってだって、あんなことを言われたら照れ臭くて仕方ないよ!」

「お?告白か?」

 

そう言って、一夏は忍を茶化す。

 

「ちーがーうー!」

「じゃあなんだよ?」

「セシリアに、会えたきっかけを作ってくれてありがとうって言われたんだ……」

「ははっ、良かったな。それにしてもあいつ、少し前から急に変わりすぎじゃね?」

「何かあったんだろうね、きっと。まぁそれは僕らが考えても多分分からないし、シャワー浴びようシャワー!」

「おう、そうだな!」

 

そう言って、二人はシャワールームに向かった。

 


 

セシリアは、自室に帰って、ベッドで横になった。

 

(忍さんは女性が苦手……なのにここの女子との関わり合いでそんなことは感じさせなかった……)

 

セシリアは、先程の話について考えていた。

 

(ここの女子は外の女性たちと比べると、まだ優しい……。なら、外の女性と何かあったのかもしれませんわね……)

 

セシリアはそう推察した。

 

(なら、初対面時の男性を見下したあの言動は、忍さんにとって地雷だったのでしょうね……はぁ)

 

セシリアはそのまま目を閉じた。

 

(わたくしは、あの人たちと、親睦を深めることなんてできるのでしょうか?)

 

 




いかがでしたか?なんか今回は箒の影が少し薄い気もしますね……。とにかく次回も頑張らなきゃ
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