ある日、君に一目惚れした。   作:深き森のペンギン

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第14話 変わっていく日々

時は放課後、僕は燐子と二人で帰っていた。

 

「でも、最近毎日が刺激的だなぁ。」

 

「そうだね。優君。」

 

そう。最近、いつも通りの日々がどんどん変わっている。

ただそれは悪い意味ではなく、退屈な毎日がどんどん刺激的になっている、つまり楽しくなっていることだ。

 

「そういえば、いつも通りが変わり始めたのって、僕と燐子が話すようになってからじゃないか?」

 

「うん。私が悪い人につれていかれそうになったときに優君が助けてくれた時から、だよね?私嬉しかったんだよ。つれていかれそうになったときに、優君、助けて。ってずっと思ってたら優君が本当に助けてくれたから。」

 

そうだったのか。

初めて知った。てっきり両想いになったのはそのもう少し後だと思ってたから。

 

「そうだったのか?」

 

「うん。私、小学生の頃から優君が好きだったんだ。」

 

マジかよ。てっきり最近かと思ってたわ。

でも嬉しい。燐子がその時から僕の事が好きだったなんて。

 

「でも小学生の頃ってほぼ接点無くないか?」

 

「覚えてなかったんだ…小学校高学年の時に、PTAの集まりで親が学校にいて、家に誰も居なかったから、図書室でお母さんを待ってたんだけど、そこに優君も居たんだ。」

 

「そういえば、うちの母親PTAとかそういうの好きだからな~。よく図書室で待ってたわ。」

 

「その時に、前に座っていた優君が、あまりにも楽しそうに本を読んでるから、私はその時、その本面白いの?って訊いたの。すると優君がその本についてすごく面白そうに話してくれて、その時の優君の笑顔に一目惚れしたんだ。」

 

そうだったのか。そういえば小学校の時に図書室でそういうことを女の子に訊かれた気がする。

あの子が燐子だったのか。

 

「そういえば、訊かれたことが一回だけあった気がする。」

 

「じゃあ優君はいつ私の事が好きになったの?」

 

「ああ、その事か。それは中等部の入学式に、校門の前で写真を撮って貰ってると、視線を感じてな。その方を見ると、燐子がいて、目があったんだ。すると笑いかけてくれて、僕はその笑顔に一目惚れしたんだ。」

 

そう、その時からだ。僕が燐子を好きになったのは。

 

「そうだったんだ。無意識に優君の事、見ちゃってたのかな。私。」

 

「でも、僕達って結構似た者同士だよな。お互いに一目惚れした訳だし。」

 

「そうだね。」

 

こうして話していると、燐子の家に到着した。

 

「もう着いたみたいだな。燐子、また明日。」

 

「うん、優君。また明日。」

 

こうして、燐子を送っていった後に家に帰るのが新しい僕のいつも通りだ。

まだ時間も早いし、久しぶりに羽沢珈琲店のコーヒーが飲みたくなってきた。

隣なのですぐ行ける、そう思っていたら、結局行っていない、アレだ。

 

こうして僕は少し早足で自宅に帰った。

 

僕は家に着くと、すぐ部屋に行き着替えて隣の羽沢珈琲店に向かった。

 

隣といっても、今日は正面から行くため、一度通りにでなければならない。

正直、めんどくさい。

 

僕は羽沢珈琲店のドアを開ける。

カランカランっと言う音に心が癒される。

 

いらっしゃいませ~というつぐちゃんの声が聞こえた。

 

「え!優お兄ちゃん!久しぶりに来たね。今日はバイト無いの?」

 

「あ、優兄。久しぶり。」

 

今日は蘭も来てたのか。

そういえば蘭も久しぶりに会ったな。

 

「今日はバイトは休みだよ。あと蘭。久しぶり。」

 

「優兄、今大丈夫?もし大丈夫だったら勉強教えて欲しいんだけど。」

 

なんだ、その事か。僕は勉強が大の得意である。

中等部からずっと学年1位しか取ったことがない。

 

「ああ、全然大丈夫だけど。どこが分からないんだ?」

 

「この数学の問題、だけど。」

 

「ああ、それか。こうすれば、かなり簡単に解けるよ。」

 

「優兄、ありがと。」

 

こうして、コーヒーとケーキが来るまで蘭に勉強を教えていた。

 

「お待たせ~。コーヒーとケーキ、持ってきたよ。」

 

「ありがとう、つぐちゃん。」

 

僕はつぐちゃんが持ってきてくれたコーヒーとケーキを食べる事にした。

 

うん、やはりここのケーキはコーヒーに合う。

ここのコーヒーが僕は世界のどのコーヒーよりも好きだ。

 

こうして、僕の久々のおやつタイムを終えて、自宅に帰った。

 

自宅に着くと、母さんにまた店番を頼まれてしまった。

マジかよ。またあの主婦の群れか。

 

と思っていると、今日は沢山の女子高生だった。

うちの学校の生徒も結構いた。

 

同級生とは数人しか会わなかったが。

 

また女子高生の集団が現れた。

 

「あ、噂通りだった。桐島君じゃん。ここって桐島君の家がやってるの?」

 

高槻さんだった。

 

「そうだよ。」

 

「へぇ~。イケメン店員がいるって訊いたから来たけど、やっぱり桐島君だったんだ。」

 

「そんな噂あったの?」

 

「うん。あの桐島君。一つお願いがあって。」

 

お願い?何だろう。

 

「今度演劇部でやる劇に桐島君が出てくれないかなって。」

 

何で僕なんだ?適任がもっといるだろう。

 

「どうして僕なんだ?」

 

「今度の劇でロミオとジュリエットやるんだけど、ロミオ役が見つからなくて。」

 

「そうなのか。まあ、出演してあげるよ。」

 

引き受けることにした。

これまで劇とかでは木の役か村人B位しかしたことがなかったからだ。

一回位主役とかやってみたいじゃん?

 

こうして、僕の初めてのロミオが始まるのであった。

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