年明け一発が小説第2話、そして文字数の最低ラインをどう越えられるかという重大な課題……
読者の皆さんの期待に添えられるものを書けるか、早速己に対する不信感が湧き始めております(-_-;)
「どうした?」
電話の着信に気付き、何事かと大淀に問いかける雄介。
「急な案件かもしれませんね……ちょっと失礼します」
受話器を取り、大淀は電話に出た。
「はい、こちら大本営連絡基地……もしもし?もしもし……?」
『もしもし、警察ですか!?こ、こちら長野の九郎ヶ岳で……ヒッ!?イヤ!!イヤァァ―――ッ!!!』
受話器の向こうの声は、何かを前にして酷く怯えている様子だった。
さらに、悲鳴と同時に、何かが破裂したような激しい音が受話器越しに響いた。
「もしもし!?もしもしっ!?…大変……!」
通話も切れてしまったことで、大淀は事態の深刻さは尋常ではないと見た。
電話の主は居場所を長野‥‥それも九郎ヶ岳と言っていた。ならば、憲兵もしくは警察に連絡をして現場検証を頼むべきか?
いや‥‥それでは色々と後手に回り、最悪の事態も起こり得る。
しかし、自分はあくまで連絡係。下手に出しゃばれば、周りにどんな影響が出るか分からない。
とにかく、まずは連絡をと思い、妖精たちに指示を出そうと周りを見渡した、その時だった。
「俺、確かめて電話入れるよ!」
考えるよりもまず行動。思い立ったが吉日。
大淀の思案よりも早く、雄介は外へ飛び出して行った。
「……あっ!?
職員勤務の妖精の一人で、主に12cm単装砲の整備を担当している妖精・通称『単ちゃん』。
雄介が大淀や妖精さんたちとの交流を持ち始めて、最初に雄介と仲良くなった妖精でもあった。
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単ちゃんを載せた雄介のバイクが長野に入った頃、時は既に夜中の3時を回っていた。
「………」
信号に捕まり、雄介はいつかの雨の日を思い返していた。
あの時も、こうして走ったっけなぁ‥‥
そんな事を考えていた、次の瞬間。
「!!」
山の方から激しい稲光が迸り、辺りに轟音を響かせる。
「……!?今のは………」
同じく現場へ向かっていた新任の提督・一条も、その放電現象を目の当たりにしていた。
しかし、それ以上に彼を驚愕させたのは、他でも無い雄介の存在だった。
同じ頃‥‥山中を歩く巨大な影は、溢れ出る力を岩や草木にぶつけながら、やがて拓けた地に辿り着く。
「レ・ザァ、レェ、ジョォ‥‥フゥアッ!!」
両手に込めた何かの力を放ち、影は姿を消した。
程なくして、そこから夥しい数の腕という腕が地中から伸び、不気味なうめき声を発しながら無数の影が姿を現したのだった………。
長野県 九郎ヶ岳遺跡 周辺 08:17 a.m.
西暦2000年。かつて、この地で見つかった古代の遺跡。
そこに関する出土品は、大体が回収され、厳重に管理・保存されているため、この地一帯に漂う焦げ臭い匂いの中に破損したものは幸いにして無かった。
「まさか、九郎ヶ岳にこの様な遺跡がまだあったとは‥‥‥。連絡は、確かに大本営の支部から?」
「はい!大淀さんからの伝令でした、司令官!!」
一条の問いにハキハキと応えたのは、セーラー服の似合う中学生くらいの年頃と思われる少女。
彼女の名は「吹雪」。
艦娘の一人であり、一条が提督に着任した際、初期艦に任命した少女である。
「吹雪くん。立場上、そう呼ばれるのは仕方無いと思っているが……普通に一条と呼んでくれて構わないぞ?寧ろ、その方が性に合ってる」
「えっ!?で、でもっ!司令官は私たちの提督で、司令官と呼ぶべき人なんですよ!?」
実は、吹雪は一条と同じく石ノ森鎮守府が初めての着任であるため、基礎的な知識しか持ち合わせていなかった。
とは言え、一条が彼女を初期艦に選んだのは、同じスタートラインに立つ者同士、共に学んでいきたいという思いからだったのだが。
そんな会話をしつつ、調査をしていた頃。
雄介と単ちゃんも、ようやく遺跡に入ることが出来た。
「‥‥‥」
何かおかしな点は無いか、雄介は辺りを見渡した。
なるべく見落としが無いよう、じっくりと眺めていた……その時。
雄介の脳内に、異形と戦う『戦士』の姿が流れ込んできた。
「っ!?」
今のは何だ?
かつて、自分が初めて此処へ訪れた時も、今のように『戦士』が戦うイメージが頭の中に浮かんだ。
しかし、今見たイメージは何処かが違う。
『戦士』の姿は、間違いなく同じ物だ。
しかし、その『戦士』が交戦していた異形は、『奴ら』ではない気がする。
「………」
まさか‥‥
あそこには、まだ何かあるのだろうか?
沸々と湧き起こる好奇心から、雄介は歩きだした。
「う〜……それじゃあ…一条司令官……」
「……まあ、お互いに会ってまだ日が浅い。これから時間をかけて、信頼関係を築ければそれでいいさ」
そこへ
「遅れて申し訳ありませんっ!もう、すぐ作業に掛かりますんで!」
当たり前のように挨拶をして、当たり前のように行こうとする一人の男の姿が。
「……待て!」
当然、一条 薫という男がこれを見逃す筈も無く。
「どういうつもりだ?」
「あちゃぁ……やっぱダメっスか?」
「……相変わらずだな、君は」
「はい!―――お久しぶりです、一条さん」
サムズアップ。
友との再会に、一条は笑みを浮かべる。
しかし、その一方で素直に喜ぶことの出来ない自分も居た。
彼が来たということは、恐らく……否、間違いなく今回も関わろうとするだろう。
しかし、それだけは絶対にあってはならない。
彼には、もう必要の無いことだから。
必要であってはならないのだ。
「あのぉ…司令官、この方は?」
「あ、初めまして!俺は一条さんの知り合いで……こういう者です」
「《夢を追う男》……《2000の技を持つ男》五代雄介?」
渡された名刺を見て、キョトンとする吹雪に対し、笑顔で答える男
―――我が友、五代雄介には。
急展開を期待した皆さん、ゴメンナサイ!
あまり長くなり過ぎるとだるくなると思い、また中途半端に切り上げてしまいました!
次回こそ……次回こそは、『中途半端』はしません!
きちんと書きますから!!
本作の人気投票その1
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大淀