オーズが山風、愛宕と合流し、ラミアモアーズとの決戦に臨もうとしていた同じ頃。
クルイを相手に戦っていたバース、龍騎&青葉のペア、そして石ノ森と鴻上の連合艦隊も決着をつけようとしていた。
『自らの欲に潰れるがいい!!』
腰を低く落とし、サーベルを構えたクルイ。
同じく、長門や吹雪、五月雨たちも主砲を構える。
「欲に溺れるのは……貴様の方だ!!」
その時、バースの声が上空から響く。
『!?なっ……なんだと!?』
バースは飛行ユニット・カッターウィングを装備して、空からの奇襲をかけてきたのだ。
しかも右手にドリルアーム、左手にショベルアームを装備しており、攻めに一切の妥協も容赦も無い。
そんなバースの怒涛の攻めを見て、長門は一言呟いた。
「後藤殿の戦い方……あれは、吹雪や足柄より酷いな……」
「えっ?長門さん、それって私の戦い方もあれぐらい酷いってことですか!?」
「うん。正直なところ…な」
吹雪自身は、ただ必死なだけのつもりでいたため、この評価は地味にショックだった。
「………」
そんな中、アンクは静かに戦いを見つめていた。
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「ハッ!」
鴻上ファウンデーション製のオーズ専用剣・メダジャリバーを手に、オーズは愛宕と山風の援護を受けて、巨大なラミアモアーズと戦っていた。
「お願いだから……沈んで……!」
先程までの雰囲気からは想像もつかない、物騒な事を呟きながら砲撃する山風。
「高雄型重巡洋艦の力、甘く見ないでね!」
続いて、愛宕がラミアモアーズに向けて砲弾を放つ。
「絶対に掴むぞ、俺たちの明日を!!」
揺るぎ無い決意を再確認し、オーズは力強く叫んだ。
一方、連合艦隊サイド。
戦局の変化……それは、実に唐突で呆気ないものだった。
『ええい…あの役立たずめ!たかがオーズとカイリ2匹に、何を手こずっている!!』
先程までの貴公子のような余裕は何処へやら。ラミアモアーズの劣勢に、クルイは苛立ちを露わにする。
その一瞬が、全てを決した。
「今だ!!一気にカタを付けろッ!!!」
アンクの掛け声を合図に、艦隊もライダーたちも一斉に攻めにかかった。
《FINAL VENT》
龍騎が跳躍し、加賀を始めとした空母艦娘たちの放った艦載機がそれに追従。
ドラゴンライダーキックと共に、艦載機の爆撃がクルイに襲いかかる。
『グゥッ!!』
「北上!大井!」
一条の号令により、北上と大井の二人は魚雷の代わりに用意したミサイルランチャーを発射した。
ちなみに、提供者は鴻上からの指示を受けてきた里中である。
『な、なんだとぉっ!!?』
さらに、阿武隈と雷が連装砲を発砲。
クルイに逃げる隙を与えない。
「深海棲艦じゃなくても、負けないんだからっ!!」
「駆逐艦だからってナメないでね?」
『こっ…この、人形どもぉおおおっ!!!』
怒り心頭といった様子で、クルイは掌に炎の力を溜めていく。
しかし
ここでクルイは、一つの疑問が浮かんだ。
あれだけの攻撃をしたというのに、この場に居る艦娘の数が合わない。
五月雨とアンク、そして吹雪の姿が消えているのだ。
(まっ……まさか………!!?)
「すみませんが……!」
「貴方の負けですッ!!」
バースに抱えられた吹雪と、右腕
『ク…クッソオオオオオォォォオオッ!!!!!』
怒りを剥き出しにした叫びをあげながら、クルイはセルバーストのダブル放射を受けた。
「!!」
不完全体であろう筈の、クルイの体は完全に撃破されず。
それでも、大量の虚魔銭と共に、コアメダルと思しき魔銭・降魔銭が3枚ほどクルイの体から飛び出した瞬間をアンクは見逃さなかった。
慣れた様子で右腕を切り離し、飛ばすと3枚の降魔銭全てを見事に回収。
それに気付いたクルイは、さらなる怒りを見せた。
『オリジナル!!キサマ、私のコアをぉ!!!』
それに反して、アンクは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「コイツは儲けたなあ!!」
『おのれぇ……おのれおのれ、オノレぇええッ!!!』
狂ったように叫ぶ中、クルイの外装は剥がれ落ち、頭部以外の肉体が屑ヤミーの様に弱体化した。
『これで勝ったと思うなよ……!次に会ったときは、キサマのコアごと奪い返してくれるッ!!』
捨て台詞を残し、クルイはモアーズを見捨てて撤退した。
「司令官!追わなくていいんですか!?」
「いや……あそこまで激昂した奴は、何をしでかすか判らない。あちらから撤退したのであれば、深追いするのは返って危険だ」
吹雪の意見に対し、一条は深追いするなと指示。
「あとは……」
そう呟きながら、五月雨はラミアモアーズの見える先を見つめた。
「提督!あっちは片付いたみたいよ?」
「オッケー!それじゃ、こっちもそろそろ決めないとだね!」
愛宕からの報告を受け、オーズは左腰のメダルケースからセルメダルを3枚取り出すと、メダジャリバーのスロットに1枚ずつ投入していく。
「山風!少し下がって!!」
「分かった…!」
ラミアモアーズに威嚇射撃をしながら、山風が安全圏まで後退したのを確認して、オーズはメダジャリバーのスロットに備わったレバーを倒し、刀身のスロットにメダルを流し込んだ。
『オオオオッ!!!』
ラミアモアーズが迫り来る中、敢えて懐に飛び込む形でライドベンダーを走らせることでメダジャリバーをラミアモアーズの腹に突き立て、斬り裂いていく。
切り口からは、血飛沫の様にジャラジャラと大量のセルメダルや虛魔銭が溢れ出す。
ラミアモアーズの背後に回り込むと、振り向いてくるのを逆手に取ってUターン。再び、愛宕と山風の前に来ると、オースキャナーでメダジャリバーの刀身を撫でるようにセルメダルをスキャニング!
