それは、守りたいものへの想い故か。
それとも……
己が己であることの、生きていることの証を示す為か……
クウガ、そして天龍たち石ノ森水雷戦隊が揚陸侵艦《メ・ベギマ・ギ》と交戦していた頃。
わかば保育園にて、鹿島は園児の少女と一緒に『桃太郎』を読んでいた。
「門が開くと、桃太郎たちは一気に中へと飛び込みました。『なんだなんだ!?』『助けてー!』鬼たちは慌てました。犬は、噛みつきます。猿は、引っかきます。キジは、つつきます」
園児がハキハキと音読し、鹿島が付き添って聴いていると。
「あれえ?『花咲かじいさん』の絵本が無いよぉ?」
一人の園児の少女が本棚の絵本を探していた。
それに気付いた園児の一人・
「さっき
「えー…」
「持ってきてあげようか?」
「ホント?」
「だってボク、4号だもん!」
音読に耳を傾けつつ、鹿島は良平の優しさに笑みを浮かべた。
そして、良平は目的の相手である雅人の下へ向かった。
「ねえ、雅人くん。その絵本貸して?」
「やだ」
「でも、次は
そう言って、良平は絵本を取ろうとした。
しかし、雅人はそれでも拒み、良平から絵本を取られまいと抵抗を始めた。
「イヤだって言ってるだろ!」
「離せよっ!!」
お互いに譲らず、揉め始めた。
「せんせぇ……」
そのピリピリした雰囲気に、真子は少し怯えた様子で鹿島にしがみついた。
「コラ、止めなさい?」
良平らに呼びかけるが、それでも二人は止めない。
雅人の頑固さに苛立ってしまったのだろう。良平は雅人を叩いてしまった。
当然、それを許せない雅人もやり返す。
揉め事は暴力によるケンカに発展してしまい、さらに……
「!!」
良平は、叩き合いになった際に落ちた絵本を拾い上げると、雅人を叩こうと振り上げた。
「コラッ!!」
鹿島や、騒ぎに気付き、良平の行為を目の当たりにしたみのりが止めようとした、その直前。
距離の近かった榛名が雅人を庇いながら、絵本による打撃を左腕で防ぐと、良平の手を掴み、取り押さえた。
「止めなさいっ!!」
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「ぐっ……うぅ……ふぅんっ!!」
ベギマの放った、生きた砲弾に咬み付かれたクウガは、痛みに耐えながら砲弾を引き剥がし、その場に叩きつける。
「ククク……」
しかし、その一瞬を逃さず、ベギマは通常の砲弾を放ち、クウガを追撃する。
「ッ!!ぐっ、ウアアァっ!!」
「五代さん!!」
これ以上、攻撃させてなるものかと、電は前に飛び出そうとした。
「止めなさい、電!あなた、弾薬が尽きてるんでしょうがっ!!」
「暁ちゃん……でも……!!」
暁に止められ、電は戸惑う。
このままではクウガがやられてしまう。
だが、今の自分たちでは、反撃をしようにも打つ手が無い。最悪、返り討ちに遭って
「ハァ…ハァ……ッ」
砲撃による
(しめた…!今なら、4号だけでも……)
クウガの背中に回り込めたことから、天龍は刃先の折れた刀を握りしめ、立ち上がる。
「フフ……ドゾ・レジョ」
不敵な笑みを浮かべながら、ベギマは主砲をクウガと天龍に向けた。
品川区内 01:32 p.m.
揚陸侵艦を一網打尽にすべく、桜井と警察犬ハヤテ号、そして訓練士の緑間は、匂いの元を追って辿り着いた工場の物陰で待機していた。
そこへ、連絡を受けた一条と加賀、吹雪が合流した。
「一条さん!加賀さんと吹雪ちゃんも!」
「お疲れ様です、桜井さん!緑間さん!」
「……ありがとう、あなたは頑張り屋さんね」
桜井らに敬礼する吹雪と、ハヤテ号に労いの言葉をかける加賀。
「桜井さん、敵の様子は?」
「静かなもんですよ……あと、2日ほど前から行方が分からなくなっていた、この工場を運営している会社の社長と思われる遺体が、倉庫の裏手で発見されたそうです」
「……そうですか…」
また、救いきれなかった……
悔恨の念を抱きつつ、一条は気持ちを切り替えて任務に専念した。
同じ頃……長門は一条からの指示により、クウガや天龍たちの救援に向かっていた。
「頼む……間に合ってくれよ……!!」
僅かにではあるが、長門は天龍たちの身を案じるのと同じくらい、クウガ――雄介のことも心配していた。
理由は勿論、天龍の意気込みにあった。
石ノ森鎮守府の面々の中には、今だにクウガ=第4号を他の揚陸侵艦や未確認生命体と同族であると見なし、危険視するのみならず、あわよくば撃破しようという考えの者がいる。
天龍はその最たる者で、今回の出撃の際も自ら旗艦を立候補したほどだ。
「五代……みんな……!!」
しかし……そんな長門の望みは、呆気なく消えてしまった……。
「くたばりやがれ……未確認ッ!!!」
「ッ!?」
「天龍さん、ダメッ!!!」
電の叫びも虚しく、天龍の振り上げた刃はクウガに向けて振り下ろされた………。
邪悪なるものあらば 鋼の鎧を身に着け 地割れの如く 邪悪を切り裂く 戦士在り―――
邪悪なるものあらば 鋼の根を伸ばして 舟を
待て、次回!!
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