着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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UAが遂に7000超えたーッ!!

喜んでいいの?喜んでいいんですかッ!?(;´Д`)ハワワワ


泣きますよっ!?喜びのあまりに!!


20話 : 速度

東京都 板橋区内 02:24 p.m.

 

 

「ハァ…ハァ……!!ハァ…ハァ…!!」

 

 

髭を伸ばし、汚れや汗でボロボロの衣服に身を包んだホームレスの男性が、荷物を抱えて必死の形相で路地裏を走っていた。

 

 

撒けたか……?

 

もう追ってきてはいないか……?

 

 

淡々と追ってくる“そいつ”から、男性は死に物狂いで逃げ続けていた。

 

 

やがて、体力も限界に達してきたこともあり、男性はビルとビルの狭い隙間に身を潜めることにした。

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ……!!」

 

 

息を切らし、恐る恐る様子を伺う。

 

 

来た道からは、追ってくる気配は無い。

 

 

 

(た……助かったぁ………)

 

 

やっと一息つける____

 

 

 

それは、瞬く間に幻想へと変わる。

 

 

「!!?ヒッ……!!」

 

 

“そいつ”は、男性の目の前に()()()()()

 

 

「ひぁ!?や、やめ……はな、離し……アアァァァアアッ!!?」

 

 

男性は首と胸ぐらを捕まれ、空高く連れ去られてしまう。

 

 

 

そして、ほんの数秒後……。

 

 

「……ぁああああああッ!!!!」

 

 

男性は落下。

 

地面に叩きつけられ、そのまま目覚めることは無かった………。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

石ノ森鎮守府 敷地内 03:01 p.m.

 

 

「あ……あの………五代…雄介さん……ですか?」

 

 

「ん?」

 

 

掃除を再開していた雄介に、電が恐る恐る声をかける。

 

 

「そうだけど………。あ!イナちゃん?」

 

「はい!(イナ)ちゃんなのです♪」

 

 

雄介に付けられたあだ名を呼ばれ、電は嬉しそうに敬礼した。

 

 

 

 

 

数年前。冒険を続けていた雄介は、とある島の浜辺で昼寝をしていた。

 

 

そんな時、彼女は声をかけてきた。

 

 

「あ…あの……こんな所でお昼寝をしてたら、お顔が真っ赤になっちゃいますよ……?」

 

 

 

 

 

この出会いが、五代雄介が艦娘という存在を知るきっかけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

「ホント久しぶりだね〜!石ノ森(こっち)には、いつから?」

 

「えと………一条司令官さんが来る、1週間くらい前…なのです。此処へは、香取さんの紹介で………」

 

 

電の悲しげな表情を見て、雄介は少しだけ沈黙する。

 

 

 

 

かつて、艦娘への非道な扱いに反発し、深海棲艦のみならず、世界その物と闘った勇敢な提督が居た。

 

電は、そんな提督の下に集まった艦娘たちの一人であり、秘書艦を任されていた。

 

 

しかし、彼の鎮守府は当時の大本営によって、艦娘もろとも捨て駒にされた。

 

 

電や他の艦娘たちを妖精さんたちと共に避難させ、提督は襲撃してきた深海棲艦を道連れに自爆。

 

 

 

話を聞きつけ、雄介が駆けつけたときには既に手遅れだった………。

 

 

「……死なせないよ」

 

「!」

 

 

雄介の一言に、電は顔を上げる。

 

 

「イナちゃんも…一条さんも……他のみんなも、絶対死なせない」

 

 

不安げに瞳を潤ませる電に、雄介は一言告げる。

 

 

 

 

 

 

「俺は、クウガだから」

 

 

 

 

 

城南大学 沢渡桜子考古学研究所 03:21 p.m.

 

 

九郎ヶ岳の遺跡より発掘された、謎の石版。

そこに刻まれた碑文が、かつて解読してきたリントの象形文字に非常によく似ていたため、桜子は解読用プログラムで検索をかけ、ジグソーパズルを組み立てるかのように作業を進めていった。

 

 

 

「…………何?コレ……」

 

 

その過程で、桜子は今まで見たことの無い文字を発見した。

 

 

そこに書かれていたのは

 

 

《遥かなる 海原 渡る》

 

水底(みなぞこ)より (きた)る》

 

《邪悪なるもの》《打ち払い》《浄める》

 

 

《大いなる 水神》《祝福 与えられた》

 

《水源 御子(みこ)

 

 

 

「これって…………」

 

 

その現代語訳文を目にした桜子は、直感的に一つのワードが浮かんだ………。

 

 

 

 

 

杉並区 03:34 p.m.

 

 

 

「うああぁぁぁあああッ!!!」

 

 

ビルの上から、一人の男性が転落。

 

そのまま息絶えた……その直後。

 

 

薄茶色の肩掛けを羽織り、地肌の上から薄手のベストにジーンズ、革靴という異様な出で立ちをした少し癖っ毛のある黒髪の若い男が飛び降りてきた。

 

 

その男は、自身の左腕に着けた腕輪の勾玉を1つ動かす。

 

 

「バギング・ドググド・グシギ・ビンレ……」

 

 

すると、悲鳴を聞きつけた警官が駆けつけた。

 

 

「こ、これは!?」

 

「………」

 

「そこの君!!止まりなさい!!」

 

 

警棒を取り出し、男に待つよう指示したが……

 

 

男は警官の首を掴み、呟いた。

 

 

「バギング・ドググド・ズゴゴ・ビンレ……」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

電との想い出話も一段落し、掃除も続きは明日にして今日は帰ろう、としたその時。

 

 

ドルフィンチェイサーに無線が入った。

 

 

 

「__俺です!」

 

『五代雄介!揚陸侵艦と思われる、未確認生命体が杉並区に現れた!』

 

