着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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「着任先の新提督が色々とマトモじゃない。」前回の3つの出来事!


1つ!鴻上鎮守府と石ノ森鎮守府の両提督が出会い、演習の打ち合わせをした!

2つ!鴻上鎮守府に所属する艦娘、龍驤と愛宕に出会った!

そして3つ!愛宕は昔、石ノ森に所属していた!


89話 : 再会と誘惑と刻まれた恐怖

「愛宕さんが…石ノ森の艦娘だった……?」

 

 

龍驤の口から明かされた、思いもよらぬ愛宕の前歴に対し、映司は驚きを隠せない。

 

 

当然、石ノ森の現提督である一条も驚いていた。

 

 

何故なら、着任早々、五代雄介らと共に行った鎮守府内の大掃除の時や先日発生した不可能犯罪の調査と併行して、本来保管されている筈の在籍艦の名簿や、資材の在庫ファイルといった資料を捜したのだが全く残されておらず、警視庁鎮守府の各資料いずれとも比較出来ぬまま断念していたからだ。

 

 

(長門さん……これはどういう事なんですか?)

 

 

小声で尋ねる吹雪に、長門は一条に気付かれないように答えた。

 

 

(恐らく……塩川か、その前に提督として居座っていた連中の仕業だろうな。資材の横流しや資金の私物化は、一条提督やお前が着任する前の石ノ森では当たり前の様にあったからな)

 

(そ、そんな………!?)

 

 

 

掃除前に見た執務室の酷い有様だけでなく、資材管理の面でも荒れていた事実に、吹雪はショックを受けた。

 

 

 

―――と、その時。

 

執務室の扉を誰かがノックした。

 

 

「!」

 

「あっ…はい、どうぞー?」

 

 

映司が促すと、一人の警官が入室した。

 

 

「本日、石ノ森鎮守府と鴻上鎮守府による合同演習の安全管理及び警備を担当することになりました。警視庁鎮守府警備隊1番隊長、後藤です。どうぞ、よろしくお願い致します」

 

 

 

「後藤!」

 

「後藤さん!!」

 

思わぬ来訪者を前に、一条、映司の順に驚きの声が上がる。

特に映司は笑顔で駆け寄りながら出迎えた。

 

「うわぁぁ、久しぶりだなぁ!ひょっとして、後藤さんも提督になったんですか!?」

 

 

「そうじゃない。俺は警視庁鎮守府の職員として、今回の演習を警護する任務を担当することになったんだ。と言うのも…演習の様子を取材させろと、ネットニュースの記者たちがうるさくてな……」

 

 

映司と一条らが視線を移すと、そこに青葉と真司の姿が。

 

 

「どうも!記者魂を唸らせて、青葉が参上しました!」

 

「その先輩記者の、城戸でぇ〜す……」

 

 

すっかり青葉に出番を取られてしまい、真司は若干落ち込み気味。

 

 

「青葉……?ひょっとして、青葉ちん!?」

 

そこへ、青葉の顔を見た龍驤が驚きの様子で近寄ってきた。

 

 

すると、青葉も龍驤を見てビックリ。

 

 

「りゅ、龍驤さん!?ホントに龍驤さんなんですねっ!?」

 

 

二人の反応に、真司も映司も理解が追いつかない。

 

 

「あ、えっと……青葉ちゃん?その娘はひょっとして………赤塚時代の元同僚?」

 

「はい!私の大切な……大切な仲間です!!」

 

 

「間違いない……!赤塚の名前がすぐに出るなら、やっぱりウチが知っとる青葉ちんや!!」

 

 

しっかりと抱き合い、再会を喜び合う青葉と龍驤を見て、後藤は映司にそっと一言呟いた。

 

 

「火野」

 

「はい?」

 

「お前に限って、そんな事は起きないと思うからこそ言うんだが………艦娘たちを泣かせるなよ?里中も香取も言っていたが……お前は特に」

 

 

後藤の忠告に、映司はそっと微笑み。

 

 

「―――ありがとうございます、後藤さん。でも…今の俺は提督だから。どんな無茶をしてでも、みんなの為に手を伸ばしたいんです」

 

 

映司の一言を聞いていた一条は、確信を抱いた。

 

鴻上鎮守府は、素晴らしい提督を迎えたのだと。

 

 

 

 

鴻上鎮守府 入渠室 01:42 a.m.

 

 

シャワーを浴びながら、愛宕は鏡に映る自身の裸体を見つめる。

 

 

「………」

 

 

 

愛宕は、はっきり言って自分の事が嫌いだった。

 

 

艦娘として生を受け、鎮守府に迎えられてから、一度も「良かった」と思える出来事を経験した事が無かった。

 

 

 

 

これまでに経験した事は、たった二つ。

 

艦娘(じぶん)が人外の力を持つために、人として見られていないという風潮。

 

 

そして……

 

男好きのする体付きのために、多くの男から酷い辱めを受け、この身を汚される恐怖であった。

 

 

卑猥な視線を向けられるぐらいなら、どうという事は無い。気にし過ぎないよう振る舞えば済むことだから。

 

 

だが、油断しているところで実力行使に出られるとそうもいかない。

 

 

火力や馬力、耐久面に秀でた重巡洋艦は腕っぷしが強い者が多く、愛宕も例外ではない。

 

だが、愛宕はその優しさ故に力を十分に引き出せない時があった。

それが人間相手であれば、尚更リミッターが働いて、抵抗出来ないまま下品な欲望の捌け口として汚される…この繰り返しだった。

 

 

 

(今度の提督は、まだ手を出して来ない…けど……)

 

無害そうな印象の映司が、いつ我慢の限界を迎えるか……

 

愛宕は近頃そればかり考えてしまい、なかなか任務に集中出来ずに居る。

 

 

「……まぁ、来たらその時……よね」

 

他の誰かが手を出されるくらいなら、また自分がこの身を差し出せば良い―――。

 

この心を偽ってでも、『提督の玩具』として接すれば、他のみんなに危険は及ばない………。

 

 

気付けば、愛宕は欲深い人間の『玩具』として振る舞っていたのである。

 

 

 

 

『―――良い。自身の守りたいもののために身を捧げる………。その欲望、実に気高く美しい』

 

 

「!!?」

 

穏やかな、紳士然とした声に思わず振り返ると

 

 

そこには、見たことの無い異形の影が。

 

 

『その美しい欲望……、私の為に開放するがいい……』

 

 

1枚の銀貨・虚魔銭を取り出すと、愛宕の胸の谷間に現れたコイン投入口へと投げ入れる。

 

 

すると、愛宕の体から白い包帯まみれのミイラの様な怪人が現れた。

 

 

 

「キャアァーッ!!!」

 

 

不気味な展開に、愛宕は悲鳴を上げた―――。




スミマセン……

演習編と言いながら、また中途半端に途切れさせちまいました(-_-;)


だが私はあや(((殴



次回もお楽しみに!

人気投票その8

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