着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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深海棲艦と戦う艦娘……

艦娘たちの被害を最小限に抑えつつ、敵艦隊の撃破を成功するよう導く提督……


しかし……

これらが上手く噛み合わねば、組織は内部から崩壊しかねない………。


44話 : 相違

演習を終えた大井は、シャワーを浴びて汗を洗い流し、着替えを済ませると艤装を受け取りに工廠へ向かった。

 

 

その途中、廊下で壁にもたれかかりながら、窓の外を眺めていた那智に声をかけられた。

 

 

 

「今日の演習、見せてもらったが……いつになく荒れていたな。提督か他の誰かから、注意でもされたか?」

 

「貴女には関係ないでしょう。変な詮索は止して」

 

 

「提督は不器用な人だな?艦娘相手とは言え、年頃の女の扱いには手慣れていないらしい。あれでは、長門や妙高姉さんがフォローに苦労しているという話も、あながち嘘でもなさそうだ」

 

 

去りかけた大井が、足を止めた。

 

 

 

「……貴女も、提督を庇い立てするつもり?」

 

「もし、お前の言う《提督》が、立場としての意味だけを指すのなら……それは誤りだ。私や姉さん、そして足柄たちが信じているのは、一条 薫という提督(おとこ)の言葉と行動だ」

 

 

それだけを聞くと、大井はふんっと鼻を鳴らして去っていった。

 

 

 

「………やれやれ。秘書艦の補佐というのも、楽ではないな。あとは頼むぞ?長門、吹雪」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

??? 10:29 a.m.

 

 

人気の無い、放置されたゲームセンター。

 

 

そこに、ザビューなどと共にいた揚陸侵艦や、深海棲艦と思しき集団が集まっていた。

 

 

黒いフードパーカーを着た少女が手にしているスマートフォンを、カバのタトゥを持つ男と初老の男が不思議そうに眺めていた。

 

 

「バンザ・ゴセパ?」

 

カバのタトゥの男が尋ねる。

 

 

「すまーとふぉん、ダトヨ。リャクシテ、す・ま・ほ」

 

「スゥマ・ホ?」

 

適当にいじっていると、ニュースサイトの動画を見ることが出来た。

 

 

『揚陸侵艦に関する、最新のニュースをお伝えし……』

 

 

「ヨォ…リ・ク、シン・カン……」

 

初老の男が復唱する。

 

 

すると、またもカバのタトゥの男が尋ねた。

 

「バビン・ボドザ?」

 

「ゴセダヂン・ボドザ」

 

 

初老の男や少女の代わりに、脇で聞いていた斑模様の上着を纏った男が答えた。

 

 

 

その時。

 

 

桜のタトゥの女が姿を現し、集団は一斉に振り向く。

 

 

女の脇には、ウェーブのかかった長い白髪と陶磁器のように白い肌、そして白い服に身を包んだオレンジの瞳をした幼い少女が居り、後ろには男女3人が追従してきた。

 

 

桜のタトゥの女が連れ立ってきた以上、この男女も少女も、人に(あら)ざる存在であろうことは間違いない。

 

 

「バゼ・ゴラゲダヂグ?」

 

カバのタトゥの男が問い質す。

 

 

すると、無精髭にボサボサの黒髪をした、カバのタトゥの男に匹敵する巨躯の男が笑いだした。

 

 

「ハハハ!ゴラゲダヂグボ・グバギ・ザバサザ!」

 

「バン・ザド!?」

 

カバのタトゥの男が怒り、巨躯の男に掴みかかる。

 

 

「…フン!ジャ・スボバ?ゴセド」

 

 

怒り心頭といった様子で、鼻息を荒くするカバのタトゥの男に対し、巨躯の男は落ち着いていた。

 

 

 

「フゥー……フウゥー…!」

 

やがて、カバのタトゥの男は、肉厚でガッシリとした体躯の怪人の姿へと変わる。

 

 

「………フン」

 

一方、巨躯の男もそれなりにやる気を出した様で、遊牧民の様な毛皮の衣装に身を包んだ、灰色の肌をした熊の様な怪人に変身した。

 

 

「フゥー!フゥー!ヌウウゥアッ!!」

 

「フウゥンッ!!」

 

 

両者が、同時に殴りかかろうとした直前―――。

 

 

桜のタトゥの女が指を鳴らしたことで、二人は動きを止めた。

 

 

「………フウゥ…」

 

不満そうではあるが、カバ男は大人しくなった。

 

 

「フン……ショグ・ガバギバ……」

 

熊男も、頭をガシガシと掻きながら引き下がった。

 

 

「ラズパ・ザセザ?」

 

初老の男が声をかける。

 

 

 

「パダギグ・ギボグ」

 

返事をしたのは、桜のタトゥの女と共に来た、指揮者風の格好をして、首にハーモニカを提げた若い男だった。

 

 

初老の男からボードを受け取り、線を書き込んでいく。

 

書き終えたのであろうそれを、桜のタトゥの女に渡して内容を確認してもらう。

 

 

「………」

 

「………」

 

 

目配せで双方合意し、桜のタトゥの女は例の指輪を翳す。

 

 

 

今、また新たな殺戮が始まろうとしていた………。




改めて思ったことを言います。


やっぱ特撮番組のクリエイターさんはスゴイッ!!!

人気投票その5

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