着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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時系列をなるべく自然に見えるようにしたい……


その為に一時スポットから外れていたクウガ編。


第4章、開幕です。


クウガ編 第四章
43話 : 申請


警視庁鎮守府 10:17 a.m.

 

 

 

会議室にて、一条は只一人《九郎ヶ岳棲鬼》のビデオを見返していた。

 

 

「………」

 

 

そこに、杉田と北上が入室してきた。

 

 

「よぉ、一条」

 

「提督、またそれ見てたの?」

 

「原点に立ち返れば、何か見落としているものがあるかもと思ったんですが………」

 

 

「3週間くらいになるよね?揚陸侵艦が出てきて、奴らとの戦いが始まってから」

 

 

北上の言葉に、杉田も頷く。

 

 

「これまでに倒したのが、全部で13体。その内、俺たちが君らや五代くん(第4号)抜きで撃破出来たのは、たったの1体………。これじゃあ、18年前の時と何一つ変わらない……。情けない話だ、まったく」

 

「そこまで凹むことないよー。提督も杉田さんたちも頑張ってるじゃん」

 

 

そこへ

 

 

「北上さぁ〜ん!」

 

茶色のロングヘアと目尻の下がった色っぽい目元、そして北上と揃いの制服を着た艦娘が現れ、北上に抱きつく。

 

 

「大井……」

 

「大井っち〜、飛び付くのは良いけど程々にねー?ほら、提督たち反応に困ってるしー」

 

 

北上の言う通り、杉田は少し呆れたような様子で頭を抱えているし、一条は固まってしまっていた。

 

 

「あ、提督に杉田警部。いらしたんですか?」

 

 

明らかに北上に対する態度と違い、一見無関心とも取れるほどだ。

 

 

「大井くん。姉妹仲が良いのは結構だが、仕事に差し支えの無いようにだけは注意してくれ」

 

「分かりましたよ、善処します」

 

 

名残惜しそうに北上から離れ、会議室を後にする直前。

 

 

「提督。貴方の指揮が、信頼するに値することは認めます。でも……」

 

 

振り返った大井の眼は

 

 

「万が一……その様な事が起きたときには、相応の報いを覚悟してくださいね?」

 

 

まるで獲物に狙いを定めた狩人のように冷たく、微かにだが殺意がこもっていた。

 

 

「じゃ、演習に行ってきますね♪」

 

 

 

 

大井が行った後、杉田は深いため息を吐く。

 

 

「…なんて眼をしやがるんだ……金縛りにでも遭ったみたいに、眼を逸らせなかった……」

 

ハンカチを取り出し、額の汗を拭う。

 

 

 

「ゴメンね……大井っち、前の提督がやらかした大失態のせいで人間嫌いになっちゃってるんだよ」

 

「まさか……姉妹艦の誰かが被害を?」

 

 

一条の問いに、北上は悲しそうに頷いた。

 

 

「敵艦隊の殲滅作戦の最中に、敵にハメられちゃってね。幸い、轟沈者は出さなくて済んだんだけど……それでも、当時、艦隊のメンバーだった駆逐艦の皐月とか姉妹艦の木曽っちが集中砲火を受けて、ボロボロになっちゃったんだ。でも、奴はその見込みの甘さを自分のミスだと決して認めなかった。だから、大井っちは奴の失態や汚点を徹底的に洗い出して、報告書にまとめて大本営に提出したんだ。結果は、提督たちの想像通りだよ」

 

 

「―――そんな訳で、大井っちは人間……特に提督という立場の相手には絶対に心を開こうとしない。もし踏み込んでこようものなら、お咎め覚悟で()るとも言ってたよ」

 

 

「マジかよ……一条、大丈夫か?」

 

話を聞いていた杉田は、一条の身を案じた。

 

 

 

その言葉に、一条は一言。

 

 

「善処します。過去が最悪だとしても……今から変えることは出来ます!」

 

「今は……私が石ノ森の提督ですから」

 

その言葉に、北上は顔を綻ばせた。

 

 

 

すると、そこへ今度は大淀が入室してきた。

 

 

「失礼します、一条提督。本日、確認して戴く書類をお持ち致しました」

 

「ご苦労さまです。………ん?大淀くん、これは?」

 

 

受け取った書類に目を通す一条だったが、一枚の書類に目を留めた。

 

 

それは、艦娘が提督側へと出願するものの一つ《解体申請書》だった。

 

 

「誰が、こんなものを?」

 

 

大淀は俯きながら、やがて静かに答えた。

 

 

「駆逐艦《雪風》………先日殉職された、春日久臣准将の艦隊から異動してきた艦娘です」




久しぶりのクウガ、なかなか感覚が戻りませんね(^_^;)


次回も、どうぞお楽しみに!!

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