着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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クウガ編とは違う意味で繊細な作業ですね……(^_^;)


などと弱音を吐きつつも、迎えました龍騎編クライマックス!


最後の瞬間まで、お付き合い下さいm(_ _)m


33話 : 夢に向かえ まだ不器用でも生きている激しさを身体中で確かめたい

「来い!ドラグレッダー!!!」

 

 

 

真司の叫びを耳にしたのであろう、赤い龍が咆哮しながら飛来した。

 

 

 

「あれは………城戸さんを狙ってた………!?」

 

 

青葉の言葉に、真司は頷く。

 

 

「昔も、最初は俺を標的にしてたからなあ…コイツ」

 

「昔……?」

 

 

「話すと長くなるかも……だから、今はちょっと待ってて」

 

 

目の前に現れた龍・ドラグレッダーにカードをかざす真司。

 

 

「これで、契約成立だ」

 

 

真司の手にしているカード……それは鏡の世界(ミラーワールド)に棲むモンスターたちと契約するための《コントラクトカード》。

 

 

ドラグレッダーは真司の周りを廻りながら、力の一端を分け与える。

 

 

それが、契約した証だった。

 

真司の変身した戦士の鎧は、紺色から赤に変わり。

 

左手のツールも、専用召喚機・ドラグバイザーとなり、カードデッキに龍のエンブレムが刻まれた。

 

 

龍とカードの力で戦う、仮面ライダー龍騎の登場である。

 

 

 

「青葉ちゃん!まだ行けるか?」

 

「へ?…えっと、はい!」

 

 

弾薬類は、まだ残っている。

 

龍騎の呼びかけに応じ、青葉は構えた。

 

 

 

「反撃…開始だッ!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

その頃。

 

OREジャーナルの事務所では、真司と青葉が戻って来ないということで騒ぎになっていた。

 

 

「令子!どうだ!?」

 

「ダメです…まったく出ません!いったい、どうしたってんでしょう……!!」

 

 

大久保と令子の二人がハラハラしている中、島田は至って平常だった。

 

 

「……って!お前もちょっとぐらい慌ててもいいだろ!?」

 

 

そのマイペースぶりに、思わず声を荒げる大久保。

 

 

 

「戻って来てない……ってことはですよ?案外、デカいネタに巻き込まれたってことじゃないですか?」

 

 

島田の一言に、大久保たちはハッとなる。

 

 

 

「令子!裏を取りにかかるぞ!!」

 

「はい!!」

 

 

 

 

場面は戻って、ミラーワールド。

 

 

巨大な蜘蛛の怪物・ディスパイダーの猛攻を躱しながら、龍騎と青葉は一撃一撃を確実に打ち込んでいた。

 

 

「城戸さん!糸吐き、来ますよ!!」

 

「おう!!」

 

バックステップで回避し、龍騎はドラグバイザーのスロットを展開。カードをセットする。

 

 

《STRIKE VENT》

 

 

ドラグレッダーの頭部を模した武器・ドラグクローを装備し、ドラグレッダーと共に構える。

 

 

「青葉ちゃん!!」

 

「はい!!」

 

 

青葉の主砲斉射に併せて、火炎放射攻撃「ドラグクローファイヤー」を放った。

 

 

「索敵も砲撃も雷撃も!青葉にお任せ!!」

 

「雷撃って、此処は海じゃないけどね」

 

「良いじゃないですか!ノリですよ、ノリ!」

 

 

 

 

二人がかりの攻撃が効いてきたのか、ディスパイダーの外殻に亀裂が見えた。

 

 

「青葉ちゃんは下がって!あとは俺が決める!!」

 

 

そう言いながら、龍騎は4枚目のカードをドロー。

 

それには、龍騎のカードデッキと同じ、龍のエンブレムが描かれていた。

 

 

《FINAL VENT》

 

 

『ギャアアァァァアンッ!!』

 

 

ドラグレッダーが再び飛来し、龍騎は深く腰を落として構える。

 

 

「ハァァァ……ハッ!!」

 

 

高く跳び上がる龍騎に、ドラグレッダーが螺旋を描くようにして追従する。

 

 

アクロバティックな動きで体を捻り、キックの体勢を取ると、ドラグレッダーの吐き出す火球を纏ってディスパイダーに突撃。

 

ファイナルベント「ドラゴンライダーキック」を繰り出した。

 

 

