なぜ、自分で自分の首を締め上げるような行為をするのだ……ワタシ。
「…………」
(―――これは何?どういうこと……?)
「グルルル………」
艦娘・霞は、目の前で起こっている状況を理解しきれずに居た。
突然、豹が人の姿をしたような怪物が現れ、霞に襲いかかってきたのだ。
艤装を展開しようとしたが、今日は面接に行くだけだからと思い、持ってきていなかった。
「最悪だわ……こんな時に揚陸侵艦に襲われるなんて……!」
………しかし。
怪人の鋭い爪が、霞を傷つけることは無かった。
「…………?」
怪人は左手側―――つまり、霞の右手側に視線を移していたからだ。
―――そして、その先には。
提督や吹雪などから聞いていた《未確認生命体第4号》によく似た姿をした、大きな2本角を持つ金色の戦士がゆっくりと歩いてきたのである。
「な……なに……?」
困惑する霞と、戦士に対し威嚇する怪人。
すると、戦士は霞の前に立ち。
構え、怪人と対峙する形を取った。
「グルルル……!」
しばらくの間、睨み合いを続けた両者であったが、先に豹の怪人が動き、金色の戦士に向かって飛びかかった。
「フゥッ!!」
しかし。
「フン!ハッ!」
戦士は怪人の振るってきた右腕を左腕で防ぎ、すかさず正拳突きを怪人の鳩尾に打ち込む。
「グゥっ!?」
「ハッ!トァッ!」
その動きは、空手の演舞のように一切の乱れが無く、残心を取ることで敵に反撃の隙を与えないという洗練されたものだった。
「グルルル……ルオォッ!!」
悔しげに吠え、豹の怪人が突撃してくるが、戦士は慌てる様子も無く。
「ハァッ!!」
カウンターの回し蹴りを決め、怯ませた。
「グゥっ……ウウウ……!!」
分が悪いと判断したのか、怪人はその場から去った。
「あっ!?」
霞は驚き、戦士も後を追おうとしたが、怪人の脚は驚異的な速さであり、瞬く間に見えなくなってしまった。
「………」
「…助かった……?」
霞の様子を伺い、無事であると判断すると、戦士もその場を立ち去った。
「あ!ま、待って……ッ?」
呼び止めようとしたが、その背中から放たれる並々ならぬオーラに、霞は気圧されする。
(何だろう……初めて会った感じがしない………)
霞は、去り行く戦士の背中を見続けていた。
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「フゥ…フゥ……ッグ、ウゥ……」
霞を助けた戦士から受けたダメージを残し、豹の怪人は脇腹を押さえながら町外れの雑木林に退避していた。
木に寄りかかると、怪人の頭上に『光の輪』が現れた。
すると、怪人の傷がみるみる消えていき、体力も回復したのか雄々しく吠えた。
「ウオオォォォッ!!」
光の輪が消えると、怪人は頷き、その場を軽やかに走り去る。
さらに……
その光景を目撃した者が居た。
「あわわわ……!青葉、見ちゃいました………!!」
アギト=サスペンスチックな謎が謎を呼ぶ展開。
そんな偏見の下、アギト編3話目をお贈り致しましたm(_ _;)m
人気投票その6
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