一人の少女を守るヒーロー   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

スランプ中に買ったデビルメイクライシリーズにドはまりしました。魔具を試すダンテさんカッケェ!!でも、私はデビルブレイカー装備のネロが好きです。

今回は転生者との勝負1回目になります。ただ、面倒な事態が起きますけど…

では、どうぞ。


援・軍

時を少し巻き戻して、一夏がピットの先端に立った頃…

 

「何なんですか…この周囲の状況…」

 

「ちょっと気味悪いね…」

 

管制室にいたエイミーと木綿季は、観客席から起こる大ブーイングを不信に思っていた。

 

「織斑君ってそんなに悪い事してませんよね!?」

 

「うん、朝と夕方に自己鍛練してる以外は普通どころか、優良生徒っていっても言いぐらいだよ」

 

エイミーや木綿季から見れば、彼の普段の態度は優良でクラスメイトとも仲が良い。そう考えればここまでブーイングを貰う理由なんてあり得ない。なのにこんな状況になってしまっているのか…女尊男卑以外に彼女達の心当たりは1つしかなかった。

 

「やはり、第二回モンドグロッソの事が?」

 

「ううん、あれは織斑君のせいじゃない。彼は巻き込まれてしまっただけ……寧ろ、責任は彼の護衛を頼まれていたのに果たせなかったボクにあるよ…」

 

そう言って顔を俯ける木綿季。彼女は前回のモンドグロッソの時に千冬に頼まれ一夏の護衛をしており、決勝戦の日も彼を会場まで送る事になっていたが、警備主任から警備体制の変更があったから一旦集まってほしいと連絡があり、警備担当者全員がホテルのロビーに集まったがいつまで経っても主任が現れず、木綿季が連絡するとそんな話は聞いていないと返されたのだ。それに嫌な予感がした彼女が一夏の部屋に飛び込むと、そこに彼は居らず多少争ったような形跡があるだけだった…

 

それを見た木綿季はすぐさま警備主任に伝えたが…

 

(出来損ないの方ならほっときましょ、千冬様の汚点も無くなるしね)

 

そうのたまったのだ。これには普段温厚な彼女も激怒し、すぐさま千冬へと連絡を入れたのだ。それを受けた千冬は決勝戦を放棄して一夏の捜索に向かった。

 

しかし、一夏は発見できず千冬は大会2連覇を期待した日本国民を裏切った【裏切り者】と呼ばれ、千冬も家族を蔑ろにした国に愛想を尽かして代表を辞め、世界中を旅する事にし、同じく木綿季を代表候補を辞めてIS学園の教師になる事にした。

 

「紺野先生…」

 

「でも仮にそうだとしても、他国の生徒の人までブーイングをするのはおかしいよ」

 

「あッ!?」

 

木綿季の言葉にエイミーも気づく。そう、裏切り者の弟である一夏に日本人がブーイングを入れるのは理解ができる。しかし、この学園は外国からの生徒も大勢いる。その全員が彼をブーイングするなど違和感しかないのだ。

 

「つまり、この状況に扇動した何者かがいる…という事ですか?」

 

「憶測に過ぎないけどね…」

 

「そんな中で織斑君は大丈夫でしょうか…?」

 

「彼ならきっと大丈夫だよ」

 

2人が心配と期待を混ぜ合わせた気持ちになりつつ、試合を見届けようとしていると後ろの扉が開いて千冬が入ってきた。

 

「失礼する」

 

「千冬先輩?どうしたんですか?」

 

「いや、会場の様子がおかしいのでお前達の意見を聞きにな?」

 

「先輩もそう思ってたんですね…」

 

そこから3人は木綿季の憶測を元に、話し合いながら試合を観戦する。そこでたまに聞こえる一夏の挑発に話題が変わった。

 

「なんか……ずいぶん独特な挑発ですね?」

 

「あれは最近、アイツがハマってる悪魔を狩るゲームのやつだな。プレイしている所を何度か見ていて、似たのがあったのを知っている…」

 

その内容にエイミーと木綿季は苦笑いし、千冬は頭を抱えていた。

 

そして試合は一夏の圧倒的強さでノーダメ勝利に終わり、オルコットの機体はダメージレベルがDに入り本国から担当者を呼んで修理しなければならない程に大破していた。

 

