着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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ワタシ、泣いてもいいですか!?


答えを聞く暇は無いですけどッ!!!(`;ω;´)


11話 : 桜花

石ノ森鎮守府にて、自身の危険が迫りつつあることを知る由も無かった一条は、長門と吹雪に頼んで、未確認生命体に関する情報を集めるための聞き込みを進めていた。

 

 

「それは警察、もしくは憲兵に依頼すれば宜しいのでは?」と長門は意見したが、一条は首を横に振った。

 

 

「これは俺個人の判断だ。だから、俺自身の足で動かないとダメなんだよ」

 

 

この時、吹雪は一条の変化に気付く。

 

 

(あれ?司令官……今「俺」って言った?)

 

 

 

石ノ森市内 04:10 p.m.

 

 

聞き込みが一段落し、吹雪たちと合流しようと考えていたその時、一条のスマホに着信が入る。

 

 

「はい。……なんだ、神通くんか」

 

 

『すみません、提督………どうしても、急ぎで伝えなきゃいけないことがあって……』

 

電話越しでもヒソヒソと、か細い声で話しかけてくる神通。

 

 

「悪いが、今すぐには戻れそうにないんだ。伝言なら吹雪くんか長門くんに……」

 

『いけません!吹雪ちゃんや長門さんが知ったら、鎮守府が内部崩壊を起こしてしまいます……!!』

 

 

「……何があったんだ?」

 

神通の狼狽えように、一条は首を傾げる。

 

 

「とにかく、話を聞こう。なるべく急いで戻る」

 

『だ、ダメです!こっちに戻ったら…』

 

 

神通の制止を遮るように通話を切り、一条は歩きだす。

 

 

と、通りがかった一人の女性とぶつかってしまう。

 

 

「おっと!失礼……」

 

「ギジャバ・ビゴギザ……」

 

 

色白の肌に銀色の髪。そして、それらが引き立つ漆黒のドレスと黒い長手袋と、薄桃色のファー付きジャケットに身を包み、額に桜のタトゥを持つ女性は、何かしらの言葉を呟く。

 

 

 

 

 

 

「……!失礼、少しお話を伺っても宜しいでしょうか?今、なんと仰いました……?」

 

「………」

 

一条の職務質問に対し、女性は何も答えない。

 

 

「…何とか言いたまえ!」

 

 

少し強めに詰め寄ると、女性は一条を裏拳混じりに突き倒す。

 

 

「がっ!?」

 

未だ傷の痛む脇腹を殴られたため、痛みに耐えながら、一条は体を起こす。

 

 

 

「……っ、待て!!」

 

 

人混みの間を、まるですり抜けるように走り抜けていく女を、一条は全力で追いかける。

 

 

「待てッ!!」

 

 

 

角に差しかかり、一条も向かう。

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

しかし、突如現れた桜吹雪に視界を遮られてしまう。

 

 

「…………桜……?」

 

花弁を一枚拾い上げ、不審げに呟くも、桜のタトゥの女の姿をすぐに見つけた。

 

 

「……っ…」

 

ひょっとしたら、未確認生命体か新種の深海棲艦かもしれない………

 

己の直感を頼りに、一条は尾行を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

吹雪たちとの待ち合わせを忘れてしまっていることに気付かずに。

 

 

「……あれ?司令官?」

 

「おかしいな……確かに、一度合流しようと言っていたのに」

 

「うぅ……待ち合わせ場所、間違えちゃったかなあ……」

 

「まぁ、待ってみるとしよう」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

吹雪たちを待たせていることを忘れ、一条は《警察官》として桜のタトゥの女を尾行。

 

 

その末、とある廃墟に辿り着いた。

 

「………?」

 

 

 

一方で、桜のタトゥの女は廃墟の中に入ると声をかけた。

 

 

「ビデド……ジギリ。ゼデ・ボギ」

 

 

「エッエッエッエッ……」

 

物陰から現れたのは、コートや日除け帽で身を包んだ、不気味な笑い声をあげる初老の男と、斑模様の上着を羽織った、長身長髪の冷たい眼をした若い男だった。

 

 

 

「…………!!」

 

その様子を、息を殺して観察する一条。

 

 

 

 

「ジャサセダ・ゴグジョビ・グムナド・ギブナグ・クウガ」

 

クウガに関することらしい何かを、桜のタトゥの女は二人に伝える。

 

 

「クウ、ガ……?」

 

そう聞き返すのは長髪の男。

 

「エッエッエ………。ラダゼダ・グバヅバ・ギギバラゲ・ロボザバ?」

 

女の話に、愉快そうに笑い声をあげる初老の男。

 

 

すると、女は二人に桜の花弁を手渡した。

 

 

「リンバ・ガヅラデ・デギス。ギベビ・トー・キョウ」

 

「トー、キヨ…?」

 

 

今度は、初老の男が女にものを尋ねる。

 

「リント・ゾログ・ゴゴブ・グルドボソザ」

 

 

 

 

この時、一条は女の言葉に反応した。

 

 

(東京……それに、『リント』!?)

 

 

「ザグ……ギスン・ジャバギバグ・カイリ?」

 

 

長髪の男が、聞き慣れない単語を口にする。

 

 

(カイ、リ………?)

 

 

 

文京区内 05:37 p.m.

