着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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話を進めるにあたって、深海棲艦や鬼級・姫級のデータも確保しなきゃ………。

こういう時、ホントpixivなどの情報が助かります(^_^;)


リアルの私も、頑張って提督業を務めなきゃ……(;´Д`)


-追記-

一部、加筆修正致しましたm(_ _)m


9話 : 駆逐

揚陸強襲鬼の血液成分が、人間のそれに酷似している―――。

 

それは、これまでの深海棲艦に対する認識からは信じられない検索結果であり、組織内でも衝撃を与えた。

 

 

「人間、か………フム…人間なぁ……」

 

 

『第2の九郎ヶ岳遺跡』にて、惨殺された調査団の遺したビデオの映像を見て、そう呟いたのは、急遽設立された『第二次未確認生命体関連事件及び深海棲艦侵攻対策課』通称『警視庁鎮守府』の本部長に任命された、大本営元帥・山県茂正(やまがたしげまさ)

 

「しかし、そう断定出来た訳でもあるまい?」

 

山県の問いに、と夕張ははい、と頷く。

 

「体組織や血液成分が似ている、というだけで同じ人間だと判断することは出来ません。しかし……この映像から見ても、かつての未確認生命体と同様、人間に極めて近い存在である可能性は十分にあります」

「既に被害者は28名に及んでいる。さらに周囲の各県警からも、次々と情報が来ている。それも含めて、これまでの未確認生命体を、全員もう一度確認してくれ。では、始めてくれ」

 

 

山県の指示を受け、亀山はスライド写真を開示した。

 

 

「まず、《揚陸強襲鬼》。これは《未確認生命体第4号》と争って、死んだようです」

「第4号ねえ……」

 

懐疑的な言葉を漏らしたのは、柳井刑事。

 

「次に、こちらは《未確認生命体第2号》改め《未確認生命体第4号》の別形態とされる写真です」

「…っ………」

 

思わず声を出しそうになる吹雪だったが、長門の一睨みでギリギリ堪える。

 

「そして《港湾潜伏鬼》。これは4号と写っている画像ですが、報告ではそちらの艦娘・長門が討ち取ったそうです」

 

長門の名が出たことで、会議室内はオォ…と、どよめきだす。

 

しかし、山県の咳払いがこれを静める。

 

「続けてくれ」

「はっ、はい!では次に……」

 

次に出した画像は、画質が少々荒く、姿が不鮮明なものだった。

 

「次の画像は、非常に不鮮明ですが……これは岐阜県警から送られた、防犯カメラの捉えた謎の影」

 

薄茶の表面で細身である以外の特徴が分からず、詳細な報告は出来なかったとの事だった。

 

「これは、神奈川県警から送られた異形の画像です」

 

次に挙げられた画像は幾らかクリアに写っており、簡素な装飾品の他に、羽毛の織物らしきものを身に着けている様だった。

 

 

「報告は以上になります」

「ふむ………。ビデオの中のモノを、便宜上《()(ろう)()(だけ)(せい)()》と呼ぶとして……残る2件を認めるとすれば、だ。新たに出現した未確認生命体は、計5体存在することになる。無論、第4号についても《未確認生命体関連事件》の個体と同一であるとは限らぬ以上、楽観視は出来ん」

 

画像を消し、会議は結論に移る。

 

「関東管区検察局からの通達を伝える!未確認生命体及び、深海棲艦についての報道管制は、尚継続!」

 

「極力、秘密裏に各生命体の捜査にあたり、発見次第、射殺せよ!!」

 

 

山県の言に、長門や吹雪はビクッと反応する。

 

 

今、元帥は何と言った?

 

第4号を発見次第、射殺しろだと?