「スゴいですよッ!!企業代表とはいえ、国家代表候補生に無傷で勝っちゃうなんて!!」

 

「これにはボクもビックリだよ!!」

 

「まあ、今回は星宮からの直接サポートがあるから、当然といえば当然だな」

 

その結果にエイミーと木綿季は喜び、千冬も辛口評価しつつも頬を綻ばせていた。

 

「でも、どうします?これではそちらの代表決定戦が行えませんが?」

 

だが、本来この勝負は1組の代表を決めるための勝負で、一夏はそれに巻き込まれただけ…しかし、これではオルコットが試合をすることは不可能になってしまった。

 

「想定内だ。この場合、不戦勝で篠ノ乃兄を代表にする」

 

でも、千冬はそれを予測しており、不戦勝で秋羅がクラス代表になった。だが理由は他にもあり、彼をクラス代表にする事で、行動に制限をかけたのだ。これで秋羅が何かしようと動いていたら、クラス代表の仕事と称して呼びつけ自分の監視下に置くことが可能になる。

 

「それじゃあ、試合はこれで終わりですか?」

 

「いや、ここで止めてもIS委員会が何か言ってくるでしょうから、織斑と篠ノ乃兄の試合は行いましょう」

 

「解りました、では私は摩耶さんと準備に入ります」

 

エイミーが1組側の指令室と通信しつつ、準備を始めると千冬は部屋を出ていこうとするのを木綿季が止めた。

 

「千冬先輩、どこ行くんですか?」

 

「なぁに、ちょっと生徒達を激励にな?」

 

そう言うと彼女は部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏side

 

周囲から聞こえてくるブーイングを無視しながら俺はピットに戻り、GRIDMANを解除すると近寄ってきたいちごとハイタッチする。

 

「さっすが一夏、圧勝だったね♪」

 

「いちごのサポートがあったからだよ」

 

実際、俺だけだったら弱点なんて調べないで、力任せのゴリ押し戦法しかやらないからな…

 

「でも体は大丈夫?かなり無茶な動きさせたりしたけど…」

 

「大丈夫だよ、あれくらいだったらいちごのサポート無しでも勝てたし、未来師匠のミラービット地獄の方がもっとつれぇよ…」

 

あのワンちゃん(注:オルコットの事です)の機体についてはある程度調べて知ってたから、未来師匠に頼んで神獣鏡のミラービットで回避訓練をやらせてもらったんだけど…

 

(ほら2人とも、これくらいでへばってたら負けちゃうよ?)

 

(あの……確認なんすけど…オルコットの機体のビットは6個でしたよね?)

 

(そうだけど?)

 

(なら、何で俺達は()()()のビットを相手にしてるんですかァッ!?)

 

(し…処理が追いつかないよぉ~…)

 

(文句を言わない。次は100個にするよ?)

 

((それだけは勘弁してくださいッ!?))

 

(じゃ、100個で始めよっか♪)

 

((ノオォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!))

 

あの訓練で次の日、俺は筋肉痛にいちごは知恵熱に苛まされたのに、未来師匠はアーシアさんに頼んで俺達を強制的に回復させて、その日も寮への帰宅時間ギリギリまでやらされた…

 

今、思い出すだけでも震えが止まらねぇ…あの人、鬼や鬼畜や…

 

「一夏ァ…!!」

 

「よしよし、あの人は今いないから安心しろ、な?」

 

その恐怖を思い出したのか、いちごが涙目で俺に抱きついてきたので頭を撫でながらあやす。

 

うん、いちごには悪いけど泣き顔メッチャ可愛い…!!

 

「やれやれ、教師の前で不純異性交遊とは…」

 

「「ッ!?」」

 

そんな事を考えていたら、千冬姉の声が聞こえて俺達は素早く離れた。

 

いつの間にッ!?まさか千冬姉に見られるなんて…!!スッゲェ恥ずかしい…!!

