着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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世界は広い。
地球の歴史は、長い。
人間の欲望は、深い。
まもなく、朝日が昇る。

今日のパンツは―――大丈夫。(「仮面ライダーぴあ」より)


39話 : 初陣と赤鬼と誕生(バース)

大淀からの緊急連絡を受け、鎮守府内は騒然となる。

 

 

「怪物って言ったよね!?まさか、揚陸侵艦かなっ!?」

 

「いや、それならそうと分かる筈だろ!それが無いってことは……新種だな、ほぼ間違いなく!」

 

 

隼鷹の言葉に、映司はショックを受ける。

 

 

着任して、まだ数時間ほどしか経ってないのに……

 

 

「もぉ〜!敵さんも、ちょっとぐらい空気を読んでくれたっていいじゃんかぁ!!」

 

 

「し、司令官!事が起きてしまった以上は仕方ありません!」

 

 

映司の愚痴をピシャリと諌めたのは、五月雨だった。

 

 

「私も、正直自信はありません……。でも!逃げていい理由にはならないから、それでも私は戦います!!」

 

 

そのキッと凛々しげな眼差しに、映司は少しばかりときめいた。

 

 

「五月雨ちゃん………」

 

 

「オッホン!」

 

 

……が、香取の咳払いで現実に引き戻される。

 

 

「こうなれば仕方ありません。提督、現在居る艦娘たちで艦隊の編成をお願いします!」

 

 

「う、うん!えっと……敵の情報とか、大まかにでもいいから知りたいな……。大淀さん、敵の数とか具体的な特徴って分かる?」

 

 

無線を通して、映司は大淀から情報を求める。

 

 

『敵の数は1体、特徴としては……デカいです!』

 

「デカい?他には?」

 

 

『ツノ……』

 

「角?」

 

 

『何か……鬼みたいな……』

 

 

「鬼?大淀さん、何がどうして………ん……?」

 

 

 

通信の最中、ズシン…ズシン…と地響きが聞こえてきたので、何事かと映司たちは外を見た。

 

 

 

「……………え?」

 

 

 

 

 

 

外に見えたのは、赤い体に2本の角を生やした鬼の様な姿の巨人だった。

 

 

『ゴオオオォォォォアッ!!!』

 

 

その巨体は、高層ビル6階ほどのスケールだった。

 

 

「なっ……な、な……なんじゃありゃあッ!!?」

 

 

「あ、あれも揚陸侵艦ですか!?」

 

 

「分からない!でも……間違いなく言えるのは、アレを早く止めなきゃってことだ!!」

 

 

驚愕する隼鷹と五月雨にそう告げると、映司は1枚のメダルを取り出して自販機に投入。中央部の大きなボタンを押した。

 

 

すると、自販機は瞬く間に大型バイク・ライドベンダーへと変形した。

 

 

 

「えええぇぇ〜〜〜っ!!?」

 

 

隼鷹や五月雨だけでなく、香取も驚きの声をあげた。

 

 

「まぁ、普通はそういう反応だよね」

 

 

苦笑いしながら、映司はヘルメットとグローブを身に着ける。

 

 

「よし!じゃあ、行ってくるね!」

 

「わ、私たちも一緒に!!」

 

「でも、このバイクじゃいっぺんには……」

 

五月雨の申し出に悩む映司だったが。

 

 

「五月雨、提督に一緒に乗っけてもらいな!あたしと香取は後から追いかけるからさ?」

 

 

「隼鷹さん……」

 

 

隼鷹の言葉に、映司は五月雨に対する友情を感じた。

 

 

「分かった!五月雨ちゃん、行こう!」

 

「司令官……。はい!」

 

 

里中から予備のヘルメットを借りて、五月雨は映司の後ろに跨がる。

 

 

「ちょっと飛ばすよ?しっかり掴まってね!」

 

「分かりました!」

 

 

ぎゅっと映司の腰に手を回し、しっかりとしがみつく。

 

 

五月雨が掴まっていることを確認して、映司はライドベンダーを走らせた。

 

 

 

 

 

―――これが2つ。

 

 

 

 

そして、3つ―――。

 

 

 

『ゴオオオォォォォアッ!!』

 

 

赤い鬼の様な怪物は、ヒトの手を象った形状の棍棒を振るって暴れていた。

 

 

 

「見つけた!司令官、敵はショッピングモールに向かってます!」

 

「なんだって!?」

 

 

敵の移動先を確認し、先回りすべく細い路地を進む。

 

 

 

(信じろ……絶対に止めてみせる!!)

 

 

 

五月雨のナビゲートのお陰もあって、映司は赤鬼の怪物の前に回り込むことに成功した。

 

 

『フウウゥ……』

 

怪物は何事かと、映司たちを見下ろした。

 

 

「お…大きいですね……」

 

「うん……」

 

 

戦闘準備をしようと、映司はズボンのポケットに手を伸ばす。

 

 

「…!」

 

 

しかし、すぐに引っ込めると、ライドベンダーから降りる。

 

 

「五月雨ちゃん。里中さんから預かったヤツ…出してもらえる?」

 

「え?……あ、はい!」

 

 

映司の指示を受け、五月雨はライドベンダーのシートからリュックサックを取り出す。

 

 

ファスナーを開けると、中にはダイヤル式のレバーが備わったベルトと大量のメダルが収められていた。

 

 

 

「艦娘なのに、初陣が陸上になっちゃって…ゴメンね?」

 

「いえ。司令官と一緒に戦えることは、私にとって大切な初陣です!」

 

 

ベルトを着けながら、映司は「そっか」と微笑んだ。

 

 

メダルを1枚取り出し、ベルトの左サイドにある投入口に入れる。

 

 

左手を胸の前で構えながら、ベルトのダイヤルを右手で摘む。

 

 

 

「変身!」

 

 

ダイヤルを回すと、バックル中央部の球体が「パコッ♪」と上下に割れ、映司の体を球状のバリアが包む。

 

 

そして、映司の体を強化服が包み込んで、戦士の姿に変えた。

 

 

 

鴻上ファウンデーションが開発した《メダルシステム》の戦士、仮面ライダーバースが艦娘・五月雨と共に戦場に立った。




皆さん、期待を裏切ってしまい申し訳ありません!


真打ちは、もうちょいかかりそうです(T_T)

人気投票その4

  • 火野映司
  • アンク
  • 五月雨
  • 隼鷹
  • 香取
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