原作前最後のプロローグです。
色々と詰め込みすぎて、後半駆け足気味になってます。
色々とおかしな点があるかと思いますが、それでも良ければどうぞ。
次の日の朝…
「うみゅ…もう、朝?……………………え?」
「Zzz……Zzz……」
テントから射し込む日差しで目が覚めたいちご。そして目の前の事に、寝惚けていたのが一気に覚醒した。
(あれッ!?何で一夏の顔が目の前にあるの!?私、背中側で寝てた筈なのにぃ~ッ!?)
そう、昨晩一夏の寝袋に入り背中に抱き着くようにして寝ていた彼女だったが、いつの間にか一夏の顔が真っ正面…しかも、抱き合うような形になっていたのだ。まあ、これは単に一夏が寝返りをうっただけなのだが…
(なんでッ!?どうしてッ!?何でこうなってるのぉ~ッ!!)
だけどテンパっている今の彼女に、そこまでの考えは浮かばないようだ…
(でも、何だか落ち着く…………って!?このままじゃ昨日の二の舞だ!?とりあえず起きようッ!!そうすれば落ち着けるはず!!)
そうと決めたらいちごはすぐに寝袋から出て、落ち着くために外に出ると…
「お、もう起きたのか…おはようさん」
「あ、おはようございます!!」
そこには一誠がいて、飯盒でご飯を炊きながら野菜を切って大きめの器に盛っていた。
「朝御飯はもうすぐだから、そこのポリタンクに貯めてある水で顔を洗っておいで」
「分かりました」
言われた通りポリタンクの蛇口を捻って、出てくる冷たい水で顔を洗うと恥ずかしさで熱くなってた顔がスッキリとした。
「ふぅ~、何とか落ち着いた……あ!!私も手伝います!!」
「ん?なら、飯盒のご飯が炊けてるから茶碗によそってくれ。その後で、そこの火を使って玉子焼きを作って貰えるか?」
「はぁ~い!!」
そこからは彼女も調理に加わりその結果、サラダと玉子焼きだけでなく焼いたベーコンにほうれん草のお浸しまで出来上がり、少し豪華な朝食となった。
「中々手慣れてるね…料理が好きなのか?」
「いえ、実家がお弁当屋さんを経営してるので」
「なるほど…それじゃ一夏君を起こしてきてくれ。ご飯が冷めちゃうからな」
「は~い!!」
皿を並べ終えたいちごに一誠はそれを頼み、彼女はテントへと向かう。
(一夏は私の料理、美味しいって言ってくれるかな♪)
「一夏~、起き「う…うう…!!」一夏ッ!?」
そんな事を考えながら彼女がテントに入ると、一夏はうめき声をあげながら右手を上に伸ばし、顔には大量の汗を浮かばせて昨夜の様に魘されていた。
「大丈夫だよッ!!ここに居るから!!私はここにちゃんと居るから!!」
だから彼女も同じ様に、彼の手を両手で包み込みながら声を掛ける。すると一夏はだんだん落ち着いていき、ゆっくりと目を開けた。
「あ……俺は…」
「また魘されてたの…大丈夫?」
「ああ…途中から手が暖かくなって……そっか、いちごが握ってくれてたんだな?」
「うん、こんな事しかできないけど…」
「何だ何だ?でっけぇ声がしたけど…………なるほどな」
そこに先程の声を聞いたクリスがやって来て、2人の姿で大体の状況を察した。
「まず織斑は顔洗ってこい。んで星宮はアタシと来な、そろそろ服も着替えねぇと」
「は、はい…!!」
「分かりました」
クリスに続いて2人もテントを出て、一夏はいちごが使ったポリタンクから水を流して顔を洗い、いちごはクリスと別のテントに入る。
「おはよう、一夏君」
「…おはようございます」
「そこに俺の予備だけど、着替えを用意しておいたから着替えておいで。その後で朝御飯にしよう」
「はい」
一夏は着替えを受け取りテントに戻って、病人服からそれ(駒王学園のジャージ)を着て出るといちごも丁度着替え終わったらしく、ピンクのシャツに白のミニスカートという姿で出てきた。
「あ、一夏!!…えっと……似合う?」
「お、おう…!!」
今までの病人服から、年頃の女の子らしい格好に思わず見とれてしまった一夏は、視線を反らしつつあわてて答えた。
「やっぱり、調のがサイズ的にピッタリだったわね」
「だな。アタシらのだと結構ダブダブだったからな」
「ううッ!?」
「……………………それ、私といちごちゃんへの当てつけ?」
「ア、アハハ…」