 

「なんだ、別に離れる必要はないぞ?せっかくのチャンスなんだし……キスの1つでもしたらどうだ?」

 

「「キ…!?」」

 

その言葉に俺達は顔が真っ赤になり、千冬姉は俺達を見てクククッと笑い冗談だと言った後に、一本のUSBメモリをいちごに手渡した。

 

「これは?」

 

「篠ノ乃兄が使うIS……その機体データだ」

 

「アイツの…!!」

 

「すぐに解析します!!」

 

いちごはそれを受けとると、近くの端末に挿し込みデータを解析していく。それはもののけ数秒で終わり、秋羅の機体の詳細が表示されると、俺達は呆れ返った。

 

「機体名【白式】……なんだ、この欠陥機?武装が剣一本とかバカじゃねえの?」

 

「機体自体は高機動近接型の第三世代機みたいだけど……ハッキリ言ってその価値もないかも…」

 

「表面性能だけ見ればな…」

 

「「???」」

 

「これを見ろ」

 

千冬姉が指差す画面には【単一仕様能力:零落白夜】と表示されてある……って!?

 

「これは千冬姉の専用機【暮桜】の…!!」

 

「これを見た時、私はその場で画面を殴りそうになったよ……束め…よほど私を怒らせたいらしい…!!」

 

「しかも一次移行で使用可能なんて……」

 

つまりこの機体は篠ノ乃束が作った、千冬姉の機体の後継機…ハハッ!!イイねぇ…やる気が漲ってくるぜ!!

 

「一夏…手加減などするな、全力で倒せ」

 

「わかってるよ…!!」

 

『織斑君、試合の準備ができましたので出撃をお願いします』

 

そこにタイミング良くエイミー先生から出撃要請がくる。さて、暴れてくっか!!

 

「いちご、今回は通常試合のやり方で頼む」

 

「わかった、声かけしないでこっちの判断で色々サポートするから」

 

「サンキュー♪アクセス…フラーッシュ!!」

 

いちごにそう礼を言って、俺はGRIDMANを纏ってフィールドに降り立つとブーイングが起こるが無視。それと同時に秋羅の奴も白式を纏って出てくると黄色い歓声が上がる。

 

ったく、うるせぇ騒音だなぁ……俺のクラスの応援が聞こえねぇだろうが…!!

 

「それがお前の機体か……ずいぶん真っ白だな?まるでお前の頭の中みたいだ」

 

「…………………………………………(ギリッ!!)」

 

さっきの試合みたいに挑発するが、なにも言わずに怖い顔で睨み付けてくる。ま、全然怖くないけど(笑)

 

「なんだ、お喋りは嫌いか?」

 

『余計な事をしてくれたな…!!』

 

このまま無言かと思ったら、俺に個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)を使って話しかけてきた。どうやら、誰にも聞かれたくない内容らしい…

 

『あ?』

 

『セシリアは俺が倒す予定だったんだ!!そうすれば、アイツは俺に惚れる筈だったのに…余計な真似しやがってッ!!』

 

『お前、あんなのが趣味だったのか?女を見る目がねぇな…』

 

あんなワンちゃんよりも、いちごや姫和達の方がよっぽどイイ女だぜ。

 

『うるさいッ!!お前はここで俺が殺してやるッ!!』

 

そう怒鳴り散らしてから、奴は通信を切った。ったく…通信で大声出すなよ…

 

「んじゃ、こっからは肉体言語で話し合いますかッ!!」

 

一夏side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『試合開始です』

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

開始の合図と同時に、秋羅は白式の唯一の武装である日本刀型ブレードの【雪片弐型】を持って一夏へと突っ込んでいく。しかし、フェイントも何もない突進など彼から見ればチビッ子が投げたボールくらいの速度なので、振り下ろされた剣をあっさりと回避し、踏みつけて地面に押さえつける。

 

「なッ!?」

 

「いきなり飛び込んでくるなんて、危ないだろ?もしかしてハグして欲しかった?でも残念、野郎とじゃな…」

 

「ふざけるなッ!!いいから足を退けろ!!」

 

「だったら力ずくでやってみろよ、男だろ?」

 

「言われなくても…!!」

 

怒りで正常に判断できないのか、一夏の挑発に乗って全力で腕を上げようとする秋羅。その場に振り上げるタイミングに合わせて一夏は足を退けると、秋羅は勢い余り両腕を上げたまま仰向けに倒れそうになるが、倒れきる前に持ってた雪片が地面に刺さり、尻もちを着いて雪片を背もたれにするみたいに座りこんだ。

 

「アハハハハハッ!!何やってんだよ、加減って知ってるか?」

 

