インフィニット・ストラトス〜つきのおとしもの〜   作:リバルリー

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もう1年終わるのにまだほんへ3話から抜け出せない奴がいるらしい。
はい僕ですごめんなさい。
1カ月に一回ペースでやろうとしてるからなぁ…。
その間にも「そうだったのか!知らなかった」というのがたくさん出てきましたが、この小説は思い描いたのをつらつらと書き連ねていきます(オイ)


第3話.鈴の音一つ(7)

一夏と忍の部屋。

そこに一夏は一人で何かをしまっていた。

 

「あとはこいつとこいつと……。なんか忍に悪いな、けど鈴たち呼ぶことにしちまったし、誰にも言わない約束をしたってことは、知られたくない事だってことだろうし、しまわないと」

 

一夏がしまっていたのは、忍のぬいぐるみだった。

 

「こいつらが、俺がいない間にも、忍の心の支えになってたんだよな……」

 

ぬいぐるみのうちの一体を、一夏が優しく撫でた。

と同時に、ドアが開く音がした。

 

「お、おい!呼ぶから待ってろって……」

 

一夏が振り向き、そう言いかけると、

 

「……僕そんなこと言われてないんだけど」

 

そこには、タオルとスポーツドリンクを手に持った忍が立っていた。

 

「ところで、なんで僕のぬいぐるみ隠してるの?」

「そ、それは……」

 


 

「……なるほど、そんなこと言ったんだ、一夏」

 

忍は仏頂面のまま、一夏が、鈴たちを呼んだという話を聞いていた。

 

「わ、悪い……」

「別に怒ってはないよ。ただ、誰でも通すのはよくないよ」

「お、おう……」

「まあ、鈴は問題ないな。鈴は僕の過去を知ってて、その上で僕にかまってるわけだし。ただ……」

「ただ?」

「問題はセシリアの方。今はあんな感じだけど、そもそもあの子、女尊男卑に乗っかって僕らを見下してたんだ。そんな人に僕だったら過去まで話す気は起こらないかな」

 

そんな忍に、アルヴィトがこう言った。

 

《ですがマスター、相手は代表候補生。イギリス代表の卵という名誉な称号がある以上、それを自ら傷つける事はないと思いますが》

(いや傷付けてたけど。ズタボロにしてたんだけど)

《あれは多分、下等と見ていた種が、自分と同等以上の立場にいることに対する恐怖心でしょう。見た感じ、プライドが高そうな方だったので》

(そんなもんなのかなぁ)

《とにかく、マスターがここにいれば、マスターを蔑む発言は慎むと思います。代表候補生と言われるほどの頭の良い方なら、マスター達の価値は理解できてると思います》

(……アルヴィトって割と詳しいね。やっぱりISだから?)

《いいえ。マスターと一緒に、私も学んでるからですよ》

(そっか)

 

アルヴィトが自分と一緒に勉強してると思うと、忍は少し嬉しくなった。

 

「……よし、二人を呼んで。腹を割って話そう」

 

忍は一夏の方を向いてそう言った。

 

「……いいのか?」

「セシリアを信じてみる。でも、信じるのはこれ一度きりのつもりだから、その時は僕の見る目がなかったってことで」

「分かった。悪いな、忍」

「今度何か奢ってね」

 

そう言うと、忍は少し悪い笑みを浮かべた。

 

「分かったよ。お前のこんな重い話を他の誰かに言うくらいだから、それくらいはするよ。何がいい?」

「じゃあバニラアイスで」

「まだ春じゃねえか……。腹壊すぞ」

「好きだからいいじゃん。ここ最近暑いし……」

「それはお前がどんな時も長袖着てるからだと思うぞ。ISの時もジャージ羽織らないといけないんだからな」

「あはは……。鈍臭くてごめん」

「鈍臭いのは俺も同じだよ。俺がしっかりしてれば、忍を傷付けずに済んだし、千冬姉も……

「それは過ぎたことだよ。仕方ない。あの件については、僕も男だ。僕がなよっちかったから招いた事態だ」

「それは絶対に違う!お前は頑張ってミサイルを撃墜したんだ。なよっちいことなんてこと、絶対にない」

「ISの機能に助けられたからだよ。僕は、一夏が信じているような、ヒーローなんかじゃない」

「ヒーローなんて、最初から信じてない」

「えっ……?」

「そんなのがいるなら、俺もお前も助けてくれたはずだ。でもそれをしてくれるヒーローは、現れなかった」

「一夏……」

「だから俺は、ヒーローなんて信じてないし、信じない。誰かが困っている時に都合よく現れるヒーローなんて、いやしないんだ」

 

一夏はうつむいて、吐き捨てるようにそう言った。

忍は、そんな一夏の手を握った。

 

「……そんなことないよ」

「忍……?」

「僕にはね、ヒーローがいるんだ。白い鎧を纏うヒーロー」

 

そう言うと、忍は一夏の顔を見据える。

 

「へー、そんな奴がいるんだ。スゲえな」

「鈍感……」

「へ?」

「僕のヒーローは君だ、一夏。僕がいじめられてもうダメだって時に、都合よく現れて助けてくれた」

 

忍は一夏の手を握り直し、微笑んだ。

 

「違う。俺はお前を助けられなかった。いっつもいっつも、止めろと言うだけで、結局止められなかったじゃないか!」

 

一夏は辛そうに叫んだ。

 

「でも、君は最後まで助けようとしてくれた。別の学校に行くことになっても」

 

「でも、俺は……」

「とにかくっ!一夏は僕のヒーローだ。それだけは事実だ。それに、僕だけじゃない。君に助けられた幼馴染がいるってこと、忘れないで」

「お、おう……分かった、覚えとく」

「よしっ!」

 

一夏がそう言うと、忍は白い歯を見せ、ニッと笑った。

 

 




一応補足を。
忍はISの授業中にはジャージを着ています。理由は痣を隠すためです。
忍くんはホモじゃないです。幼馴染の親友の一夏が大好きなだけです。友愛の表現が子供っぽいだけです。

余計なものを入れてしまい申し訳ないです(しかも短い……)。次回こそはセシリア達に忍くんの話する回書きます(巻きそうだけど)。
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