クリスとマリアの言葉にいちごがショックを受け、調が2人を睨み付けアーシアは苦笑いする。確かに何処がとは言わないが、
「…いーもん、私のは希少価値だもんステータスだもん…クリス先輩のなんて肩こるし将来垂れるだけだし…」(ぺた~ん)
「拗ねたって、無いものは揺れねぇぞ?」(どたぷ~ん)
「しょうちした、きさまはきりきざむ」
「ハイハイ、朝から殺伐しない。間に立ってるいちごちゃんも怖がっちゃってるわよ?」
「アワワワワワ…ッ!!」(ガクブル)
殺気を向け合うクリスと調。その間に立たされていたいちごは涙目になってあたふたしていた。そんないちごを見た一夏は…
(小動物みたいで可愛い…)
なんて事を思っていた。
「ほら、飯が冷めるから早く来い」
「「(はぁ~い/あいよ)」」
そして一誠の言葉でアッサリと喧嘩は終わり、朝食を食べ終わると移動の為に使っていたテントを片す。
「この後だけど、まずはいちごちゃんを家に送り、一夏君は……家がないしお姉さんも場所が分からないから、いちごちゃんの家に連れてくるって形にするけどいいかい?」
「はい!!」
「頼みます」
「わかった」
そして撤収作業が終わると、一誠はいちごに1つのアイテムを手渡す。
「これは?」
「【テレポートジェム】っていって、それを割ると一定範囲内のものを使用者が行きたい場所へと転送してくれるものさ」
「すごい…こんなの、どうやって…」
気になった彼女はシーフ・アイを使うも、やはり情報が解らず首を傾げる。
「とりあえず、君の家の近く……なるべく人目につかない場所を思い浮かべてくれ」
「え?家の前じゃダメなんですか?」
「もう一般の人達が起きてるからね…念には念をってやつさ」
「わかりました」
この世界に人を転送する技術はまだ確立されておらず、なのにいきなり人が目の前に現れたら注目を浴びてしまう。それはあまり好ましいものではなく、新たに狙われる理由を作りかねない。だからこその対応であった。
「…………………………………………えいッ!!」
場所を思い浮かべたいちごはそれを地面へと叩きつけて砕き、足下に魔法陣みたいなのが浮かび上がると眩い光に包まれ、彼らの姿は森から消えた。
「着いたぞ」
「「え?」」
光の眩さに目を閉じていた2人。だが、一誠の言葉に目を開けると周りが木ではなく、建物が密集した少し暗い路地にいた。
「本当にテレポートしたのかよ…!!」
「うん…」
その事に一夏は驚き、いちごは少し呆然としてから走り出した。
「あ、おいッ!?」
一夏は慌てて、他は歩きながらいちごの後を追いかける。そして路地を出た辺りでいちごは立ち止まっていた。
「いきなり走り出すなよ「私のいた町だ…」え?本当に?」
そこに広がるのは沢山の人で賑わう商店街で、男女関係なく親しそうに話している姿を見るに女尊男卑はこの町では広まっていないようだ。
「ここは……平和なんだな…」
「もともと地元住民同士の交流が盛んだったから、女尊男卑は広まらなかったの」
「そうか…」
「本当に…戻ってこれたんだ…!!」
町の人達が楽しそうに会話する姿を一夏は羨ましく見る。もし、こんな自分達の住んでた町がこんな感じだったら、自分と千冬姉は平和に暮らせていられたのではないかと…
「ほら、そこでボーッと突っ立ってないで、まずは彼女の家に行こう」
「「あ、はい!!」」
「いちごちゃんは、案内ヨロシク」
「はい、こっちです」
そこからいちごの水先案内に従い、少し歩いた場所に【なんでも弁当】と書かれたお店があり、店の前の扉には探し人としていちごの写真が乗ったポスターが貼られていた。
「あった…!!」
「お店も営業してるみたいだな…先ずは俺が入って話してくるから待ってて」
そう言って店内に入る一誠。その間、ソワソワして落ち着かないのかドルちゃんを抱き締めるいちご。一夏達はそんな彼女の傍にいる事にした。
一誠side
「ごめんくださ~い」
店内に入った俺が最初に感じたのは、綺麗な内装と美味しそうな料理の匂いだった。メイルを連れて入ってたらたぶん食べたいって駄々をこねていただろうなぁ…
「はぁ~い!!」
そして返事と共に店の奥から顔を出したのはうなじ辺りで髪を纏めた女性だった。
結構若いな…20代くらいか…彼女の姉かな?