「この…!!」

 

立ち上がった秋羅は雪片を構えると、その刀身を変形させて白いレーザー刃を作り出す。

 

「俺の零落白夜で、お前をブッ倒すッ!!」

 

「お~お~、物騒なこって…」

 

「死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

怒り任せにそれを振るってくるのを、一夏は余裕を崩さずにスレスレで回避していく。その際に掠めているのか、シールドエネルギーが大幅に減少していく。

 

「さっきまでの威勢はどうしたッ!?このまま大人しく殺されろッ!!」

 

「こりゃあ残念だ…」

 

横凪ぎにきたのをバク転で回避し、一度距離を取る一夏。気づけば、シールドエネルギーは残り3割を切っていた。

 

「そうだろうなッ!!お前の武器はビームソードとビームだけなんだろ?零落白夜に掛かればそんなもん通用しない!!逆転なんか…「そっちじゃねぇよ」あ!?」

 

一夏が視線を秋羅から外し、零落白夜が当たったのか焦げている地面を見る。そしてため息を1つ吐いて右手を前に伸ばす。それを見たいちごは投影キーボードを操作して画面に何かのパスワード入力画面を映し出し素早く入力していく。

 

入力された文字(アクセスコード)は【GRIDMAN CALIBUR】。

 

「アクセスコード、グリッドマンキャリバー!!」

 

最後に音声認証も済ませると、金と黒の二色に緑のランプのある一夏の身の丈を越える一振りの大剣が落ちてきて地面に突き刺さり、彼はそれを力強く掴む。

 

「ベーコンがありゃあ…スライスしながら焼いて食えたのに…」

 

「なッ!?他にも武器があったのかよ!?」

 

「電撃大斬剣…グリッドマンキャリバーッ!!」

 

地面から剣を引き抜き、サン○イズ立ちで構えると仮面の下で一夏はニヤリと笑う。

 

「んじゃ、ハンデも充分くれてやった事だし……こっから本気でいきますか」

 

「ハンデ?………………まさかテメェ…!!」

 

「今頃気づいたのかよ、このウスノロが」

 

そう、一夏はわざと零落白夜をスレスレで回避し、シールドエネルギーを減らしていたのだ。そこまで舐めた真似をされた事に秋羅は完全にキレた。

 

「調子に乗るなアァァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

「おい、ブーメランだぞ?……この、胸に宿った信念の火は~♪」

 

憤怒の表情で向かってくる秋羅に、一夏はそう返すと歌いながら先程と同様に回避を行うが、今度は充分な距離を取りダメージを受けない様にしている。

 

「くそッ!?何で当たらねぇッ!!」

 

「そりゃ、ガキんちょが振り回してる傘に当たる大剣豪が何処にいる?」

 

「いい加減死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

「もう何も失うものかと決めた~♪」

 

歌いながら攻撃を華麗に避ける一夏。それがおちょくられてると秋羅は思い、頭の血を更に沸騰させていく。それによってますます剣の振りが甘くなっていく…

 

「闇に惑う夜には、歌を灯そうか~♪」

 

「この…!!(ピーピー!!)しまったッ!?エネルギーが…!?」

 

それを繰り返していたら、雪片からレーザー刃が消え始めていく。零落白夜は強力な力を持つ代わりに、自身のシールドエネルギーを代償にしている。だから使用には注意を払わなくてはいけないのだが、頭に血が上っていた秋羅はそれに気づかず展開を続けていた為に、シールドエネルギーが限界を迎えたのだ。警告音で気づいた秋羅は慌てて解除するが、既にエネルギーは10%しか無かった。

 

「絶対に譲れない、夢が吠え叫ぶよ!!」

 

そこを見逃す一夏ではない。秋羅のお腹に蹴りを入れて強引に距離を離すと、キャリバーを振るい白式の左腕を断ち斬る。

 

「うおッ!?」

 

「正義の為に…悪を貫け!!」

 

続けて右側のウィングスラスターに剣を突き刺し、爆散させる。

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅぅ…!!」

 

「覚悟を、今構えたら!!」

 

それによりバランスを崩した所を狙い、キャリバーを上段から振り下ろす…

 

「誇りとち(ピピピピピッ!!)ッ!?」

 

