新たに出現した揚陸侵艦《ズ・ザビュー・ダ》。
陸も空も関係なく、縦横無尽に飛びまわり、クウガを翻弄。
かつてない程の窮地に立たされるクウガだったが、ザビューの速さに対抗すべく、赤い戦士から青い戦士へと変わる。
しかし、その姿は明らかに自分の知る「青い戦士」と異なり、艦娘と同様《艤装》を身にまとっていた……。
「……なんだ?コレ……!?」
自身の変化に驚き、クウガは戸惑う。
「ゴグザ!ゴグゼバギド・ゴロギソグ・バギ!!」
それに対し、ザビューは嬉しそうに笑う。
「ボギ!」
姿の変わったクウガの力を試すかのように誘い、彼方のビルへと飛び立つ。
クウガも「青」の力特有の身軽さとジャンプ力で追いかける。
「ギ・ギゾ……!」
2つ、3つとビルを飛び移っていき、4つ目に着地したビルの屋上でザビューはクウガに肉弾戦を仕掛ける。
「ふっ!!」
ギリギリで躱し、クウガは回し蹴りを繰り出して牽制。
ザビューが後退したところをすかさず、左腕の連装砲を構えた。
「当たれ…!!」
……しかし。
「フゥアッ!!」
クウガが撃とうとするよりも早く、ザビューはクウガにカウンターの一撃を喰らわせる。
「うあっ!?」
よろめきながらも、再度構え、発砲しようとするクウガだったが……
「っ!?」
「ゾグ・ギダ?クウガ!」
「うあっ!!……タマが…砲弾が出ない……!?」
艤装なのに、“砲弾が出ない”。
まったくの予想外。突然の変化に続く、原因不明のアクシデントだった。
「ビデギブグ・ミョグザバビ・カイリ……」
クウガを蹴落とし、アスファルトに叩きつけた。
そこに、一条と杉田、そして半ば強引に同行した足柄と、それを止めようと慌てて追いかけてきた妙高が駆けつけた。
「五だ……4号!?しかも青の4号だが……妙だな……」
拳銃を抜き、杉田はクウガの姿に違和感を覚える。
当然、その違和感は一条も同じだった。
「青い4号………何故、艤装が備わっているんだ……!?」
ザビューに羽交い締めにされたクウガを助けるべく、一条は拳銃を構える。
しかし、もみくちゃになっているせいもあって、狙いを絞り込めない。
「くっ……!足柄、妙高!俺が《滑空奇襲鬼》の注意を引く!その後君たちは、4号の救援にあたってくれ!!」
「4号の……?提督、いったい何を…」
一条の指示に疑念を抱き、真意を尋ねようとした妙高を足柄が遮る。
「了解!救援したら、そのままヤツを仕留めて良いくらいだわ!」
しかも、心なしかノリノリである。
「…頼むぞ!」
一条はザビューの背面に回り込み、空砲を撃って注意を引こうと試みる。
「ンン?」
そこを逃さず。
「主砲…撃てぇッ!!!」
「足柄、無駄弾を撃つんじゃないわよ?」
ハンドガン型の単装砲を構え、足柄が発砲。
「!?」
クウガをザビューから引き離すことに成功。
「大丈夫ですか!?」
妙高が駆け寄り、クウガに呼びかけるが。
「きゃあっ!?」
足柄はザビューの反撃を受け、ボウガンの雨を浴びてしまう。
「ハァ……ハァ……っぐ…!!」
「フン……ダガギン・バギ……」
「きゃ!?」
妙高を裏拳で殴り倒し、クウガを踏みつける。
「ヅギゼ・ゴパシザ……」
ボロボロのクウガを脇に抱え込み、跳び上がろうとした。
「ギベッ!!」
その時……
背中から吹いた風で、マントのような皮膜がなびいた。
「………ギボヂヂソ・ギギダバ」
クウガを離し、飛び立つとそのまま逃げ去った。
「ぐっ……!待ちなさい……!!」
「足柄!貴女も負傷してるじゃない!!」
追いかけようとする足柄を、妙高が止めたことで戦闘は終了した。
「………」
「一条。本部には俺が報告しておく………行ってこい」
杉田の言葉を受け、一条は倒れたクウガの元へ駆け寄る。
戦果報告____。
《石ノ森鎮守府》
第1艦隊
旗艦 足柄……中破
随伴艦 妙高…小破
転落事故を調査中、揚陸侵艦《
「青い4号」へと形態変化し、敵艦の敏捷さに対応していたものの猛攻を受けて敗北。
現場に到着後、当艦隊もこれに立ち向かうも、敵は想像以上に俊敏かつ強敵であった為、奮戦虚しく取り逃がしてしまい、撃破失敗。
判定……《戦術的敗北》
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城南大学 沢渡桜子考古学研究所 08:47 p.m.