「ご注文は?」
「いえ、お弁当を頼みたいのではなくて……ここは星宮さんのお宅で間違いないですか?」
「ええ…そうですけど?」
「実はいちごさんについてなんですが…」
「ッ!?娘を…いちごを知ってるんですかッ!?」
「うえッ!?お、落ち着いてください!!」(若ッ!?いちごちゃんのお母さん若ッ!?)
カウンターを出て俺に詰め寄ってくる女性……いちごちゃんの母親にどうでもいい事で驚きつつも、何とか落ち着かせる。
「す、すみません…お見苦しい所を…」
「いえ、お母様のお気持ちは解りますから……みんな!!」
俺が入口に向かって呼ぶといちごちゃんを除いたメンバーが現れ、最後に一夏君が彼女の手を引こうとしてるのだが…
「何立ち止まってるんだよ?」
「えっと…どんな顔して出ればいいのかなって…」
どうやら久々過ぎて、顔を出しにくくなっているらしい。だけど、お母様の方は声ですぐに分かったらしく口元を手で押さえて涙を流し始めた。
「それは出てから考えろ…よ!!」
「うひゃあッ!?」
業を煮やした一夏君が思い切り彼女を引っ張り、右腕にドルモンを抱えたいちごちゃんを入口に立させた。
「あ…えっと…………ただい「いちごッ!!」わわッ!?」
「良かった…!!本当に無事で…!!本当に…!!」
「お母さん…!!心配かけて…ごめんなさい…!!」
「良いのよ…!!こうやって元気な姿を見せてくれたのなら…!!」
彼女の姿を見た途端、お母様は走り出して彼女を抱き締めた。
うんうん、感動の再会だな!!ちなみにドルモンは抱き締められる寸前にいちごちゃんの腕から脱出し、アーシアの元に戻っている。再会の邪魔をしないようにしたんだろう。ナイス判断だ!!
親子の再会が一段落した後、お母様は息子さんのいる学校や旦那さんに連絡を入れる為に奥に1度戻った。
「良かったな、いちご」
「うん…!!これも、一夏のお陰だよ♪」
「いや、俺は…」
「謙遜しなくていい。俺達が助けに行った時に間に合ったかといわれると正直微妙だったからな。彼女を助けたのは…間違いなく君だ」
「うんうん♪」
「えっと…ど、どういたしまして?」
どうやら彼は褒められ慣れていないらしい。顔を少し赤くして、頬を掻く姿は年相応に見えた。
「すみません、息子達もすぐに帰ってくるそうなので奥でお待ち下さい。色々とお礼もしたいので…」
「でしたら、私は少し席を外します。彼のお姉さんにも無事を教えたいので…その後で、こちらに連れてきても構いませんか?」
「そういう事でしたら、こちらは喜んで」
「では、失礼します」
「あ、お兄ちゃん私も行く!!」
店を出た後、付いてきたメイルと一緒にスマホの【ツブヤケバー】にある、織斑千冬の最新情報を元に転移した。
No side
一誠が織斑千冬を探しに出てから数分後、店の中に一人の少年が駆け込んできた。背はいちごより低く、茶髪の活発そうな子だ。名前は【星宮らいち】…小学6年のいちごの弟である。
「お母さん!!お姉ちゃん帰ってきたんだって!?」
「ええ、助けてくれた人達と一緒に奥にいるわよ♪」
母の返答にランドセルを投げ捨て、部屋へと駆け込んでいくらいち。そしてリビングに入ると、先程クセになったのかドルモンを抱き締めてそのモフモフの毛に顔を埋めてウットリしているいちごとジタバタしているドルモン、それを見て苦笑している一夏達がいた。
「はあ~…!!気持ちイイ~♪」
『アーシア!!助けてッス~!!』
「ドルちゃん、頑張ってください♪」
『ガビョーン!?』
((((南無…))))
アーシアに見捨てられ絶望するドルモン。一夏達は手を合わせて見送るしかなかった。だが、そこで彼に救いがやって来た。
「お…お姉ちゃ~ん!!」
「え、らいち!?」
『ッ!!今のうちッス!!』
突然飛びついたらいちにいちごは驚き、それで抱きつく力が弛んだ一瞬の隙をついてドルモンは脱出した。
「良かったよ~!!本当に無事で!!」
「うん…心配させてゴメンね?」
泣き出す弟の頭を優しく撫でるいちご。
「その子は?」
「私の弟のらいちだよ」
「あ、星宮らいちです!!今回はお姉ちゃんを助けてくれて、本当にありがとうございます!!」
「それは彼に言ってあげなさい。お姉さんを助けた一番の功労者だもの。私達は誘拐された場所から逃げ出したこの子達を保護して連れてきただけよ」
「えッ!?」