直前、GRIDMANのモニターが切り替わり、複数の弾道予測線が浮かび上がる。しかしそれらは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

すぐさま攻撃を中断して後退すると、そこに銃弾の雨が降り注いだ。

 

「たく……勝利の紙吹雪にしちゃ早すぎだろ…」

 

頭上を見上げると、そこには打鉄とラファール・リヴァイブが3機ずついて、その内の1機には篠ノ乃箒の姿があった。

 

「おいおい、まだライブの途中だぜ?握手とサインは終わってからにしてくれ」

 

「黙れッ!!この卑怯者がッ!!」

 

「これ以上、篠ノ乃君はやらせない!!」

 

「お前なんか死ねッ!!」

 

そう叫び散らすと、彼女達(箒を除く)は一夏へと銃撃を始める。

 

「やれやれ…どうやら、秋羅だけじゃなくアイツらも男を見る目がないみたいだ…んじゃ、マナーの悪い客にはお引き取り願おうか!!」

 

そう言ってため息を吐くと、一夏は乱入者の迎撃に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エイミー先生!!今すぐ教員用ISの準備を!!」

 

「了解です!!」

 

そして試合を観ていた管制室の木綿季とエイミーも慌ただしく動き始める。各アリーナには生徒の問題行動やISの事故等に対応するため、教員用にチューンされた機体が用意されているのだ。木綿季もこの現状に介入するために出ようとするが…

 

「あれ?………………ッ!?大変ですッ!!」

 

「どうしたの!?」

 

「今、篠ノ乃さんが使ってる打鉄から、教員機の反応がッ!!」

 

「ええッ!?」

 

それが今、乱入してきた生徒に使われているというまさかの事態が発生していたのだ。

 

「そんなッ!?あれが置いてある場所は教員しか知らないし、扉だって毎週変わる16桁の暗証番号がないと開かないんだよッ!?」

 

「私にも何がなんだか…!?」

 

「でも、これじゃ助けに行けない…!!」

 

木綿季の言うとおり、教員機は各アリーナに1機しかない。生徒に貸し出す訓練機ならあるかもしれないが、教員機と比べれば機体性能は劣っている為、6人相手は不利でしかない。

 

「一体どうすれば…!!」

 

どうにもならない状況に追い込まれ、木綿季が唇を噛み締めていた時だった。

 

「え、通信?誰から…………ッ!!紺野先生!!」

 

「今度はなにッ!?」

 

「グリゴリ社の副社長さんから通信がきてますッ!!」

 

「繋げて!!」

 

彼女達に通信が入り、繋げると画面に一誠が映し出された。

 

『これは一体どういう状況ですか?』

 

「えっと…身内の恥を晒すようなのですが…」

 

木綿季は今解っている状況を説明していく。それを聞いた一誠は…

 

『解りました。では、こちらが今出せる機体を出撃させます』

 

「えッ!?機体があるんですか!?」

 

『今、仕様書を送りますね』

 

直後、管制室を端末が仕様書を受信し、()()のISのデータが表示される。そこにはパイロットの顔写真と名前まであり、その顔にエイミーは驚く。

 

「2機もッ!?しかもパイロット2人はウチの生徒…!!」

 

『先程、スカウトさせていただきました。勿論、本人達は了承済みです』

 

「ですが、2人はまだ素人…『それに関しての機能もあるんですよ』え…?」

 

「エイミー先生、彼を信じましょう。それに今は時間が惜しい」

 

「…………わかりました、発進シークエンスを開始します!!」

 

『私も彼女達に伝えてきますので』

 

エイミーが作業に入り一誠が通信を切った後、受け取った仕様書を読み始める。そして読み終えると…

 

「技術の進歩って……スゴいなぁ…」

 

ポツリとそう呟くのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋羅side

 

(ククク…!!予想以上の成果だ。先に()()()をしておいて良かったぜ…!!)

 

俺は助けに来てくれた箒達を見て、内心で笑っていた。何故俺が代表決定戦の話から今日までの間に各教室を回っていたのかというと、そこにいる同級生や先輩達にニコポを使っていたからだ。一応、1年3組で効果が無かったのが気になって、効かなくなる前に先に使う事にしたという理由もある。お陰で1年3組を除くIS学園の生徒ほぼ全員が俺のものとなった。

 

(これで一夏はクラス以外から邪魔者扱いされる!!それに、周りがやれば3組の中でも意識の変化が起きてのけ者にするはず!!そうなれば、後はもう一度ニコポを使って、真のハーレムを作ってやる!!)

