着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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再就職先への初出勤、そしてバタバタなスケジュールの中での先輩方からの懇切丁寧な指導の下、心身共にヘトヘトな夏夜月ですが、こちらでの活動は辞めるつもりはありません!

ありませんよっ!!( ゚д゚ ;)クワッ!!


106話 : 天龍

台東区 第二犯行現場 12:41 p.m.

 

 

通報を受け、一条たち揚陸侵艦対策班は現場検証に来ていた。

 

「しっかし……これまでと比較にならないくらい、エグい()り方をしやがるぜ。上半身丸ごと()し潰して、下半身だけはほぼキレイに残してるとかよ……」

 

 

深い紫色の髪に金色の瞳、そして左眼の眼帯と腰の刀が特徴的な艦娘《天龍》が、現場に残された血痕を眺めながら呟く。

 

「まったくだ。反対側で見つかった遺体は、まるで23号にやられた被害者みたいに、無数の咬み傷があったそうだ……」

 

天龍と同意見である杉田は、圧殺された二人の少年と別に襲われた釣り人の遺体の状態を苦々しい様子で報告した。

 

「咬み傷?じゃあ、今回は複数犯ってことかよ?杉田の旦那」

「現時点では、答えようが無い。なにせ、情報その物が少なすぎるからな……すまない」

 

 

一条率いる石ノ森鎮守府在籍の軽巡洋艦の中で、好戦的かつ仕事熱心な天龍に、杉田は「気を張りすぎるなよ?」と肩を叩いて労った。

 

 

そこへ

 

 

「一条さん!」

「提督!みなさんも、お勤めご苦労さまです!」

 

「夕張…それに、榎田くん?」

 

 

なんと、夕張と冴が現場にやって来た。

 

「さっき、そこの辺りで合流したもので」

「それは良いんだが……榎田くん、今日は非番だった筈じゃ?」

 

一条が尋ねると、冴は苦笑いをしつつ

 

「最初は、母が行こうとしたんですけどね。ちょっとは娘孝行しろ!って、押し退けてきました」

 

 

にししっと笑う冴を見て、一条は思った。

 

ああ、やはり親子だなぁ……と。

 

「……それより。これはどういう状況ですかね?」

 

夕張が話を振ると、一条は気持ちを切り替えて仕事に徹する。

 

「被害者の外傷が二通りもある、これまでに例の無い殺人事件です。パターンが固定されていないので、相手がどういった能力の揚陸侵艦なのかも特定出来そうに……」

「司令官!」

 

説明の途中、何かを発見したらしい吹雪が呼びかけてきた。

 

「失礼。…どうした、吹雪!」

「これなんですけど……」

 

吹雪が拾い、見せたもの。

 

それは、何かの破片らしかった。

 

「どうしたの?吹雪ちゃん」

「ちょうど良かった。夕張、工廠に戻って明石さんとこれの分析を頼む」

 

破片をビニール袋に入れて、一条は夕張に預けた。

 

「了解しました」

 

敬礼し、夕張は冴と共に鎮守府へと戻った。

 

 

「ぐうぅ……、落ち着かねえなぁ……」

 

そんな細々とした作業の中、天龍は落ち着かなくなってきていた。

 

「天龍、急に落ち着きが無くなったね?」

 

長い銀髪とクールな表情が印象的な駆逐艦《響》が尋ねると、天龍は声を荒げそうになる寸前で堪えた。

 

 

「……ハァー。当たり前だろ?俺たち艦娘は、海の上で戦ってナンボだろぉが。こんなチマチマとした作業は基本合わねえし、そもそも畑違いなんだっつうの」

「でも……相手の目的や居場所が分からないし、敵がどんな能力を持ってるか分からない以上、迂闊に動くのは反って危険だよ」

 

表情こそ変わらないが、心配そうな響に対し、天龍はへっと笑った。

 

「だからこそ、向こうもこっちが手を出してこないだろうって高をくくっているんじゃねえか。その意表を突いて、一気に叩く!簡単なことじゃねえか」

 

「ついでだ。4号が出てきたら、そいつも始末してやるぜ……!」




久しく更新しました!

クウガ編、またも試行錯誤に陥っておりますが、頑張って参りますね(^_^)

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