「お兄さん、本当にありがとうございます!!」
「あ、いや…別に俺は…」
らいちからのお礼に戸惑う一夏。その時、お店に彼が聞きたかった声がした。
「おい、本当に一夏がいるんだろうな?」
「それに関しては嘘を言ってませんから…」
「ッ!?」
「あ、一夏ッ!?」
それを強化された聴覚で耳にした一夏は立ち上がり、店の方へと走り出す。そして、店内へと繋がる扉を開けるとそこには目付きが鋭い女性とその女性を宥めている一誠がいた。
「千冬姉ッ!!」
「え…………一夏…!!」
その女性は間違いなく彼の姉である【織斑千冬】だった。彼女は一夏の姿を見や否や走り出した彼を抱き締める。
「すまない…!!私のせいでお前をこんな辛い目に…!!」
「違うッ!!千冬姉は悪くない!!悪いのは全部…!!」
「とりあえず奥に行きましょう。ここだとお客様に迷惑になりますから…」
「あ、ああ……そうだな」
一誠の言葉で店内だった事を思いだし、2人も奥のリビングへと向かう。
「一夏、その人があの…」
「ああ、俺の姉の千冬姉だ」
「皆さん、弟を救っていただき感謝します」
「いえ、それよりも関係者が揃ってきたので2人の事について説明したいのですが、よろしいですか?」
いちごの父親はまだ時間が掛かるらしく、今のうちに簡単な説明をしておく一誠。もちろん2人の体についても話した。
「2人の体がそんな事になっていたなんて…」
「すみません、今の技術ではお二人の治療は……」
「それでも、普段の生活には問題無いんですよね!?」
「はい、体の機能や寿命を含めて問題ありませんでした」
「なら良かったです…!!」
その診断に全員が安堵する。
「では、話はここまでにして今日は子供達が助かったお祝いをしましょう!!織斑さん達も是非参加していってください」
「では、お言葉に甘えまして…」
いちごの母の誘いを千冬も承諾し、それから料理が出来るまでの間一夏との久し振りの会話に花を咲かせる。
「そういや千冬姉、何で家を売ったのさ?」
「しばらくお前を探す手伝いをしてくれたドイツで部隊の指導をするのと、お前を探す軍資金にするのと、アイツが住める場所を無くしてやりたかったんだ。旅立つ前に絶縁状を叩きつけた上でな?」
「そうだったんだ…それでアイツは…?」
「その後は知らんが……おそらく、束の奴が引き取ってるだろう。奴はアイツを可愛がっていたからな」
「そっか…」
「その資金も尽きかけていた所に、お前が見つかったと彼に教えてもらってな……そうだ、その話をされた瞬間に刀を抜刀して斬りかかったのを謝らないと…」
「いや、本当に何してんのさッ!?」
「あの時は死ぬかと思ったよ……」
その時を思い出して遠い目をする一誠。実際、不意打ちで目にも止まらぬ速さで抜かれた刀をイナバウアーで鼻先スレスレで回避出来たのは、全くの偶然だろう。
「本当に申し訳ありませんでした…」
「いえ、もう気にしてませんから…!!」
「はい、お料理が出来ましたよ~♪」
いちごの母が大皿にいろいろな料理を乗せて、いちごと一緒にもどってくる。
「わーい!!唐揚げ唐揚げ~♪」
「私はエビフライを♪」
ゆめとアーシアはすぐさま好物を確保する。そうしないとアグモン達が一気食いして無くなりかねないからだ。
『さすがに怒られるから、もうやらないよ~?』
「だったらお前は食べる速度も加減しろッ!!」
と言いつつ、お皿の料理を一口でどんどん食べ進めていくアグモン。もちろん、クリスから説教された。
それからいちごの父親も合流し、抱き締めるといった何回目かの感動の再会をし、お祝いも終盤に差し掛かった時…何気なく点けてたテレビがバラエティから緊急ニュース速報に切り替わった。
「なんだ?」
『え~、番組の途中ですが内容を変更し、先程各テレビ局に送られてきた…篠ノ之束博士からのメッセージをノーカットでお送りします。』
そして再び画面が切り替わり、今度はエプロンドレスに機械のウサミミを着けた赤みがかった紫の髪をした女性が映り、千冬はその姿を見て右手を強く握り締める。
「束…!!」
「あれが…」
『ハロハロ~♪皆のアイドル、束さんだよ~♥️今日は重大発表があるから。あー君、カモン!!』
そう言って手招きをする彼女の横に一人の男が現れる。その男を見た途端、一夏と千冬は画面を睨み付けた。
『彼は束さんの可愛い弟の【篠ノ之 秋羅】!!実は今日、彼がISを動かしちゃいました~♪』