【トリプル・スキャニングチャージ!!!】
メダジャリバーの刀身が光り、オーズは狙いを外さぬようにモアーズを見据えた。
そして、ラミアモアーズが迫ろうとした瞬間―――!
「セイヤアアァァァッ!!!」
メダジャリバーを真一文字に振り抜き、必殺の斬撃『オーズバッシュ』をきめた!!
『ガッ!?』
「………えっ?」
「へ……!?」
その光景は、愛宕と山風は勿論。
遠くから見ていた吹雪たちをも驚愕させた。
オーズよりも遥かに巨大なラミアモアーズを、空間ごと切り裂いていたのだから。
しかし、空間断絶はすぐさま修正され。
切り裂かれたのはラミアモアーズだけとなる。
直後……ラミアモアーズは大爆発し、大量のセルメダルや虛魔銭の雨を降らせるのだった。
「ふぅ……」
数百……いや、数万枚はあろうメダルの雨の中、山風と愛宕は変身を解いた映司を見つめていた。
「提督……」
「…………」
やがて、山風は映司に駆け寄ると抱き付き、小さく震えながら泣き出した。
「……た……」
「ん?」
泣きながら、何かを伝えようとする山風に、映司は頭を撫でながら尋ねる。
「怖かった……パパ…怖かったよぉ……」
「……うん。がんばったね、山風」
そんな二人を見て、愛宕も寄り添うように二人を抱きしめた。
「本当に……山風ちゃんも映ちゃんも、お疲れ様」
二人に気付かれないように、愛宕も静かに涙を流した。
あんなに嫌っていた男性に対し、安心感と愛しさを抱くときが来るなんて……
いや、そんな事はもうどうでも良い。
自分の全てを預けられる、信頼出来る提督がやっと現れてくれた。
その喜びに、今は身を預けよう。
もしかしたら、この
愛宕は、映司に対する胸の高鳴りに特別なものを感じた。
「………ん?山風、さっき俺のこと……」
「なに……パパ?」
「パ…パパっ!?」
「何だ何だ?どうしたんだよ、映司?」
変身を解いた真司や後藤たちが、映司らの下に集まってくる。
「あたごん、何かあったんか?」
「ウフフ…あのね?」
「ちょ!?愛宕さん、ちょっと待って〜!!」
「おやおや?青葉、気になります!」
「だからぁ〜…!!」
真司や青葉、そして他の艦娘たちにワチャワチャ絡まれ、からかわれる映司を一条や加賀、アンクが眺める。
「君は行かなくて良いのか?加賀くん」
「ええ。眺めるだけで充分です」
一条の問いかけに、そう返した加賀の表情は穏やかな笑みを浮かべていた。
「オイ!お前ら、じゃれ合うのはそれぐらいにして、さっさとメダルを集めろ!」
そんな和やかな空気を、アンクの一言が台無しにした。
「アンコぉ〜〜〜?せっかくのムードを台無しにすんじゃねえっつうの!!」
「いででででっ!!隼鷹、何しやがる!?」
そんな掛け合いから、また賑やかな笑い声があがり。
大量に散らばったセルメダルや虛魔銭を回収して、その日は解散となった。
―――戦果報告
《石ノ森・鴻上連合艦隊》
《一条艦隊》
駆逐艦 吹雪(旗艦)……中破
(以下、随伴艦)
戦艦 長門…小破
駆逐艦 雷…中破
重雷装巡洋艦 北上…小破
重雷装巡洋艦 大井…損傷、軽微
正規空母 加賀…小破
《火野艦隊》
駆逐艦 五月雨(旗艦)…損傷、軽微
(随伴艦)
軽空母 隼鷹…小破
軽巡洋艦 阿武隈…中破
軽空母 龍驤…中破
重巡洋艦 愛宕…小破
駆逐艦 山風…中破
揚陸侵艦とも異なる脅威《アバリシア》の1体・クルイとそれが使役する怪物《モアーズ》と交戦。
《仮面ライダー》と呼称される仮面の戦士3名の獅子奮迅の活躍により、大破者及び轟沈者を一人も出すこと無く撃退に成功。
判定……《勝利》!!
久々に長くなりました(^_^;)
かなり書き込みましたぁ(^_^;)
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山風