 

 

吹雪たちは茫然となり、山県元帥の指示が頭に入らない。

 

同時に第4号(クウガ)―――雄介の笑顔がフラッシュバックした。

 

 

「……私からは以上だ。諸君の健闘を、切に祈る!!」

 

「…や、山が」

「本部長!!いえ……山県元帥!!」

 

長門が言うより先に、声をあげたのはやはりこの男だった。

 

 

「なんだ?一条()()

 

 

 

《少佐》―――それが、《石ノ森鎮守府の提督》としての一条 薫の階級だった。

 

「第4号は対象から除外すべきです!!」

「何故だ?」

「私を……そして、此処に居る長門と吹雪を危機から救ってくれました!」

 

 

その発言に、一同が騒然となる。

 

「明らかにそうだと言えるのか?」

「はい!言えます!!」

 

山県の問いに対し、長門も毅然と応える。

 

 

「こら!!元帥の許可無く、艦娘が意見を……!」

「黙れ!!貴様には聞いておらん!」

 

長門の発言に対し、一人の提督が声を荒げるも、山県はこれを厳しく制する。

 

「吹雪……君はどうだ?」

 

「え?…あ、はっはい!!長門さんと同意見でありましゅっ!!」

 

予期せぬ問いかけに、噛んでしまう吹雪。

 

 

「では……それを証明出来るのか?」

「え……」

「っ………」

 

その一言に、三人は黙り込む。

 

「……それは………」

 

 

失念していた……

 

《未確認生命体関連事件》終結から、はや18年。

 

人員はだいぶ変わっており、当時対策班の本部長を務めた松倉貞雄警備部長も退職している。

 

つまり

 

第4号=五代雄介という事実を知る人間は、少なくともこの鎮守府内には……居ない。

 

信頼関係に限らず、提督として着任してからの実績といった、何もかもが足りない……

 

一条は、その現実を突き付けられ、悔しげに拳を握りしめるしかなかった。

 

 

会議の終了後、一条はスマホに登録している電話番号をかける。

 

すると

 

『ナマステ〜♪大変申し訳ありませんが、オリエンタルな味と香りの店☆ポレポレは、本日お休みです♪またの機会にお問い合わせ下さい♪それでは、サイナラ!サイナラ、サイナラ〜!』

 

「…………」

 

我ながら、何とも間が悪いなと思いつつ、一条はもう一人の知り合いに電話をかける。

 

 

幸い、こちらは出てくれたらしく。

 

「もしもし……一条です、ご無沙汰してます。五代くんに会ったら伝えて下さい」

 

「もう、石ノ森には絶対に来るな…と」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方。

 

雄介は園児たちが昼寝の時間になったのを利用して、みのりと鹿島にこれまでの事を大まかに説明した。

 

 

「そっか……また、大変なことになっちゃったね」

「ん……まあな」

 

みのりの言葉に相槌を打ちながら応える雄介。

 

「でも、まだ色々ありそうなんだよね」

「そう、ですか………」

 

みのりの友人であり、同時に自分の友人でもある鹿島にも、雄介は申し訳なさそうに話す。

 

 

 

「でもお兄ちゃんが決めたことなら、間違いはないよ!」

 

初めてクウガのことを話した時と変わらず、みのりは雄介の背中を押す言葉を贈る。

 

「……そっか」

 

 

そんな二人に、鹿島も微笑んだ。

 

「私にも、出来ることがあれば仰ってくださいね?これでも、私も艦娘なんですから!」

「……うん、ありがと」

 

「あ。でも、下着だけは毎日替えなよ?お兄ちゃん」

「あっ……うん、分かった」

 

まるで冒険への出発前みたいな会話を交わし、雄介は保育園をあとにする。

 

勿論、笑顔とサムズアップを忘れずに。

 

そんな雄介に、みのりと鹿島も笑顔でサムズアップを返し、見送ったのだった。

 

 

「………」

 

ほんの少し、不安を隠して。




さあ、一条さんサイドもいよいよ動きだしますよ?


次回、雄介や一条さんたちはどうなる!?

本作の人気投票その1

  • 五代雄介
  • 一条 薫
  • 吹雪
  • 長門
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