クウガ編4章、ここからが正念場です。
景色が―――
音が―――
巨大な一つの塊となって、クウガの頭の中に雪崩込んでくる。
「うぐ……うああ…ぁあああっ!!」
常人なら、数秒と保たずに廃人となっていてもおかしくないような情報の濁流の中で、クウガは辛うじて自我を保っていた。
それでも、限界に達したのか手すりから手を離してしまい、地面に激突してしまう。
「あっ!?ちょっと、大丈夫!?」
落下していくクウガを見て、何事かと駆けつけた叢雲。
そこに、容赦無くゼミルが追撃を仕掛ける。
「ケェアッ!」
「っ!!フゥッ!」
しかし、寸でのところでクウガが避けたため、追撃は失敗。
「ガグガ・リゾシン・ヂバサザ……ム?」
右腕の噴射口が、微かに膨らんでいるのを確認するゼミル。
「ギボヂヂソギ・ギダバ」
見逃してやる、とでも言うようにゼミルは翔び立つ。
「くっ……!」
取り逃がしたことを悔しがる叢雲の横で、クウガは苦しみ続けていた。
「ハァ…ハァ……ぐぅ……ッ……!!」
やがて、クウガの頭の中から騒音は消え失せ。
緑から白い姿に変わったクウガは、そのまま倒れ伏せた。
「五代!!」
「五代さん!」
身を潜めていたヲ級の放った艦載機に妨害されていた一条たちが、ようやく追い付いた。
そして、変身が解けて気を失っている雄介と、どうしたものかと頭を抱えていた叢雲と合流するのであった。
戦果報告―――
《揚陸侵艦殲滅艦隊》
旗艦 叢雲…損傷、軽微
随伴艦 羽黒…中破
長門…小破
足柄…小破
連続して発生した、奇怪な銃殺事件の犯人である揚陸侵艦《
出現した未確認生命体第4号が揚陸侵艦を迎撃するが、戦況は好転すること無く、敵の逃亡を許してしまった。
判定―――《敗北》
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クウガ達が戦闘を終えて間もない頃。
碑文の解読を桜子と解読班に任せ、大淀は雪風を捜すべく外に出ていた。
「そうですか……ありがとうございます」
聞き込みをしながらの捜索であったが、これといった手掛かりは得られず、どうしたものかと考えていたその時。
「!」
一条から着信が。
「一条提督……。もしもし?」
『もしもし……大淀く―――』
『もしもし大淀さん!?今度は緑だよ、緑!緑に艤装が付いたんだ!!』
一条の声を遮り、雄介の興奮した声が聞こえてきた。
「五代さん!?」
「今までの緑も視え過ぎるくらい視えたし、聴こえ過ぎるくらい聴こえてたんだけど、今度のは後ろを見なくても後ろが視えたりして、もぉ〜すんごいのよっ!」
「ちょっと、落ち着け!!―――申し訳ない、五代が失礼した」
『い…いえ………』
電話越しの二人のやり取りを聞いた大淀は、一条は本当に雄介の相棒なのだなと再認識した。
少し離れた所では、叢雲と足柄が雄介に対して「はしゃぎすぎ!」と軽く説教をするのであった。
「……では、改めて状況の説明をお願いします」
「ああ……先ほど五代が少し話したと思うが、クウガがまた新しい艤装を纏った姿に変身したんだが……石版の碑文に、航空母艦もしくは水上機母艦のような戦い方をする戦士に関する記述は無いだろうか?」
緑のクウガの能力が索敵・遠方射撃に特化していることから、一条は空母艦娘などの能力に関係があるのではと予想し、尋ねた。
「………」
ところが、大淀から返事が無い。
「大淀くん……今、外か?」
『実は………、雪風ちゃん…研究室を飛び出したきり、鎮守府に戻っていないそうなんです……』
「なんだって!?」
驚く一条の側で、長門も鎮守府からの連絡を受けていた。
「提督……北上からの報告だ。大井の姿が、何処にも見当たらないそうだ………」
「大井くんまで……!?」
街から少し離れた、電話ボックス。
そこから、雪風は110番通報を入れた。
『はい、こちら110番。何かありましたか?』
「警視庁鎮守府のみなさんと……石ノ森鎮守府のしれぇに伝えて下さい……。守ることも出来ないで、周りの人が死ぬのを見ることしか出来ないくらいなら……私……っ………死ぬかも………!!」
そう言って、雪風は電話を切り、電話ボックスを飛び出していった………。
ハイ、緑のクウガ編もあと僅かですね。
雪風と大井っちは、果たして心を開放出来るのか?
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