長らくお待ちしていた皆様、大変申し訳ありません!!
一条からの報せを受け、浅草方面を移動していた五代雄介。
そんな彼のサポーター兼ナビゲーターとして同伴していた単ちゃんが、突如、仲間の妖精から通信を受け取った。
「っ!」
「どうした?」
単ちゃんの動揺ぶりから、只事ではないと肌で感じた雄介は、脇道へ入ると一時停車。話を聞くことにした。
しかし、その時。
一条から無線が入った。
「俺です!」
『五代!揚陸侵艦21号が東京湾沖に現れた!!』
「東京湾にっ!?」
まさか……そう思い、単ちゃんの方へ振り向くと、コクコクと必死に頷いたので、彼女が伝えようとしたことと同一であると確信。
「――それで、
『今、《天龍》を旗艦に水雷戦隊を編成して向かわせた!万が一という事もある……現地に急行して、出来る限りの援護を頼む!』
「分かりました!!」
雄介の力強い言葉に、単ちゃんはぱぁっと表情が明るくなる。
クウガの事を知ってから、単ちゃんにとって雄介は、親しみやすい人間の友達というだけでなく、自分を含めた妖精や艦娘を救ってくれるヒーローとしての憧れの存在となっていた。
そう思うようになった決め手は、石ノ森鎮守府を訪れたとき、外道の巣窟に成り果てていた執務室やボロボロだった各施設の掃除を雄介が提案し、進んで手伝ってくれたことだった。
本来、海軍の仕事に関わることのない筈の、彼の嘘偽りの無い優しさに、それまで張り詰めていた心が解きほぐされた気がした。
余談だが、その時を境に造花ちゃんは雄介に“恋”をしたというのだが、単ちゃんは何故かそれを素直に応援する気になれなかった。
「ゴメン!ちょっと急ぐから、しっかり掴まってて!」
雄介の言葉に頷き、単ちゃんは雄介のシャツの胸ポケットに潜って身を守る態勢になった。
ちゃんと掴まっているか、安全かを確認すると、雄介はドルフィンチェイサーのスロットルを全開にして、現場へと急行するのだった。
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東京湾沖 01:16 p.m.
作戦司令部から深海棲艦出現の報せを受け、天龍を旗艦に出撃した《石ノ森第一水雷戦隊》は、東京湾沖に現れた深海棲艦……ではなく、揚陸侵艦第21号と遭遇。
状況は―――最悪だった………。
「はぁ……はぁ……」
「フフ……。ガギションギ・ゲギパ・ゾグ・ギダ?」
《戦艦ル級》のような、人型の深海棲艦に似た風貌と艤装に加え、マンタの様な特徴を備えた未知の敵……それもたった1体を前に、天龍たちは手も足も出ない状態に陥っていた。
「各員…状況を報告しろ……」
天龍の呼びかけに、随伴艦娘のメンバーは応じた。
「暁よ……状態は大破、艤装の動力部が損傷して、これ以上の航行は不可能…だわ」
「響だよ……状態は中破だけど、艤装の損傷具合は暁と同等……だね」
「こちら電……暁ちゃん同様大破……弾薬が底を着いて、戦闘の継続が出来ないのです……」
「大潮……電ちゃんに同じく、テンションサゲサゲですぅー……」
「くっ……!」
撤退せざるを得ない状況にあることは、天龍自身も中破しているので理解はしている。
しかし……何故だ?
目の前のコイツ――揚陸侵艦から、逃げ切るヴィジョンがまったく浮かんでこないのは……
「フフフ……コ・ワ・イ?」
「!!?」
突然の挑発に、天龍は思わず顔を上げ、目を見開く。
―――今、奴は何と言った?
これまで、揚陸侵艦たちは何語かも分からぬ言語を発し、一方的にブツブツ呟いていた。
だが、コイツはハッキリと日本語を喋った。
「怖いか?」……と。
思考を停止してしまった、その一瞬が仇となった。
主砲を天龍の顔面に向け、揚陸侵艦はニヤリと笑った。
「ボセゼ・バギング・ズゴゴド・グシギ・ビンレ!」
砲撃が放たれる、その直前。
水面を突き抜ける、力強い轟音と共に1台の水上バイクが現れ、揚陸侵艦の横っ腹に体当たりを繰り出してきた。
「グォ!?」
完全な不意打ちだったため、避けることも防ぐことも出来ず、勢いよく陸地へと吹き飛ばされた。
「……な…今度は何だっ!?」
「あれは……!」
混乱している所から、さらに不測の事態が発生した為、天龍は訳が分からない。
その一方で、電は現れたマシンとその乗り手の背中を見て確信する。
“彼”が来てくれた――と。
「ビガラ……!」
駆けつけた男――五代雄介は、懐に忍ばせていたから妖精さん・単ちゃんを天龍たちの下へ向かわせると、ドルフィンチェイサーから陸地へ飛び移り。
両手を腹部にかざし、超古代のベルト・アークルを呼び覚ました。
そこから続く動作…そして“変身”を、天龍たちは目撃した。
「変 身 ッ!!」
ベルト中央部の霊石・アマダムから発せられる赤い輝き、そして未確認生命体第4号――《戦士》クウガの変身を。
何やら、もうメチャクチャになってきちゃいましたね(^_^;)
リアルが忙しい中、執筆をなさる先輩方の気力体力・時間確保の能力の高さにひたすら脱帽ですm(_ _;)m
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