着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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あーでもないこーでもないと、ひたすらにシナリオを組み立てては壊し、また組み立てていく事の繰り返し………。


そんな中での更新で御座います。


131話 : 会敵

雄介の小学生時代の恩師、神崎と会うべく、北上と大井、島風の三人は神奈川県へと訪れていた。

 

しかし……その道中、深海棲艦の上位個体の一種である《駆逐棲姫》が、一人の男性と共に歩いている光景を目撃してしまう。

 

 

「北上さん……あの人……」

 

大井の呼びかけに、北上はハッと我に返る。

 

「大井っち……。うん、そうみたいだけど……今は止めとこ?」

「……はい」

 

「二人とも…大丈夫?」

 

同様に、島風は二人の様子を気にかけた。

 

「しまぷー」

「島風ちゃん……ええ。もう、以前の様にはならないから」

「……なら、良いんだけど」

「えへへ、ありがとね?」

 

 

 

重雷装巡洋艦艦娘・北上と大井。

 

《建造》から生まれた艦娘《オリジナル》である両名は、オリジナルであるが故に、一つの強い衝動を抱えていた。

 

深海棲艦への強い敵対心。

一種の「殺戮衝動」や「破壊衝動」とも言えるそれを、強い精神力や自制心でコントロールする事が出来なければ、深海棲艦と変わらなくなってしまう。

しかも、そういった精神的に不安定な艦娘は、人類の守り手である彼女らを単なる「兵器」と見なす大本営の一部派閥や指揮官達に取っては、自分たちの身に危険を及ぼしかねない「欠陥品」も同然の存在でしかなく、わざわざ生かしておく意味が無い。

 

この様な、連中の身勝手極まりない理由の為に、建造されて日も経たぬ内に「戦力外」として解体される艦娘が出る事も、かつての石ノ森を始めとした一部地域ではさほど珍しい話ではなかった。

 

 

二人が辛うじてそれを御する事が出来たのは、長門や妙高を始めとした先輩艦娘や島風ら後輩の存在が大きな理由として挙げられるだろう。

 

しかし……それでも、今は亡き塩川を始めとしたブラック提督などの蛮行により、その感情はよりどす黒い物へと変質していった。

 

北上と大井の二人に違いが現れたのは、姉妹艦であり、同じくオリジナルとして生まれた《木曽》の暴走と解体処分であった。

 

当時、石ノ森に着任していた提督も、ご多分に漏れずの屑男であり「実“戦”に勝る経験無し」として、練度も装備も不十分な新米艦を激戦地へと送り出し、轟沈すれば役立たずと罵り、生還しても敵を沈められなければ「臆病者」と責め立て、さらに「玉砕覚悟で討ち取れ」と言って最低限の補給物資だけを持たせ、休息を与える事無く出撃させるという、支離滅裂な指揮を執っていた。

 

そして‥‥木曽も同様に、その無茶苦茶な指揮に振り回された。

 

後になって判った事だが、彼女の暴走は屑提督の狂った指揮による精神崩壊が大きな原因であり、提督はそれを「不良品」と決めつけ、解体処分しようとした。

 

 

北上は、これ以上の横暴は我慢ならないとして、大井と共に提督を拘束しようとした。

 

そこへ、突如として木曽が乱入。提督のみならず、北上と大井にも攻撃を仕掛けてきたのである。

 

必死に止めようと説得したが、残念ながら、この時既に、木曽は《艦娘》としての人格をほぼ喪失しており、残されていたのは徹底的に刻み込まれた「眼前の敵を屠る」という闘争本能だけだった。

 

木曽の放った流れ弾と殴打により提督は死亡したが、自我を失った木曽を鎮守府に置くことは出来ないとして、北上と大井は自分たちの手で木曽を《解体処分》‥‥その生に引導を渡した。

 

この事件が元で、北上は鎮守府を一度去り、大井は提督という存在に強い憎しみを抱き、痛みや悲しみを共有する北上以外の全てを信じられなくなってしまったのである。

 

 

「‥‥‥!」

「ん?どうした?」

 

一方、そんな北上と大井の気配を感知したのか、《駆逐棲姫》は辺りを警戒し始める。

 

当然、一般人である神崎には彼女がどうしたのかは分からないので、とりあえず尋ねてみた。

 

「艦娘‥‥近クニ、イル‥‥強イ気配ガ2ツト、私ニ似タ気配ガヒトツ‥‥‥」

 

「カンムス‥‥?」

 

そう言えば、五代が先日「艦娘の弟子が出来た」とか電話で話していたな‥‥

 

この子(モモカ)に似た子が居る、と言うのであれば、きっと初対面でも打ち解けられるであろう‥‥そう思いながら、神崎も共に周囲を見渡した。

 

 

そして―――

 

「っ!」

「ア‥‥‥」

 

 

艦娘と深海棲艦、互いに姿を確認した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

船橋市内 12:49 p.m.

 

 

ちょっとした不注意から、存在を気付かれてしまった真司と青葉。

 

桜のタトゥの女やその他の集団は、黒いフードパーカーを着た少女を残し、その場を後にする。

 

「ヤッチマウゾ?アトデ生カシトケヨ、トカ言ッテモオセェカラナ!キャハハ!!」

 

その少女は、とても嬉しそうに笑みを浮かべると、より一層眼をギラつかせた。

すると、次の瞬間、少女の背中から太い尻尾の様な物が伸びて、それは独立した生き物のように牙を剥き出した。

 

 

「ウソ‥‥!?なんでコイツが!?」

 

「青葉ちゃん?コイツが何か知ってるのか!?」

 

 

信じられないという驚愕と恐怖心から、微かに震えながらも青葉は頷く。

 

 

「《戦艦レ級》‥‥‥深海棲艦の中でも、飛び抜けて強力かつ危険な個体です!!!」




やっと進められたと思ったら、半歩‥‥良くても一歩進んだだけだった(ヽ´ω`)

ホント、スランプってコワイ‥‥‥
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