世界最凶の個性『らしい』(憑)   作:枝豆%

2 / 4
1話

 とある昔。個性が発現し始めたほど昔のことさ。

 そこではとって狙ったかのような都市伝説がでたのさ。無個性な奴でも食べれば忽ち個性が発現するってモノがな。

 当然眉唾だと嘲笑ったよ。そんなものある訳ねぇってな。個性に関して全く研究が進んで切った時代だ、無個性がいる時点で、その理由が判明していない時点で有り得ねぇって。

 

 だが今になって思う。

 あれは存在していたんじゃないかってな。

 

 食べれば忽ち個性が発現し、その代わりに世界から嫌われる。こんな島国じゃデメリットが多すぎる代物だ。

 

 

 

 名前?おいおい探す気かよ。そうだなー、確かすんげぇ物騒な名前だったな。

 でもかなり前のことだったし俺も記憶が朧気なんだよ。

 

 

 あー、そうだったそうだった。

 

 

『個性の果実』又の名を『悪魔の実』って呼ばれてたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

 

 「ゼハハハハハハハハ!!久しぶりじゃねぇか!オールマイト!!!」

 

 「HAHAHA!やぁ『黒ひげ』今日こそ捕まえちゃうぞ!!」

 

 

 パツパツのヒーロースーツを着た筋肉の塊が、黒ひげと呼ばれた男に拳を向けた。それはNO.1ヒーローであるオールマイト。

 そして向けられた黒ひげは、ウィスキーをラッパ飲みして独特な笑い方で声を荒らげている。

 

 

 「ゼハハハ!無駄とは言わねぇぜ!!この世に不可能なんてねぇんだからよ!!なぁ!オールマイト!!」

 

 パツパツのヒーロースーツは破けてしまうのかと思うほど筋肉が肥大化して拳を握る。

 

 

 「DETROITSMASH!!!!」

 

 「黒水(くろうず)

 

 

 天候が変わってしまう程の暴力。

 その目にも留まらない速さで放たれた攻撃を片手で受け止める黒ひげ。

 方や音速を超えた拳、方や光を飲み込む闇。

 

 「ゼハハハハハハハハ!俺に個性は効かねえ!!」

 「そんなこと知ってるさ!!だから君が処理できないスピードで連打すれば!!!!」

 

 一発一発が天災。その攻撃を何度も受け凌ぐが、化け物と張れるほどの身体能力は持ち合わせていない黒ひげ。

 更に引き付けやすい体質の黒ひげからすれば、オールマイトの拳は二倍増しで自分の体に引き付けられる。

 

 凌ぎ続けた黒ひげだが、限界を迎える。

 一瞬、目に見えただけでも五発モロに食らってしまった。

 骨が砕ける音と共に黒ひげは吹っ飛ぶ。

 その巨体はビルを砕き進み、電柱をへし折る。

 そうやって幾多もの障害物に衝突して、やっとの思いで黒ひげは止まった。

 

 

 「痛てぇ!!痛てぇ!!ちっくしょう……あの野郎、殺す気で殴りやがったな」

 

 数秒ほどのたうち回り立ち上がる。

 頭から血が流れており、今にも医者に見せなければいけないほどの重症だ。

 

 「チッ、あの野郎本気で俺を捕まえる気じゃねぇか、ゼハハハハハハハハ!!!」

 

 吹っ飛んだ黒ひげを高速で追ってきたオールマイト。

 直ぐに追撃を仕掛けようとするが、防戦一方だった黒ひげが初めて先制した。

 

 

 「黒水(くろうず)

 

 オールマイトのパンチを受け止める為に使っていた技。

 それを最初から使う意味をオールマイトはまだ理解していない。

 だがオールマイトが理解する前に、体が先に動いた。

 

 「引き寄せられている!!」

 

 

 慌てて踏ん張ろうとするが、高速移動してきたばかりのオールマイト。自分から向かっていた力もあり、留まることが出来ずに黒ひげの真っ黒な手に顔を握りしめられた。

 