 

 

一方。都内にあるトンネルでは、とある男女4人が道の真ん中に集い、手にしている桜の花弁を見せ合う。

 

 

一人は黒フード姿の少女。

 

一人は薄茶色の肩掛けを身に着けた男。

 

一人は左上腕部にカバのタトゥを持つ体格の良い男。

 

そして、残る一人はボブカットのヘアに華奢な体躯で、タンクトップにホットパンツ、両手にはブチ模様のアームカバー。右足はハイソックス、左足はニーソックスに運動靴という姿で、小柄な少女だった。

さらに、露出させた右太腿(ふともも)には猫の顔に似たタトゥをしていた。

 

 

 

と、そこに1台のチョッパーバイクが通りかかった。

 

 

「オイオイオイ、オ〜イ!オレ様たちの道で、なぁにタムロってんだヨァアンっ?!」

 

後部座席に乗っていた、ヤンキー染みた男が集団に食ってかかる。

 

 

「………」

 

しかし、集団は睨みつけるだけで、退く素振りを見せない。

 

それどころか、黒フードの少女はあからさまに嫌そうな顔をしている。

 

 

「ぁんだあ?そのツラはよぉ?文句あっかゴラァ!!………お?」

 

男が集団にガンを飛ばしていると、猫顔のタトゥをした少女に目が付いた。

 

「オメェ、けっこーカワイイ顔してんじゃん?ええ?」

 

 

無遠慮に近付き、屈むと少女の脚にベタベタ触り始める。

 

その様子を、男の連れであるバイカーもニヤニヤと下卑た笑みを浮かべる。

 

 

「タトゥなんてしちゃってえ♪キャワイイねえ♡どぉよ?今から俺ん家に来ねえ?向こうにいるダチも紹介してやっからさあ、今夜は3人でナカヨク……」

 

 

ナンパの台詞は、最後まで決まることは無かった。

 

 

少女による膝蹴りが男の顎を捉え、トンネルの天井に叩きつけたのだ。

 

降ってきた男は、顔が潰れた状態で死亡。連れのバイカーは背筋が凍り付くのを感じた。

 

 

「うわぁ!!ああぁぁあああッ!!!」

 

恐怖した男は逃げ出したが、少女の眼はしっかりと男を捉えていた。

 

 

「……フン」

 

少女の姿は、細身ながらもしなやかな肉体を持つ怪物へと変化。

 

その面立ちは、まるでチーターの様だった。

 

 

「ビガギパ・ギバギ」

 

そのまま駆け出し、バイカーを追っていった。

 

 

 

 

 

場面は再び、一条側。

 

 

桜のタトゥの女たちの会話の端々から、大体の狙いを推理。

 

 

(先手を打つとしたら……今しかない!)

 

 

もっと詳しい情報を得ようとした、その時。

 

 

 

ピリリリリッ!ピリリリリッ!

 

 

「!!!」

 

一条のスマホが着信を報せるべく、高らかにベルを鳴らす。

 

 

「!!」

 

その甲高い音に気付き、桜のタトゥの女たちは一斉に振り向く。

 

 

気付かれた一条は、かくなる上はと銃を構えようとした。

 

 

しかし、そこに長髪の男が駆け寄り、一条の腕を掴み上げ、さらに首を絞め始めた。

 

 

「ぐっ……ぅああ……!!?」

 

 

「ジギリ!ジョガ・ブバ!」

 

一条を絞め殺そうとする男に、初老の男は言葉をかける。

 

 

「ガギデビ・グスバ・ギラパ!」

 

桜のタトゥの女も男を(いさ)めるような言葉を話し、男もそれに従うかのように一条を離すと、女たちと共に去っていった。

 

 

 

「っ……ゲホ…カハッ……!なぜだ……っ……」

 

咳き込み、息を調えようとしたその時。再び着信が。

 

 

画面を見ると、それは吹雪からだった。

 

 

「ハァ…ハァ……なんだ……?」

 

『なんだ?じゃないですよ!!いくら待っても司令官は来ないし!!電話してもすぐ出てくれないしッ!!!』

 

 

「っ……すまない…少々、問題が発生してな………」

 

 

弁解しようとした時、吹雪から長門に替わった。

 

 

『提督、こちらでも緊急事態だ!巡回中の憲兵から通報があって、謎の影が中央通りを爆走しているそうだ!!』

 

 

その報告から、一条は最悪の展開を確信した。

 

 

先程の奴らは東京に集まりつつある……

 

かつての未確認たちと同様に。

 

そうなれば、アイツは……五代はまた奴らと戦うことになる。

 

 

しかも、警官隊や憲兵と現場で鉢合わせれば、再び射殺の対象として狙われてしまう。

 

 

それだけは、何としても避けなければ……!!

 

 

「長門…吹雪……!直ちに、鎮守府へ帰投しろ……!俺もすぐ戻る……!!」

 

 

ボロボロな体を叩き起こし、一条は走り出す。

 

 

 

これ以上、五代雄介を戦わせないために。




がんばれば、もうちょい書けたかもしれないんですけど……本作のオリジナル怪人たちのシーンを考えるのにHP(体力)とMP(時間)がゴリゴリ削られました(泣)


次回、いよいよクウガvs未確認vs警視庁鎮守府の憲兵&警官隊の混成部隊による三つ巴!!


クウガの新たな名シーンまで、もうちょっと待ってね?

本作の人気投票その1

  • 五代雄介
  • 一条 薫
  • 吹雪
  • 長門
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