体は寒くても、心は自分の好きなものへの想いでアツくしていきましょう!!
クウガと天龍たちがベギマに追い詰められていた頃。
一条たち突撃班の下に、杉田や那智らガス弾使用部隊が到着した。
「すまない、待たせた!」
「いえ」
「深海棲艦のものと思われる、艦載機の襲撃を受けてな。幸い、赤城と加賀が護衛に付いてくれたお陰で、被害は最小限に抑えられたよ」
杉田の言葉に合わせて、一条たちが視線を移すと、加賀と別にもう一人、艷やかな茶色の長髪に赤い袴という大和撫子の艦娘―――空母艦娘《赤城》が同行していた。
「出過ぎた真似を致しました」
赤城が何かを言おうとするよりも先に、加賀は一条に頭を下げた。
「いや、寧ろ礼を言わせてくれ。二人共、よくやってくれた」
一条の言葉に、赤城と加賀は嬉しそうにはにかんだ。
「……しかし。こうも静かだと、未確認たちのアジトに突入した時のことを思い出すぜ。あの時は結局、取り逃がしちまったからなぁ……」
妙高、那智、足柄が隊員たちと共に装備の最終チェックをしている中、杉田が言葉を洩らす。
それに対し
「問題ありません。奴らは必ず居る……そして、我々は必ず捕らえることが出来る。今日までに人事を尽くしてきた、それを実行に移す時です」
警察犬訓練士の緑間が、眼鏡をくいっと上げながら反論した。
「あ…いや。これは失礼……」と杉田が謝罪すると、此処で吹雪が緑間に尋ねた。
「あの……ところで、その手に持ってるのは何ですか?」
緑間が手にしている、玩具のミニカーを指差す。
「ラッキーアイテムです」
吹雪の質問に対する答えも、簡素なものだった。
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荒川区内 01:51 p.m.
ベギマに大敗し、逃げられてしまった天龍たちの下に、長門が応援に駆けつけた。
「天龍、みんな!大丈夫か!?」
「長門……」
艦隊一同、大破の状態で体も衣服もボロボロ。
長門の呼びかけに対する、天龍の声はすっかり力を失くしていた。
「長門さん!」
「五代、君も来ていたのか!」
「長門さん、あの人とお友達なんですか?」
「電が聞いた話では、揚陸侵艦が出現した最初の事件からのお知り合いらしいのです」
「そういう電だって、あの人のこと知ってる風じゃない」
「電が知ってるのは五代雄介さんであって、クウガについて知ったのはつい最近なのです!」
雄介と長門の会話を眺めながら、暁と大潮は電と話しだす。
「ほれ、チミっ子ども!鎮守府へ帰投するぞ?」
「あ、長門さん!」
「五代、今度はなんだ?」
「ちょっと、別行動していいスか?」
「………うん、分かった。提督に伝えておこうか?」
「いや、向こうに着いたら直接話しますよ」
サムズアップ。
長門のみならず、電や天龍たちにも笑顔を向けた後、損傷具合を確かめるため、一旦抜いていたドルフィンアクセラーを、再び本体右サイドにセット。
スロットルを吹かし、一条たちの居る品川区へと向かっていった。
「………」
雄介の背中を見送った後、天龍は雄介からもらった名刺を眺める。
「“夢を追う男”………。はん、アホくせ……」
破り捨てようとしたが、瞬間、雄介の別れ際の笑顔とサムズアップが鮮明に甦り。
破くことが出来なかった。
「………暁、コレやるよ」
「えっ……でもコレ、天龍が貰ったやつじゃ…」
「いーんだよ。俺は要らねえから」
「………」
そのやり取りを、響は静かに見ていたのだった。
一方。
揚陸侵艦のアジトは、一条ら警察と艦娘の合同部隊に包囲されていることを知り、騒然としていた。
「カイリド・リントゾログ・ラパシゾ・バボンデ・デギス!」
事態を報告したのは、上半身裸の上から白いファー付きの黒ジャケットを羽織った、色白の肌にスキンヘッド、サングラスなど、スポーツインストラクターのような出で立ちの男だった。
「バゼザ!ゾグギデ・パバダ・ダ!?」
これには、流石のクマ男も苛立ちを隠せない様子で、声を荒げる。
そして、こんな状況にあっても、桜のタトゥの女は冷静……否、冷酷であった。
「ガバリ……ゴラゲベ?」
「バンザド…!?」
「ゴラゲンビ・ゴギグ・カイリド・リントゾログ・ガゴギボンザ・ボザ」
ガバリと呼んだ、カバ男を責めるような言い方に、当のガバリ本人は納得いかない様子。
それに対し、黒フードの少女はゲラゲラと笑っていた。
「アッハハハ!クセーノカ?クセーンダナ!アッハハハハハハ!!」
「ザラセッ!!」
青筋を立てながら怒鳴ると、ガバリはテーブルに置かれていたボードを手に取った。
「リント・ロカイリロ・リバボ・ソギビギ・デジャスッ!!」
鼻息荒く、ボードを何かしらに使おうとしていることは明白だった。
しかし、それを桜のタトゥの女とは異なる、妖艶な雰囲気の女が止めにかかり、二人はボードの取り合いを始めた。
そんな中、表ではガス弾投入部隊が指定された各ポイントに配置され、安全装置を解除したガス弾を中へ投げ込んだ。
「!!」
一同がその存在に気付いたとき、もう手遅れだった。
ガス弾が爆発し、室内を濃縮されたガスで満たしていく。
「ウッ!?ウオオオ…!!」
「バンザ・ボセパ!?」
「ウッゲ…ァッガ……!」
揚陸侵艦のみならず、謎の少女や女たちにも有効らしく、同様に苦しみだす。
「……ジャザシ・ビダバ」
かなりの難敵だったため、またも分割致します。
お楽しみの皆様、誠に申し訳ありません!m(_ _)m
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