着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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一番好きなのに、一番執筆の難易度が高いクウガ編。


とうとう、新たな揚陸侵艦の登場です!


47話 : 絶影(ぜつえい)

城南大学 考古学研究室 12:51 p.m.

 

 

研究室では、雄介と大淀、単ちゃんがパソコンの画面を桜子に見せてもらっていた。

 

その内容は、《第2の九郎ヶ岳遺跡》から発掘され、桜子が大淀や単ちゃんたち妖精さん数名で構成された暗号解読班と共に読み解いた碑文の一部だった。

 

 

「じゃあ、説明するね?この石版に書かれている古代文字は、クウガのベルトや《ゴウラム》って言う、クウガを支援する“馬の鎧となる戦士の下僕”を作り出した民族の用いた表意文字が一部変化したものであることが分かったの。……で、そのクウガやゴウラムに深く関係している民族の名前が《リント》」

 

 

パソコンの画面に映し出された、研究データと併せて解説する桜子。

 

 

「うんうん」

 

単ちゃんたちと一緒に頷く雄介。

 

 

「……そして、そのリントに対して殺戮の牙を向けたのが《グロンギ》。世間一般で言われる、未確認生命体がコレね」

 

「グロンギ……」

 

 

桜子の説明を聞きながら、大淀は揚陸奇襲鬼―――グムナを思い返した。

 

 

「……そして。今回、石版の碑文から新しく分かったことなんだけど」

 

 

「なになに?」

 

新情報と聞いて、雄介はぐいっと詰め寄る。

 

 

「現在の九郎ヶ岳みたいに、山間部や内陸で生活をしていたリントとは別に、海辺付近で集落を築いていた民族が居たみたいなの。その民族の名前が―――」

 

 

 

 

マウスを操作し、翻訳結果を表示する。

 

 

「―――《カ イ リ》」

 

「カイリ……?」

 

 

個人名の様な名称を、雄介は復唱する。

 

 

「この民族は、漁業を生業としながらリントと交流関係を築いていたみたい。石版にある《大いなる水源の巫女》っていうのは、カイリが海を神聖視していたこととリント同様、呪術的な文化を持っていたことの表れね」

 

「ほぉ……」

 

リントに関する新情報に、雄介は不意に声を洩らすのだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

一方。

 

一条は杉田たちと共に、通報のあった南区に来ていた。

 

 

 

「米沢さん!状況はどうなっていますか?」

 

一条が尋ねると、鑑識の一人・米沢が説明をしてくれた。

 

 

「いやー…どうもこうも、怪奇としか言いようがありませんな。被害者の胸元……それも心臓部を極めて正確に撃ち抜いた痕があります。詳しいことは司法解剖の結果待ちになりますが、被害者は犯人と面と向かった状態から狙撃された…と考えられます」

 

 

「正面から……って、そんな堂々と撃てるもんかね?」

 

 

米沢の推理を訝しげに聞いていた杉田は、辺りを見回す。

 

 

「……まあ、あくまで素人の考えですから。テキトーに聞き流して頂いても……」

 

 

米沢が苦笑いをしていた、その時。

 

 

「杉田さん!一条さん!」

 

 

一人の若い刑事が呼びかけてきた。

 

 

「どうした、後藤!?」

 

 

「これを見て下さい……!」

 

 

一条らを呼んだ刑事・後藤慎太郎が、アスファルトにある小さな穴を指差した。

 

 

 

「………なんだ、こりゃあ?」

 

「微かにですが……中で光沢感のある物が見えたんです。もしかしたら、何かヒントを得られるかも」

 

「分かった。サンプルを回収して、科警研に調べてもらおう」

 

 

近くの鑑識を呼んで、穴の調査とサンプルの回収を頼む杉田。

 

 

その間、一条と共に現場へ来ていた羽黒は空を見上げる。

 

 

「提督……。こんな開けた場所で、いったい何が飛んできたんでしょう……?」

 

 

 

この時、一条は一つの可能性を考えていた。

 

しかし、その推理に確信を持つには、まだ決定的な情報が無い。

 

 

 

 

―――そんな一条らを、冷ややかに笑いながら見下ろす影があった。

 

 

「フフ……バギング・グシギド・ズガギ・ビンレ……」

 

 

不気味な言葉を発した後、忌まわしい羽音を立てながらその場を去っていった………。




やっと絞り出したぁ……(;´Д`)


次回、やっと雪風と雄介の直接対面です!

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