「だああああああああああああああぁぁっ!!!!!」

 

 

 

 

キックは亀裂に命中、ディスパイダーはその巨体を盛大に転がしながら吹き飛んでいく。

 

 

「締めは、青葉が決めますっ!!」

 

 

龍騎や自分以外に人が居ないとは言え、戦うと決めた以上、最後まで気は緩めない。

その意志を胸に、青葉は連装砲と機銃をディスパイダーに向けて一斉砲火した。

 

 

ディスパイダーは爆散、核とも言うべき発光体だけが残された。

 

 

「城戸さん……あれは?」

 

「ミラーモンスター……ドラグレッダーやさっきの蜘蛛みたいに、この世界に棲んでる怪物のことなんだけど……そいつらが死んだ時、ああいうエネルギー体が発生するんだ。……で、戦いに勝ったモンスターがそれを喰って、自分を強化しているってことらしい」

 

 

龍騎が説明している間に、ドラグレッダーはエネルギー体にかぶり付き、飲み込んだ。

 

 

「……さて、と。青葉ちゃんも助けられたことだし、早いとこ帰らなくちゃな?」

 

「そ…それはそうですけど……城戸さん、出口は分かるんですか!?」

 

 

慌てる青葉に、龍騎は頭を掻きながら答えた。

 

 

「それなんだけど……このミラーワールドから出るには、入ってきた道じゃないとダメなんだよ。俺も、最初は慌てたなあ」

 

 

「最初って……何を言って……?」

 

 

問い詰めようとするが、青葉は龍騎や自分の手元から粒子が発生していることに気付いた。

 

 

「詳しい話は後、後!早く外に戻らなきゃ、本当に帰って来れなくなっちゃうぞ!!」

 

 

「きゃっ!」

 

 

青葉の手を取り、龍騎は商店街へと走る。

 

 

 

「さぁ、行くぞッ!!」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!まだ心の準備が…きゃあっ!!」

 

 

 

 

 

 

真司と青葉が姿を消した、無人の商店街。

 

 

ディスパイダーによって引きずり込まれた、窓ガラスをぶち破るようにして二人は飛び出してきた。

 

 

しかし、ガラスその物は割れておらず、引きずり込まれる前と変わらぬ様子に、改めて自分は異世界に飛ばされていたのだなと青葉は実感した。

 

 

「……あ。城戸さん、変身が解けてますね?」

 

「ん?ああ、そうだな。こういう所は、ホント便利だなって思うよ」

 

 

「便利って、そんな……」

 

「……うん。ホントは、こんなコト思い出さない方が良かったのかもしれない……」

 

 

「えっ………」

 

 

真司の一言に、青葉は目を見開いた。

 

 

「もう、殺し合わなくて済む筈だったのに……」

 

 

でも、と真司は顔を上げる。

 

 

「これは俺が決めたことだ。誰かに命令されたり、強制されてる訳じゃない」

 

「城戸さん……」

 

 

「人も艦娘も関係無い……俺が守ると決めたものは、絶対に守ってみせる!」

 

 

その真っ直ぐな眼に、青葉は嬉しさのあまり、涙ぐんでしまう。

 

「…ふふっ。これじゃあ、まるでプロポーズみたいですね?」

 

 

そう言われ、真司は「あっ…」と声を漏らし、顔を真っ赤にした。

 

 

「い、いや!!これは、その…ねっ!?そういう、深い意味で言ったワケでは……!!」

 

 

「フッフッフー♪もうボイスレコーダーに録っちゃいました!これを編集長や桃井先輩が聴いたら、果たしてどんなリアクションを取ってくれるのか。青葉、今から楽しみです!」

 

「止めてーっ!!特に編集長と令子さんに聞かれるとか、俺色んな意味で死んじゃうからぁぁッ!!!」

 

 

 

真司の悲痛な叫びが、少し陽の傾き始めた空に木霊する。

 

 

そんな中、青葉は胸の内でそっと呟いた。

 

 

(ありがとうございます……城戸さん)

 

 

 

 

この後、二人揃って大久保や令子からキツく絞られることになるのだが、それはまた別のお話。




賛否両論に加え、造りが甘い等々の厳しいご指摘を受けまくる中。

龍騎編、ひとまず一段落です。

人気投票その3

  • 城戸真司
  • 青葉
  • ドラグレッダー
  • 単ちゃん
  • 造花ちゃん
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