 

それが集団心理というものだ。人間は周囲の状況に合わせる習性がある…周りがやっていれば、そのやり方に合わせようとするのだ。だったら、先に一夏を迫害するように仕向けておけば、連中だってそうなるはずだ!!

 

「皆、助けに来てくれたのか!!」

 

「大丈夫か、秋羅!?」

 

「ここは私達に任せて!!」

 

「アイツは私達が殺しておくから!!」

 

「いや、君達だけに任せて置くなんて出来ない!!俺も戦うよ!!」

 

心配してくれる皆に俺はそう言って雪片を構える。ここで格好つけておけば、彼女達はますます俺に惚れる。現に彼女達から黄色い歓声が俺に向かって飛んできた。

 

(さあ一夏…ここでお前を殺してやるよ!!)

 

「皆、行こう!!」

 

「「「「「「(はい/ええ/おう)ッ!!」」」」」」

 

心の中でそう叫び、来てくれた皆とこっちへ向かってくる一夏へ突撃していく。フォーメーションとしては近接3に射撃4だ。これならアイツの動きを封じつつ、攻めていける!!

 

そんな確信と共に、俺は一夏に斬り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏side

 

「ハハッ!!見ろよいちご、俺ってば人気者だぜ?」

 

『集めてるのは、人気じゃなくて殺気だけどね?』

 

「お、上手い。座布団10枚やろう」

 

『やった♪10枚集めたご褒美に、イチゴパフェ作って♪』

 

「いいぜ、とびっきりのを作ってやる」

 

『わーい♪それじゃ、そろそろちゃんと前見よっか?』

 

「だな」

 

いちごと他愛ない会話を終わらせると、目の前に来ていた秋羅の剣を回避する。相変わらず遅くて欠伸が出るぜ…

 

「ふあ…あ……、ん~これだけいれば、テストには充分か?」

 

「欠伸なんかしてる暇があるのか!!」

 

「あるんだな、これが……っと」

 

「「キャアッ!?」」

 

そんな余裕を見せてると左右から打鉄が来るが、ギリギリまで引き付けてから回避し、そのまま正面衝突させる。それで動きが止まったら、黒髪ポニテの女を秋羅へ向けて蹴り飛ばす。

 

「うおッ!?お前ッ!!女性を蹴るなんて、恥を知れッ!!」

 

「知ったことか。敵なら倒すだけだ」

 

そこに追撃をしようとするが、上から銃弾の雨が降ってきて阻止される。

 

チッ!!…射撃がやっぱ鬱陶しいな。突撃してくる近接もウゼェし…先に援護してる奴等を落とすか?

 

『待って、龍見さんから連絡きてるよ』

 

「龍見さんから?」

 

俺は戦闘に意識を向けながらも、龍見さんの通信に耳を貸す。

 

『2人とも、こっちでも事情は把握している。なので、今から増援を送る』

 

「増援?いたんですか?」

 

『ついさっき出来てな。ただ、もう少し準備に時間が欲しい。稼げるか?』

 

「いや、俺といちごならあれくらい『お前が無駄にエネルギーを消耗してなかったら、任せたんだがな?』…サーセン……任務了解、しばらく逃げに徹します」

 

『頼むぞ』

 

そこで通信が切れ、俺は時間を稼ぐ為に後ろに跳躍して秋羅達から距離を取る。

 

それじゃ、鬼ごっことしゃれこむか!!

 

「おいッ!!この期に及んで逃げる気か!?」

 

「だったら捕まえてみろ!!ホラホラ此方だぜ、鬼ども!!っと、女達は鬼嫁の方がいいか?貰い手が来てくれるといいな?この世界にいればだけど…」

 

((((((ブチィ!!))))))