「「「「ええ~ッ!?」」」」
その内容に星宮家が驚く。何故ならISは女性にしか動かせないとされてきた。しかし、その常識を破った存在が現れたのだ。驚かない訳がない。
『な・の・で♪来年のIS学園に彼を入学させるから!!よろぴくね~♪それじゃ…Ciao♥️』
そこでメッセージは終わり、先程のアナウンサーが映り何かを話始めていくが、それは誰の耳にも入らない。何故なら凄まじい怒気が一夏と千冬から放たれて怯えているからだ。そんな中、一誠達は今後の行動を話す。
「なるほど、これが転生者の目的だったのか…」
「IS学園って女子高みたいなモンだろ?つまりハーレム狙いか……アンのクソ野郎を思い出すな…!!」
「でも大々的にテレビに出てしまったのなら、仕事が遣りづらくなるわね…」
「…それに、居場所もまだ不明……」
「どうしましょう…」
『え~、今速報が入りました!!政府は篠ノ之博士の発表を受けまして、全世界で男性のIS適性検査を行うそうです!!詳細につきましては…』
そこでアナウンサーが政府の発表を読み上げる。どうやら他にも男性操縦者がいないか探しだすつもりのようだ。
「おいイッセー、お前IS動かしてこい。そうすりゃ簡単だろ?」
「ムチャ言うなよクリス…この世界に来るときにティーオさんに見てもらったけど、俺には適性無いって知ってるだろ?」
「だったらどうすんだよ?」
転生者の排除に暗雲が立ち込める中、一夏が一誠の前に立つ。その瞳は決意を固めた様に凛々しく力強い。
「その仕事……俺にやらせてくれませんか?」
「「「「「「は?」」」」」」
その言葉に呆然とする一誠達。
「何か手段があるのか?」
「いえ……だから、俺がISを動かせたら…ですけど……」
「一夏…」
可能性は限りなくゼロに近い条件。でも、秋羅を倒す役目は譲りたくないと思う自分がいたのだ。
「………………なら、これに触ってみろ」
一誠が出したのは一夏達を襲ったロボットから採取したもの。それを見た千冬は怒りを忘れて驚く。
「それは……ISコアッ!?どうしてそれを…!?」
「一夏君達を襲っていたロボットを破壊したときに残った残骸です。万が一を思って持っていたのですが、やはりコレがコアだったんですね。これが起動出来たらお前に力を含めて託してやる……できなければ…」
「きっぱり諦めます」
「よし、やってみろ」
差し出されたそれに手を伸ばす一夏。だけど動かせなかったらという不安や緊張の為か腕は震え、なかなか前に出せない。
(いや、俺なら出来る!!そしてアイツの野望を打ち砕いて、今までの事を100倍にして返してやる!!)
その気持ちのままに手を一気に伸ばしてISコアに触れる…………すると、コアが輝き始めた。
「これは…!!」
「ISコアが……起動してる!?」
シーフ・アイでコアの状況を確認するいちご。コアは一夏に反応して起動していたのだ。それを見た一誠は一夏を見て微笑む。
「おめでとう一夏君。約束通り君に任務と力を託してあげるよ」
「あ…ありがとうございます!!」
「おい、いいのかよ?」
「ティーオさんには後で連絡を入れるさ。それに狂った世界の歴史は元には戻らない……だったら、彼の頼みに協力するのもやぶさかではないよ」
「そうかよ…」
「それじゃ先ずは一夏君の機体作りと後ろ楯の為に会社作って…そこの企業代表として登録して……やることは多くなるな…」
連絡用の端末を取り出して色々と連絡を始める一誠。そんな中で千冬もある決意を固める。
「なら、私は以前から打診のあったIS学園の教師になるとしよう。それでヤツの情報をお前に渡してやる」
「いいのか、千冬姉?」
「私とて、アイツを懲らしめてやりたいのは同じだからな。これぐらいは姉として協力させてくれ」
「…ありがとう、千冬姉」
「おーし!!なら、奴とまともに戦える様に徹底的に鍛え上げるぞ!!」
「おうッ!!」
それから作業は進み、世界初の男性IS操縦者発表から1ヶ月後の12月……IS事業に新規参入したばかりの【グリゴリ社】が、2番目の男性操縦者を発見・企業代表にしたと世間に発表。そこには織斑一夏と星宮いちごの姿があった。
いかがでしたか?
後半につれ雑だな……
とりあえず、次回から原作に入っていきます。そこで他作品のキャラも出します。
では、次回でお会いしましょう。