 

 「オラッ!!」

 

 

 ドン!!と地面が揺れる。

 オールマイトがコンクリートの地面に叩きつけられ、地割れを起こしたのだ。

 

 「おっと、まだだぜ!」

 

 黒ひげはオールマイトの顔を握ったまま、真っ黒い影のようなものを放っていた手が急に光を発した。

 その異変に今度はオールマイトの長年の勘が訴えかけた!!あれはヤバいと。

 

 黒色じゃ無くなったからか、力も入るし引き寄せられる力もない。故にその手からの脱出には成功した。

 巨体にも関わらずスルりと抜けたし、黒ひげから距離を取るオールマイト。

 

 自分がいた場所が更に地割れを起こし、街中にもかかわらずに地震(・・)のような揺れが起こり始めた。

 

 

 「ゼハハハハハハハハ!!上手く避けたじゃねぇか!!それでこそNO.1ヒーローってもんだぜ!!」

 

 「黒ひげぇぇぇぇえええ!!!!」

 

 鬼のような形相でこちらに強力な攻撃を使用とするが、黒ひげはピクリとも動かない。

 オールマイトは最初このことを技の後遺症のようなものだと思ったが、それは違うと直ぐに理解出来た。

 

 黒ひげが笑っていたのだ。

 それも満面の笑みで。

 

 「おいおい!いいのかよオールマイト。今の地震でいくつものビルが壊れたぞ。確かここら辺には老人ホームがあったよなオールマイト。ゼハハハハハハハハ!!!!」

 

 「いいのか?ここで暴れちまって。俺は一向に構わねぇぜ!!ゼハハハハハハハハ!!!!!!」

 

 

 

 「ヒーローは多いよな、守るものが!!」

 

 

 黒ひげが余裕になった理由が分かったオールマイト。

 確かにこのまま続けば確実に死者が出る。オールマイトはそれが分かっているが、それでも今黒ひげを捕まえなければ取り返しがつかないと直感する。

 黒ひげ自身が悪の王様、オールフォーワンと同等の存在になるような気がしたからだ。

 

 だがオールフォーワンほどの不気味さは感じられない。精々小悪党が限界だろう。

 だが拭い切れない何かがある。

 

 「CAROLAIMASMASH!!!」

 

 

 先手必勝。

 あの引き寄せられる前に、先にオールマイトは仕掛けた。

 これ以上暴れさせないために。

 

 いつもの黒ひげならトンズラこいて逃げるが、今回はそうじゃない。

 そしてこれ程までに強い個性だったことにオールマイトは焦りを感じている。

 もし黒ひげが地震を起こせる個性なら……

 考えただけでもゾッとする。本物の天災が目の前にいるのだ。

 

 それを悪用することに躊躇いなどは一切ない。

 

 

 確実に捕まえなければいけない。

 

 

 

 両手をクロスして、黒ひげに手刀を繰り出すオールマイト。

 

 それに比べて黒ひげは、左の手で拳を作り大きく振りかぶっていた。

 それはオールマイトとは違い、カウンターを狙っているかのように。

 

 

 オールマイトの高速移動で手刀が黒ひげの首に到達すると思われたその一瞬。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空間が割れた。

 

 

 「海震!!!!」

 

 到達すると思われた手刀が止まる。

 空気が割れ、空間が裂け、大気が震える。

 

 少し前に引き寄せられたオールマイトは、全く逆の斥力を感じることになった。

 しかもその衝撃は震えているかのようにこちらに伝わる。

 

 

 そしてオールマイトは黒ひげをぶっ飛ばしたお返しと言わんばかりの速さで、ビルを突き破り遥か彼方へと飛ばされた。

 

 

 「帰ってこられたら困るからな、ここいらでトンズラさせて貰うぜゼハハハハハハハハ!!!!!!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。