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100話 : 家族
品川区内 01:21 a.m.
とある運送会社の社長が、仕事を終えて会社の倉庫へ戻ってきた。
「ふぅ……。次は朝イチでの納入だな」
トラックから降り、仕事の内容を再確認するが、一つの倉庫のシャッターが微かに開いているのを見つける。
初めは単なる閉め忘れかと思いながら、もし中に誰か居るならと、懐中電灯を持って中へ。
「イラッシャイマセ」
「……?誰か居るのか?」
問いかけるも、返事は無い。それどころか、何やら不気味な物音が聞こえてきた。
恐る恐る、奥を見てみると……
鎖で首を括って吊り下げていたり、ナイフやらを打ち付けたマネキンが飾られており、見るからに普通ではない雰囲気の集団が集まっていた。
「ひっ!?」
あまりの光景に悲鳴をあげてしまい、懐中電灯を落とした音と相まって、その集団―――桜のタトゥの女たちに気付かれてしまう。
集団の一人……黒いフードパーカーを着た少女がニタリと笑い、社長に歩み寄る。
「あ…ああっ!!うわあああぁぁぁあああああっ!!!!」
社長が最期に見た光景……それは、人の様な姿をした者が、人ならざるモノに変わる瞬間だった………。
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文京区内 ポレポレ 08:43 a.m.
この日、艦隊の勤務が非番だった大井は、人気メニュー『ポレポレカレー』の仕込をしていた。
「………。うん!マスターさーん、お味見て下さる?」
「ん、どれどれ?」
大井に呼ばれた玉三郎は、味見皿に取ったカレーをキュッとすすり、吟味する。
「……うん!
「おやっさん、それってまんまじゃ〜ん」
「だってカリ〜んだもん」
「だからさ……って、もう良いや。ハハ」
テーブルを拭いていた北上からツッコミを入れられながら、今日もポレポレは和やかな空気に包まれる。
「オハヨー、おやっさん。北上ちゃんと大井ちゃんもオハヨ」
「おう、やっと起きたな雄介。今、大井っちがカレーの仕込やってくれたぞ?」
「あっ、そうなの?ゴメンね大井ちゃん、ありがとう!」
本来、カレーを仕込む作業を頼まれていたのは雄介であった。しかし、昨日はタイミングの悪いことに揚陸侵艦出現の報せを一条から受けて、急遽出動。
同時に、海軍支援用に設置された製油所周辺に現れた深海棲艦を迎え撃つべく海洋に出たりといつも以上に走り回ったため、ヘトヘトになってしまい、帰ってきてそのまま眠り込んでしまっていたのだった。
勿論、雄介が仕事を出来なかった理由は、此処に居る全員が解っているので、文句や不満を言う者は居ない。
そこへ、みのりと鹿島が来店した。
「おはようございまーす」
「マスター、みなさん。おはようございます」
「あっ、オハヨ!」
「おはよう、みのりっちに鹿島っち」
「もぉ〜、まだその呼び方するの?」
「良いじゃない、高級ブランドみたいで!」
「私のことを
「まぁ…そんなトコ、かな?へへ」
玉三郎とみのり、そして鹿島の会話に、一同は笑いに包まれる。
「あれ?そーいやみのりさん、今日は保育園休みなの?」
北上が尋ねると、みのりは頷く。
「うん。今日が土曜日でちょうど良かった」
「ホント良かったよ!みのり、鹿島!ちょっと店の手伝いよろしくな?」
「えっ?」
「ちょっと、雄介さん?」
「俺、ちょっと桜子さんと大淀さんの所行ってくるから!また石板の古代文字、解読出来てるかも気になるし!じゃ、頼むな?」
サムズアップ。
雄介は意気揚々と出かけていった。
「……お兄ちゃん、また忘れてるんじゃないのかなあ……自分の誕生日」
寂しげに呟くみのりの一言で、玉三郎はハッとなる。
「誕生日?……あっ!?そうか、今日か!」
カレンダーを見て、大井の目の色が変わる。
「マスターさん!!五代さんの好きなカレーのトッピングを教えて下さいっ!!」
「……なんでも食べるよ?アイツ」
明らかに様子のおかしい大井を見て、キョトンとするみのりと鹿島。
その訳を把握している北上は一言。
「雪風……ある意味ライバルの登場かもよ〜」
そう呟きながら、玉三郎の淹れたコーヒーを一口飲むのであった。
「……あちっ…」
クウガ、相当ぶりの新章突入てす!!
今回はどんな物語が繰り広げられるのかっ!?
人気投票その9
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