艦娘たちの被害を最小限に抑えつつ、敵艦隊の撃破を成功するよう導く提督……
しかし……
これらが上手く噛み合わねば、組織は内部から崩壊しかねない………。
演習を終えた大井は、シャワーを浴びて汗を洗い流し、着替えを済ませると艤装を受け取りに工廠へ向かった。
その途中、廊下で壁にもたれかかりながら、窓の外を眺めていた那智に声をかけられた。
「今日の演習、見せてもらったが……いつになく荒れていたな。提督か他の誰かから、注意でもされたか?」
「貴女には関係ないでしょう。変な詮索は止して」
「提督は不器用な人だな?艦娘相手とは言え、年頃の女の扱いには手慣れていないらしい。あれでは、長門や妙高姉さんがフォローに苦労しているという話も、あながち嘘でもなさそうだ」
去りかけた大井が、足を止めた。
「……貴女も、提督を庇い立てするつもり?」
「もし、お前の言う《提督》が、立場としての意味だけを指すのなら……それは誤りだ。私や姉さん、そして足柄たちが信じているのは、一条 薫という
それだけを聞くと、大井はふんっと鼻を鳴らして去っていった。
「………やれやれ。秘書艦の補佐というのも、楽ではないな。あとは頼むぞ?長門、吹雪」
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??? 10:29 a.m.
人気の無い、放置されたゲームセンター。
そこに、ザビューなどと共にいた揚陸侵艦や、深海棲艦と思しき集団が集まっていた。
黒いフードパーカーを着た少女が手にしているスマートフォンを、カバのタトゥを持つ男と初老の男が不思議そうに眺めていた。
「バンザ・ゴセパ?」
カバのタトゥの男が尋ねる。
「すまーとふぉん、ダトヨ。リャクシテ、す・ま・ほ」
「スゥマ・ホ?」
適当にいじっていると、ニュースサイトの動画を見ることが出来た。
『揚陸侵艦に関する、最新のニュースをお伝えし……』
「ヨォ…リ・ク、シン・カン……」
初老の男が復唱する。
すると、またもカバのタトゥの男が尋ねた。
「バビン・ボドザ?」
「ゴセダヂン・ボドザ」
初老の男や少女の代わりに、脇で聞いていた斑模様の上着を纏った男が答えた。
その時。
桜のタトゥの女が姿を現し、集団は一斉に振り向く。
女の脇には、ウェーブのかかった長い白髪と陶磁器のように白い肌、そして白い服に身を包んだオレンジの瞳をした幼い少女が居り、後ろには男女3人が追従してきた。
桜のタトゥの女が連れ立ってきた以上、この男女も少女も、人に
「バゼ・ゴラゲダヂグ?」
カバのタトゥの男が問い質す。
すると、無精髭にボサボサの黒髪をした、カバのタトゥの男に匹敵する巨躯の男が笑いだした。
「ハハハ!ゴラゲダヂグボ・グバギ・ザバサザ!」
「バン・ザド!?」
カバのタトゥの男が怒り、巨躯の男に掴みかかる。
「…フン!ジャ・スボバ?ゴセド」
怒り心頭といった様子で、鼻息を荒くするカバのタトゥの男に対し、巨躯の男は落ち着いていた。
「フゥー……フウゥー…!」
やがて、カバのタトゥの男は、肉厚でガッシリとした体躯の怪人の姿へと変わる。
「………フン」
一方、巨躯の男もそれなりにやる気を出した様で、遊牧民の様な毛皮の衣装に身を包んだ、灰色の肌をした熊の様な怪人に変身した。
「フゥー!フゥー!ヌウウゥアッ!!」
「フウゥンッ!!」
両者が、同時に殴りかかろうとした直前―――。
桜のタトゥの女が指を鳴らしたことで、二人は動きを止めた。
「………フウゥ…」
不満そうではあるが、カバ男は大人しくなった。
「フン……ショグ・ガバギバ……」
熊男も、頭をガシガシと掻きながら引き下がった。
「ラズパ・ザセザ?」
初老の男が声をかける。
「パダギグ・ギボグ」
返事をしたのは、桜のタトゥの女と共に来た、指揮者風の格好をして、首にハーモニカを提げた若い男だった。
初老の男からボードを受け取り、線を書き込んでいく。
書き終えたのであろうそれを、桜のタトゥの女に渡して内容を確認してもらう。
「………」
「………」
目配せで双方合意し、桜のタトゥの女は例の指輪を翳す。
今、また新たな殺戮が始まろうとしていた………。
改めて思ったことを言います。
やっぱ特撮番組のクリエイターさんはスゴイッ!!!
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