「杉並区!?」

 

『巡回中だった警官が、不審な人物に職務質問をしようとしたところ、その人物は未確認生命体に変わったそうだ!』

 

 

「奴らも変身するんですかッ!?」

 

 

 

 

状況説明を受け、雄介はドルフィンチェイサーを走らせる。

 

 

 

トンネルに差し掛かり、バイクを走らせながら、五代雄介は強く意思を表す。

 

 

 

 

その意思は、五代雄介を戦士クウガへと変えることで反映された。

 

 

 

クウガはそのまま、ドルフィンチェイサーのテンキーでナンバー《1720》を入力。

 

すると、トライチェイサーやビートチェイサー同様に搭載されたマトリクス機能によって、黒一色のボディが金色のヘッドとレッド&シルバーのボディに変化。

 

海上モードで船体の役割を持つガードには、『戦士クウガ』を表すリント文字が描かれていた。

 

 

 

 

東京都 杉並区 04:12 p.m.

 

 

 

「撃て!撃てぇッ!!」

 

 

増援が来るまではと、徹底抗戦する警官たち。

 

 

しかし、目の前の揚陸侵艦にピストルの弾丸は何の意味も為さず。

 

 

「フン…」

 

多少、めり込んだだけの弾丸は少し力んだだけで押し出され、その場に散らばった。

 

 

「そ…そんな………ッ」

 

 

「ヅラサン・ババ…」

 

退屈げに呟き、警官を一人抱えて跳躍。

 

 

ビルの屋上付近に着地すると……

 

 

「フン」

 

警官を突き飛ばした。

 

 

「ああ!!アアァァアアアアっ!!!」

 

 

このまま、地面に叩きつけられて終わり……

 

 

と、思われたが。

 

 

「………ん…ほぉわあぁっ!!?」

 

 

寸でのところで、クウガが受け止めたので助かった。

 

 

「ガギダ・バダダゼ・クウガ!キョグギンズ・サギジャジャ・ズ・ザビュー・ダザ!!」

 

 

ムササビに似た特徴を持った揚陸侵艦《ズ・ザビュー・ダ》はクウガに名乗りをあげる。

 

 

「……!!」

 

ザビューの様子に、クウガも身構える。

 

 

すると、ザビューはくっくと笑いながら親指で「付いてこい」と挑発。跳び上がり、滑空していった。

 

 

「ッ!!」

 

 

後を追い、クウガは遊園地へと辿り着いた。

 

 

「………」

 

 

ザビューの姿は見当たらず、クウガは警戒しながら辺りを見回した。

 

 

 

___と、その時だった。

 

「ヘェアっ!!」

 

「ッ!?うあっ!!」

 

 

メリーゴーランドの屋根の上からザビューが襲いかかり、力強いキックを浴びせてきた。

 

「ぐっう……!!」

 

すぐ立ち上がるも、ザビューは再び姿を隠してしまう。

 

 

「ハッハァ!!」

 

自分を探して、周りを見回すクウガを愉快そうに眺め、カフェスペースの入り口に移動したザビューは、腰に提げたボウガンのような機銃を取り出す。

 

「ッ!!」

 

「ゴゴ・ギバ……フン!!」

 

 

現代のマシンガンと遜色無い精度で、弾丸の雨を降らせる。

 

 

「ぐっ!?あぐ、うあああああぁぁッ!!!」

 

 

避けることも出来ず、クウガは大ダメージを受けてしまう。

 

 

「ぁぐ……フー!フゥ…っぐ……!!」

 

 

逃げる様子の無いうちにと、クウガは必死にザビューのもとへ向かう。

 

 

 

しかし……

 

 

「ゴゴグ・ギザゼ?クウガ!!」

 

先回りされてしまい、またもキックやパンチの連打を浴びてしまう。

 

さらに、そのまま捕まり、お化け屋敷コーナーであろう建物の屋根に連れ去られてしまう。

 

 

「ヒョグギ・ブベザバ?フゥン!!」

 

クウガの劣勢ぶりに、ザビューは不満げに呟き、クウガの上腕部と左大腿部にボウガンを撃ち込む。

 

 

「ぁぐ…!!?うぐぁ…ああああああッ!!!」

 

今しがた撃たれたばかりの脚を使って、ザビューを蹴って拘束を解くクウガ。

 

 

しかし、その場で膝を着いてしまう。

 

 

「ハァ……。ゴセビ・パバデ・バギ!フンッ!!」

 

ため息混じりにクウガを蹴り飛ばし、ザビューはボウガンをもう一つ取り出し、2丁拳銃のスタイルとなった。

 

 

 

「ギブグ・ギギ!」

 

 

 

ボロボロの身体を起こし、クウガは必死に立ち上がろうとする。

 

 

「もっと……速く………!!!」

 

 

 

「ギベェ!!」

 

 

ザビューのボウガンがクウガを捉え、弾丸が放たれる。

 

 

 

その寸前。

 

 

クウガの足首の装飾の玉が、赤から青に輝き、クウガに驚異の跳躍力を与えた。

 

 

「!!」

 

 

ザビューを飛び越し、青い姿に変わったクウガは着地する。

 

 

 

「ハァ……ハァ……。なんだ?コレ……!!」

 

 

 

しかし。

 

 

それは、かつての青いクウガではなかった。

 

 

姿その物に変化は無いが、左腕に小型の連装砲を盾のように身に着け、脚には3連装魚雷発射管を左右1基ずつ、計2基装備していた。




揚陸侵艦、とんでもないゲスさを見せてきやがりますねえ………。


次回、突然の変化に戸惑うクウガの運命やいかに!?

そして、大淀さんや電たちの想いは?


待て次回ッ!!

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