戦士は、命を懸ける。
暁の水平線に勝利を刻み、誰かの笑顔を護る青空になるために____。
「第4号が射殺されたッ!!?」
警視庁鎮守府 対策本部 10:51 p.m.
鎮守府に帰還し、吹雪からの報告を受けた一条は愕然となる。
「愛知県警からの報告では……そうらしいと……」
「……ッ………」
「司令官………」
報せに対し、黙り込んでしまう一条たち。
「……ん?ちょっと待った!今、俺の所に届いたLINEによると、両方とも逃したそうだぞ?」
柳井の一言に、一条と吹雪、長門が詰め寄る。
「本当ですか!?」
「誤報じゃないんですね!?」
「…なんで、そんな嬉しそうなんだ?吹雪くんや長門くんまで」
3人の様子に目を丸くする柳井。
「あっ……いえ、その………」
柳井の問いに、吹雪は口ごもる。
「寝耳に水で、東京だ。向こうも混乱してて、情報が錯綜してるんだろう」
そこに、山県元帥が入室してきた。
「皆、集まっているな?今、警視庁より届いた正式な報告を伝える!」
「8台のパトカーにより包囲した、未確認生命体第4号と陸上奇襲鬼は警官隊並びに石ノ森鎮守府より派遣された《第一次未確認生命体迎撃戦隊》が銃撃。陸上奇襲鬼は右眼に被弾、そのまま逃走。スピードがあまりに早く、パトカーによる追跡は困難。長野県警、石ノ森鎮守府はトライチェイサー2013A、ドルフィンチェイサー2018A を実戦導入されたし!」
「まぁ……わざわざ長野にまで戻ってくる…なんて事は無いと思いますがね?」
柳井の意見に対し、山県はうむ、と頷く。
「本日を以て、第2の未確認生命体改め《
報告が終わり、山県元帥は一条に声をかける。
「一条少佐!明日、東京へ行ってくれ」
「自分が、ですか?」
「対策本部の、今後の方針について話し合うことになったんだがな?誰か一人代表を、と言ってきとるんだ」
「すぐ、資料の準備にかかります!」
「ああ、それから!それに伴って、艦娘たちに鎮守府の異動や、今後の作戦への積極的な参加を要請する場合が起こり得るかもしれん。君の部下たちにも、よろしく伝えてくれ」
「分かりました!」
会議室を出た後、吹雪と長門が付いてくる。
「司令官!元帥が仰っていたのは…もしかして?」
「ああ。君たちにも、今後は陸の上で仕事をしてもらう場合が増えると思う」
「私は構わないが……他の者たちは納得しないだろうな」
「だったら!私がみんなを説得しますよ!!」
長門の言葉を受けて、吹雪は気合十分といった風に張り切ってみせた。
「それは心強いな。頼りにしているぞ?」
そう言いながら、ふっと笑う一条の顔を、吹雪は再び声をかけられるまで、頬を赤らめたままボーッと見つめていたのであった。
「司令官……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ハァ……ハァ……」
都市部にある、用水路。
陸上奇襲鬼こと「ズ・ヂーダ・ダ」は被弾した右眼を押さえながら壁に寄りかかり、銃弾を抉り出した。
「ハァ……ハァ……ッグ……ウウ……」
怪人の姿から少女の姿へと変わり、横たわると、痛みと怒りに身を震わせるのであった………。
城南大学 沢渡桜子考古学研究所 08:07 a.m.
五代雄介の大学時代からの友人にして、超古代の戦士クウガに関する古代文字の解読などで協力してくれた沢渡桜子は、この研究室で働いていた。
「ふぁ……あふ……」
また徹夜だったのか、朝早くということもあって欠伸がもれる。
机に向かおうとした、その時。
「きゃっ?!」
何かに躓き、転けてしまった。
程なくして、その元凶が体を起こす。
「ふあ〜〜ぁ……おっはよ、桜子さん……」
戦士クウガの正体である、冒険家。五代雄介であった。
「おはようじゃないでしょお!?」
落とした資料を拾いながら、雄介の自由奔放さに怒る桜子。
「あ!ここの鍵、開いてたよ?不用心だから気をつけないと!」
「あんたが言うな、あんたが!」
その不用心な窓から頻繁に出入りする男に、桜子は鋭いツッコミを入れる。
「良かったぁ、元気みたいだね?」
「今のでまた寿命が縮んだわよ……!」
雄介の暢気過ぎる発言に呆れつつ、桜子は立ち上がる。
「あ!この前持ってきた石板の古代文字の解読、進められそう?」
「やりますよ、一条さんや香取さんからも頼まれちゃったし。……あ、そうそう!一条さんから電話があったよ?石ノ森にはもう来るなって」
桜子の言葉に、雄介は反応した。
「ちょうど良かった!実は俺、長野に行けなくなっちゃって!」
「え……また行くつもりだったのぉ!?」
「うん。でもさ、今度はこっちで出たんだよ!揚陸侵艦!!」
「えっ…東京に……!?」
驚きを隠せない桜子に、雄介は頷く。
「で……また変身して、戦いかけたんだけど………。なんか、またピストルとか艦娘さんたちの大砲で撃たれちゃって!チクチク痒くてタイヘンだったの!」
「ちょ…ちょっと待ってよ!!五代くん、それ昔と同じじゃない!!しかも艦娘にまで攻撃されたって……危ないよ!それ、下手すると死んじゃうところじゃない!!?」
あっけらかんと話す雄介に、桜子は声を荒げる。
しかし
「大丈夫!死ぬようなことしないから!」
相変わらず、この一言で返す雄介なのであった。
「ダメだよ、危ないよ!!」
「うん。だからさ」
桜子の説得を遮るように、雄介は桜子の肩を叩き、背中を押して机に向かわせた。
「そのためにも、桜子さんの力が必要なんだって!」
「ちょっと!」
「あの古代文字を解読出来れば、奴らとの戦い方も解ると思うんだよ!いくら連中が未確認に似てるったって、クウガの力がどこまで通じるか判んないし!俺の野生の勘でも、すぐ限界来ちゃうだろうし」
「分かるけど……素直に『良いよ』とは言えないな……」
その頃。
足柄たち「第一次未確認生命体迎撃艦隊」は、一条や吹雪たちと東京駅で合流した。
否……鉢合わせたと言うべきか。
長門と足柄は、鋭い眼光をぶつけ合い、火花を散らしていた。
「……どういう事か、事情を説明願おうか?足柄」
「あら、港湾潜伏鬼を撃破した戦艦さまが重巡ごときに何用かしら?」
「はわわわ……っ」
「えっと…神通さん、これは……?」
「ごめんなさい………上手く説明出来ないの………」
長門たちを見てオロオロする電。状況がいまいち飲み込めない吹雪と、それについて詫びる神通。
「私もあんまり詳しく知らないけど……足柄さん、提督のこと歓迎してないっぽい」
吹雪に簡潔に説明したのは、金髪よりも淡い黄金色の髪をした、どこかポワポワした雰囲気の駆逐艦娘「夕立」だった。
「足柄くん。未確認生命体第4号と遭遇したそうだな」
険悪な空気の中、一条は話を切り出す。
「それが何?逃しはしたけど、次は逃さ…」
「第4号は撃つな。これは、石ノ森鎮守府提督として最初の命令だと認識してくれて構わない」
ついに、一条さんが『一条提督』デビューを……。
しかし、最初の仕事が「クウガを撃っちゃダメ」宣言……(;´∀`)
ザーボンさん、ドドリアさん!
文才を探してくださいっ!!(泣)
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