着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

17 / 152
長かったクウガ編第2章、遂に決着です。


戦闘シーン、やっぱ考えるの難しいけど楽しいです♪


16話 : 海戦

《鎮守府周辺海域》

 

 

海面を、まるで水溜りの張った路面を駆けるように移動する《陸上奇襲鬼》こと《ズ・ヂーダ・ダ》を、《未確認生命体第4号》こと『戦士』クウガが追跡する。

 

 

「っ!」

 

その道中、魚雷か魚のような不気味な姿をした深海棲艦《駆逐イ級》や《駆逐ロ級》、《駆逐ハ級》の駆逐艦隊と遭遇。

 

持ち前のバイクテクニックで、クウガは砲撃の雨を掻い潜る。

 

 

「ギェエンッ!!」

 

しかし、振り切ったと思っていた駆逐艦のうち1体が、クウガの背後から飛びかかった。

 

 

「ッ!!…フンッ!!」

 

喰らいつかれる寸前、クウガはドルフィンチェイサーのスロットルを吹かし、急加速することでこれを回避。

 

 

しかし、次から次へと深海棲艦は現れ、その数を増やしていく。

 

 

 

「クッ……!コイツらを何とかしないと……!!」

 

 

道を拓こうにも、ドルフィンチェイサーに砲塔や雷撃装備は無い。

 

かと言って、クウガは艦娘のように水の上に立つことは出来ない。

 

 

周囲を囲まれ、道を阻まれてしまった。

 

 

 

 

打つ手無しか……と思われた、その時。

 

 

敵艦が一隻、何者かに砲撃された。

 

 

「!?……えっ?」

 

 

 

振り返ると、その先に見えたのは、態勢を立て直した足柄たち迎撃艦隊の面々だった。

 

 

「神通!由良!左舷の方向に、軽巡ホ級1と駆逐ニ級2の計3隻を確認したわ!一隻足りとも、港に行かせちゃダメよ!!」

 

 

「はい!!」

 

「了解しました!!」

 

「叢雲!あなたは夕立と電の3人で、敵艦の追撃を!!あの赤い奴には、1発も当てちゃダメよ!!」

 

 

「え、わ…分かったわ!!」

 

 

「足柄さん、何かあったっぽい!?言ってることが昨日と正反対っぽいけど!」

 

「よく分かりませんけど……電もがんばります!なのです!」

 

 

足柄の指示の下、艦隊の協力もあってクウガは道が拓けた。

 

 

砲雷撃戦の中、電と目が合ったクウガは感謝のサムズアップを送り、ヂーダを追うべく、再び走りだした。

 

 

「!」

 

 

瞬間。

 

電は、そのサムズアップに懐かしさを感じた。

 

 

 

それは、一度として忘れたことの無い、電にとって大切な「恩人」のトレードマークだった。

 

 

 

 

「…………五代さん?」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

名も無き離島、その沖合。

 

手付かずの島ということもあって、起伏の激しい岩場が浅瀬に広がっていた。

 

 

「フゥゥ……」

 

「………」

 

比較的穏やかな波の上で、両者は静かに睨み合う。

 

 

 

 

先に動きだしたのは、ヂーダだった。

 

 

クウガとの距離を一気に詰め、バイクから引きずり降ろそうと襲いかかった。

 

「ふんっ!」

 

陸上のバイクよりも大回りな動きながら、クウガはヂーダの攻撃を絶妙な間合いで躱していく。

 

 

 

そこに、長門や吹雪と共に、一条がボートで追いつき、艦隊を殲滅した足柄たちも合流する。

 

 

「あれね……!」

 

連装砲を構える叢雲に対し、吹雪は慌てて止めに入る。

 

 

「待って!叢雲ちゃん、撃っちゃダメ!!」

 

「はぁ!?吹雪、あんたまで何言ってんのよ!!」

 

「ダメなのはダメっ!!」

 

「叢雲!!……撃たなくていい」

 

 

揉め始めた叢雲と吹雪に、長門が一喝。

 

 

足柄は何も言わず、主砲を構える様子も無い。

 

 

 

 

それを瞬時に見抜いた一条は、静かに笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

「フゥッ!!」

 

「うああっ!?」

 

 

背後に回り込んだヂーダに、両脚で首を絞め上げられ、クウガは振りほどこうともがき、ヂーダ共々バイクから転倒。

 

浅瀬に落ち、戦場は再び陸地へ。

 

 

一条たちも陸へ上がり、戦いを見守る。

 

 

 

「シャッ!!」

 

クウガの肩を掴み、跳び上がると、その場で連続キックをお見舞いするヂーダ。

 

 

「ぐふっ!?がは…うあっ!!」

 

 

膝を着いた瞬間、畳み掛けるようにして膝蹴り、そして両腕で抱え込むようにして首を締め上げる、チョークスリーパーをかける。

 

 

「ぅぐっ…ぁ…がああぁぁ……ッ!!!」

 

腕力に押されながらも、クウガは肘鉄を繰り出して抵抗。

 

 

4度放ったうちの2発が、ヂーダの鳩尾に直撃。

 

怯んだところを逃さず、腕を振りほどき、左ストレートと右肘の一撃がヂーダの鳩尾を打ち抜く。

 

 

 

「ガァアアゥ……ッグウ!フウウ……フウウゥゥ……!!」

 

 

 

かなりのダメージを負ったらしいヂーダは、よろめきながらも怒りのこもった眼をギラつかせながらクウガを睨みつける。

 

 

 

それが、ヂーダの最期だった。

 

 

 

クウガは前転で勢いを付けながら、左腕で身体を跳ね上げてヂーダの腹部に右脚のキックを繰り出し、岩に叩きつける。

 

 

「グフゥ!?」

 

 

さらに

 

 

「オオリャアアアァァアッ!!!」

 

力を込めたキックをもう一発打ち込み、ヂーダの背面の岩ごと蹴り飛ばした。

 

 

 

「グゥア…アアアアアアァァッ!!!!」

 

 

海面に叩きつけられながら、ヂーダは爆死した。

 

 

 

 

「…………」

 

 

ヂーダの消し飛んだ先を見ていた一条や吹雪たち艦娘は、クウガの方へ視線を移す。

 

 

戦い終えたクウガの右脚には、先のキックの力を証明するように熱気が残っており、微かに湯気が立ち上っていた。

 

 

やがて、クウガは一条たちの方へ向き直る。

 

 

「………」

 

 

 

サムズアップ。

 

 

 

それを見た吹雪は、思わずサムズアップを返す。

 

 

「…………っ?」

 

 

しかし、長門と一条だけはフッと微笑むと、すぐに船の方へ歩きだした。

 

 

 

 

背中越しに、返礼のサムズアップをクウガにかざしながら。

 

 

 

それに対し、クウガは小さく頷くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

戦果報告____

 

 

《石ノ森鎮守府》

 

第1艦隊

 

旗艦 長門

随伴艦 吹雪

 

 

第一次揚陸侵艦迎撃艦隊

 

旗艦 足柄…小破

随伴艦 神通

    由良

    叢雲…損傷、軽微

    夕立…小破

    電

 

未確認生命体第4号の活躍により、陸上奇襲鬼の撃沈に成功。

 

判定……『勝利』




長かった……

長かったよぉ……。・゚・(ノД`)・゚・。


このシーンを書きたいがために、NEWマシンも必死こいて考えたのにゃ〜〜〜〜(ノД`)


という訳で、クウガ編・第2章は、とりあえず完結。

新章をお楽しみに(^_^)ノシ

本作の人気投票その1

  • 五代雄介
  • 一条 薫
  • 吹雪
  • 長門
  • 大淀
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。