亀更新が可愛く思える、クロックアップで置き去りにされたような鈍足更新となりますが、それでも構わないと思っていただけたら幸いです。
追記 : 形式の統一をご指摘頂いたので、一部編集し直します。
追記2 : 文章の加筆修正をボチボチながら施行させていただきます。
とある世界―――そこでは、《深海棲艦》と呼ばれる謎の生命体が海の彼方より現れ、世界中のあらゆる海域へと侵攻・占領し、尋常ならざる脅威として怖れられていた。
この世界の日本の海域も例外ではなく、一時は海上自衛隊などが撃退しようと徹底抗戦した。
しかし‥‥深海棲艦の力は人類の想像を遥かに超える物であり、国際連合艦隊さえも呆気なく退けてしまい、日本のみならず、世界のあらゆる軍事戦力は完全敗北を喫してしまった。
だが、それで全てが終わった訳では無かった。
深海棲艦に唯一対抗出来る特殊戦闘システム・通称《艤装》。
そして、艤装に対する高い適正を持ち、深海棲艦と戦うことを定められた少女たち《艦娘》。
これらが実戦投入された事により、両者はほぼ互角といえるほどに戦力差を縮めた。
‥‥だが、艦娘たちの生活拠点にして前線基地である《鎮守府》には、艦娘を指揮するための提督を始めとした人員が圧倒的に不足していた。
主な理由として挙げられるのは、艦娘という存在を単なる兵器として見る風潮や男女差別。提督の候補者や志願者の少なさに加え、鎮守府内での暴力や無茶な進軍による大勢の艦娘の轟沈や、提督の資金着服や資材の横流しといった、ブラック鎮守府と呼ばれる存在の発覚と、それらによる提督業や艦隊その物に対するマイナスイメージの浸透であった。
さらに、邪な欲望を抱いた一部の人間による、艦娘に対する性的暴行や、そこから生じる提督と艦娘の軋轢といった、鎮守府の無法地帯化があとを絶たなかったのである。
そして今回、“彼”が新任の提督として着任することとなった《石ノ森鎮守府》も、そういった類の筆頭として知られる場所だった。
辞令が下り、本部にて説明を受けた際も、そこにまつわる黒い話を嫌というほど聞いてきた。
「此処が……石ノ森鎮守府」
艦娘と切っても切れない存在……《妖精さん》と呼ばれる、手のひらサイズの乗組員の案内で、男は敷地内へと入る。
「艦娘の指揮官……女性だけの部隊指揮と艦隊運営、俺に務まるだろうか」
男はその手に握りしめた、紹介状を改めて広げる。
差出人の欄には『香取』という、名前と思しき二文字。そして送り先……彼の名前に誤りが無いかを再度確認する。
『警視庁 公安部 一条 薫 様』
「…………」
不安げに顔をしかめる一条に対し、案内役の妖精は言葉が通じないなりに懸命に伝えようとする。
―――大丈夫!
目の前の妖精のアピール‥‥サムズアップに懐かしさを感じた一条は、自然と笑みがこぼれた。
「考えても埒が明かない。今はとにかく、初期艦と対面し、基地内の現状を把握することが優先だな」
「!」
一条の言葉に、妖精は嬉しそうに頷く。
手紙を懐に仕舞い、一条は空を見上げる。
白い雲がちらほらと流れ、青空が広がっている。
この広い世界の青空の下、あいつは今、何処を歩いているのだろうか。
この世界の今を知っているとしたら、きっとまた何処かで誰かを笑顔にしていることだろう。
ならば‥‥だからこそ、自分があいつの分まで力を尽くさねば。
あいつが、もう二度と戦う必要の無いように……。
プロローグ及びオープニングを書いてみました。
これから一歩を踏み出せるか破滅するだけか……
とりあえず、1・2話は書きあげられるように尽力致します!
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