前回の3つのあらすじは?
1つ!鴻上の用意した鎮守府に、火野映司が提督として着任!
2つ!艦娘の一人、軽空母・隼鷹と遭遇!
そして3つ!隼鷹に絡んだゴロツキの男に、謎の異変が生じた!
鴻上鎮守府の創立者である鴻上からの熱烈な挨拶が終わり、気を失いかけていた香取もようやく立ち直った頃。
映司は里中から渡された、ある衣装に着替え終わった。
「ど…どうかな?」
「まぁ…!」
「ほっほぉ?」
それは、幾分ゆったりとしたデザインではあるが、サイズはピッタリ、動きやすさと機能性を見事両立させた提督衣装だった。
「大変お似合いですわ!火野提督♪」
香取が褒めるのに併せて、里中も頷く。
「流石会長ですね、寸分の狂いも無く完璧に仕上がっています」
「え?コレ、鴻上さんが?」
「はい。鎮守府創設にあたり、提督を任せられるのは火野さん以外に有り得ないと」
里中の淡々とした説明に、隼鷹たちは追いつけなくなりつつあった。
しかし、香取は咳払いをして気持ちを切り替える。
「えー……改めまして。火野映司提督、鴻上鎮守府へようこそ!各艦娘を代表して、ご挨拶申し上げます」
「あっ、どうもご丁寧に…」
香取と隼鷹の敬礼に、映司はペコペコと頭を下げる。
「それでは、秘書艦見習いとして初期艦をお選び下さい。通例としては、駆逐艦5名から1人選んでいただくんですが……」
「もしかして……艦娘さんも人手が足りてないとか?」
映司の問いに、香取は首を横に振る。
「艦娘の在籍数“だけ”はそれなりなんです。ただ……鴻上会長が提示した、艦娘を鎮守府に迎える条件が特殊過ぎたんです。《欲望を持つ艦娘よ!今こそ欲望を開放し、欲望の下に集え!!》……なんていう、新手の宗教団体みたいな触れ込みに、駆逐艦などのピュアな娘たちが怖がってしまって……」
「え?じゃあ……この鎮守府って……」
「鎮守府の設立当初から、初期艦候補として着任している《
香取の説明が終わった、その時。
「キャアァァーっ!!!」
廊下の方から、少女の悲鳴が聞こえた。
「な、なんだ!?」
「今の声は……五月雨ちゃんです!」
何事かと、皆は一斉に執務室を飛び出した。
悲鳴が聞こえたのは鎮守府の中庭。
そこには、映司にとって馴染みのある自動販売機が置かれており、そのすぐ側に、清らかな水を思わせる長い水色の髪が印象的な美少女……白露型駆逐艦《五月雨》がへたり込んで震えていた。
「五月雨!どうしたんだよ?」
「あっ…じ、隼鷹さん…香取さん……」
香取や映司たちに気付き、安心したのかくしゃっと顔を崩して泣き出した。
「いったい何があったの?」
香取が尋ねると、五月雨は涙ながらに答えた。
「お、おばけが……自販機の下から、おばけの手が出たんです〜!!」
「おばけぇ?」
五月雨の怯えた様子に対し、隼鷹は顔を
香取も里中も首を傾げるが、五月雨は必死に訴える。
「ホントなんです!真っ赤で、真っ黒い爪を生やしたおばけの右手が、この自販機の真下から…にゅ〜って……!」
真っ赤な右手―――
その証言に、映司はハッとなる。
「ねえ!五月雨ちゃん!そのおばけ、他に何か喋ったりしなかった!?」
「ふぇ……?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
映司たちが五月雨の話を聞いている頃……。
隼鷹に打ちのめされたゴロツキたちが収容された留置所では、とんでもない騒ぎが起こっていた。
「ハア……ハア……ハア……ッ」
隼鷹にナイフを刺そうとした男が部屋を脱走し、警備員たちも何人かの負傷者が出ていた。
「いったい、どうなっているんだ……!?」
「分からん!しかし、いったい何なんだ……
警備員たちを次々と薙ぎ払い、扉を簡単に破砕するほどの腕力。
しかも、こちらの取り押さえに抵抗し、反撃する度に力が増し、右腕が膨れ上がっているように見えるのだ。
「ハア…ハア……ハア……!おさ…まらねぇ……。怒りが……イライラがぁ……とまらねえ……!!」
その様子を伺う、複数の影が物陰にあった。
『さあ………欲望を満たせ』
『そして、満たされることのない欲望に身を委ねろ』
『そして、欲望に溺れ……』
『欲望の塊として全てを喰らい、全てを私たちに捧げるのです………』
オーズ編、思ったよりも難しい!_| ̄|○ il||li
欲望というテーマが、難しいだろうことはある程度覚悟してたんですけど、コイツはなかなかの癖者ですね……(;´Д`)
人気投票その4
-
火野映司
-
アンク
-
五月雨
-
隼鷹
-
香取