 

俺の【お前らは一生独身宣言】に、女達の血管がキレる幻聴が聞こえた気がした。でも、あんな過激な女共と結婚したいとか俺は絶対に思わねぇ。

 

「貴方ねぇッ!?」

 

「ふざけないでよッ!!」

 

「おーおー、反応するって事は鬼嫁の自覚ありか?」

 

「「殺すッ!!」」

 

「待って!?陣形を…!!」

 

怒りで秋羅の陣形を無視して2人が俺へと突っ込んでくる。そして慌てる秋羅に笑いそうになるが、必死に堪えて横凪ぎに襲いくる打鉄の近接ブレードをイナバウアーで避け、ラファールのパイルバンカーの杭が飛び出してくる前に、右足を出して杭に乗ると同時に射出の勢いを利用して後ろへと一気に跳躍して、大きく距離を稼ぐ。

 

「なッ!?バンカーの勢いを利用して…!?」

 

「あばよ♪」

 

そのまま俺は奴等に背を向けて走り出す。その後ろから銃弾が襲ってくるが、弾道予測線で場所が解るから余裕で回避する。

 

「おーおー…しつこい女は嫌われるぞ?」

 

「黙れ!!男風情がッ!!」

 

「男のくせに生意気よ!!」

 

「それは聞き飽きたぞ…」

 

背後から来る弾丸を回避しながら、先程のワンちゃんと同じ様な事しか言わなくなった相手にため息が出る。

 

しかし、ただ逃げ回るのも面白くないな……だったら、アレやるか!!

 

そうと決めたら俺はアリーナの壁目掛けて走り出す。普通に考えれば、自爆(笑)としか思われないだろうが、俺は違う。右足を突き出して壁に当て()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

あ、言っておくけどISの機能は使ってないぞ?こんなもん足の握力で壁を掴み、腹筋やら背筋やらで身体をまっすぐ支えてやれば誰でも出来るからな?(注:出来ませんし、真似しないでください)

 

「さっきからちょこまかと…!!」

 

「おまけにおかしな動きばっかり…!!」

 

「いい加減に落ちろぉッ!!」

 

そうやっている間にアリーナを3周した時だった…黒髪ポニテが俺に向かってまっすぐ突っ込んできたので、壁から離れようとすると…

 

「やらせんッ!!」

 

―ガキィン!!―

 

「うあッ!?」

 

「ん?」

 

俺達が使っていないピットから一機のISが高速で飛び出してきて、黒髪ポニテを持ってた剣で斬りつけて後退させた。

 

その機体はよく見れば【緑雷】で、パイロットも見覚えのある顔だった。

 

「無事か、一夏?」

 

「……まさかお前がそれに乗って来るとはな……()()?」

 

そう、緑雷に乗っていたのは姫和だったのだ。

 

「仲間の危難に前に、鞘走りを抑えられなかったのでな……それに、私だけじゃないぞ?」

 

その時、姫和の言葉に合わせるかのように彼女が出てきたピットから、水色のISが飛び出してくる。

 

あれは【蒼雪】?こっちは誰が…まさか…

 

「お待たせしました、織斑君」

 

「やっぱり鹿角だったか…」

 

乗っていたのは、俺の予想通り鹿角だった。

 

「くそ…!!邪魔をするなッ!!」

 

「悪いが、それはこちらの台詞だ」

 

「貴女方こそ、彼らの勝負を邪魔してるじゃないですか?」

 

「違うッ!!私達は秋羅を倒そうとするソイツを成敗しているだけだッ!!」

 

「止めとけ…アイツ等に何を言っても無駄だ。自分達のやる事なす事全てが正しいと思ってんだからな」

 

「どうやら、そうらしい…」

 

「なら、やる事は1つですね」

 

説得は通用しないと説明すると、姫和は日本刀型近接ブレード【雷切丸】を手に持ち、鹿角は両手にマシンガン【風花】を持ち、構える。

 

「それじゃ、最高にイカれたパーティーの始まりだッ!!」

 

そう叫んで俺も剣を構える。2人にいちごのサポートがありゃ、負ける気がしねぇ!!

 

ただ、俺には懸念している事があり、いちごに相談した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、姫和達のISスーツ姿がエロくてまともに顔も見れないんだが、どうすりゃいい?」

 

『……………………………………一夏のバカ、変態、ムッツリドスケベ』

 

「カハッ!?」

 

結果、彼女からの罵倒をもらいました……泣いていい?




いかがでしたか?

なんか展開急ぎすぎた気が…

次回で第一回VS転生者を終わらせます。その後はたぶん設定集にする予定です。

では次回で、お会いしましょう
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