パソコンの画面を凝視し、碑文の解読に悪戦苦闘していた桜子のもとに、電話がかかってきた。
「はい、沢渡です……」
『もしもし…一条です』
「一条さん……?」
『突然すみません……。解読出来ている範囲で構わないのですが……今回見つかった石版の碑文に《射抜くものを手にした青い戦士》というような記述はありますか?』
一条の質問に、桜子は驚きを隠せない。
「『青い戦士』が……射抜くものを手に?」
『実は……五代くんが戦いの途中、青いクウガに変身したようなんですが……そのクウガは、艦娘とよく似た武装を纏っていたんです』
クウガが艤装を___?
あまりに唐突な報告に、桜子は一瞬呆けてしまう。
しかし、すぐに気持ちを切り替えて尋ねた。
「あの……ひょっとして、その事で五代くんの身に何か……!?」
しかし、電話の向こうは黙り込んでしまう。
「一条さん!!」
程なくして、一条は重たい口を開いた。
『かなりのダメージを負ったようで……今、関東医大病院に居ます』
それを聞いた瞬間、桜子の手からスマホが滑り落ちた。
関東医大病院 09:21 p.m.
大急ぎで病院に到着した桜子。
そこに、桜子よりも前に連絡を受けていたのであろう大淀が同着した。
「大淀ちゃん……!」
「沢渡さん!来てくれたんですね……!」
とにかく、まずは雄介の安否を確認せねばと二人は病院の中へ。
すると
「あ。やあ♪桜子さん、大淀さんも」
「五代さん……!」
「五代くん………。身体、大丈夫なの……?」
いつかの時の様に、いつもと変わらぬ笑顔で2人を迎えた雄介に、桜子は嫌な予感を抱いた。
「うん…ゴメンね、心配かけちゃって?」
「い…いえ、五代さんが大丈夫なら……」
ほっと胸を撫で下ろす大淀と、一方の桜子は素直に喜べずにいた。
「あっ…そうそう!せっかく来てくれたのに悪いんだけどさ。俺、明日店の仕込みが早いんだよね!たぶん、一条さんか妙高さんが送ってくれると思うから!じゃあ、お先!」
サムズアップ。
雄介は駐輪場へ向かった。
そのわずか数秒後……。
一条と妙高、足柄の3人と共に、白衣の男性が走ってきた。
彼は「椿 秀一」。関東医大病院の医師であり、『未確認生命体関連事件』では司法解剖を担当。被害者の共通点を探り出し、事件の解決に貢献した一人だ。
そして、一条の高校時代からの親友であり、「世界でただ一人の、五代雄介のかかりつけ医」を自負している男気のある人物である。
「沢渡さん!大淀さん!!五代くんは!?」
「五代さんなら、さっき………」
バイクのエンジン音が響き渡り、雄介が行ってしまったことを証明していた。
「バカ野郎が……!まったくアイツという男は……ッ」
そう吐き捨てた椿の言葉に、大淀は尋ねた。
「…そんなに、酷いんですか………?」
「全身打撲に加えて、銃の乱射までまともに喰らって……普通なら、銃撃される前にとっくに死んでるところです!強化された肉体で、どうにかなっていますが………それでも、通常で言うところの……全治3ヶ月の重傷には違いないんです!!」
「!?」
「そんなに……!?」
椿の診断を聞き、妙高と足柄は驚愕する。
「……五代くん………」
外に出て、しばらく経った頃。
「はぁ……はぁ………。っぐ、うぅ………」
痛む体を無理矢理動かして、雄介はポレポレへと向かうのだった………。
「申し訳ない!結局……また、彼を危険な目に遇わせてしまいました………」
桜子と大淀に対し、一条は深々と頭を下げる。
「……いえ………」
それに対し、桜子は小さく首を横に振る。
「提督………一つお伺いしても?」
「……何だ?」
「確かに、彼は戦えるだけの力はあるでしょう……しかし、力を持つ
妙高の問に、一条は静かに答えた。
「___似ているんです。
その言葉に、妙高と足柄は勿論、大淀もハッとした。
そして、妙高と足柄は自分たちの中にある糸が、確信に変わった。
「……送ります」
「いえ………一人で帰ります。ありがとうございます……」
軽く一礼し、桜子と大淀は病院をあとにした。
相変わらず無茶をする男と、不器用な男のコンビは色褪せません………。
次回、大淀や妙高さんたちの胸に宿る一つの想いとは?
そして、クウガの新たな力の使い道とは!?
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