かなり無理矢理になりそう……ってこともお構い無しで進めていきます!
警視庁鎮守府 司令部 09:11 a.m.
「……ふぅ」
霞がレストランAGITΩのバイト面接を受けた帰り、不可思議な体験をしてから一夜明けた。
大量の書類に目を通していた、山県元帥は深く溜息を吐くと、ポキポキと首や肩を回した。
「はぁぁ……。我ながら、面倒な仕事を引き受けたもんだわい」
すると、そこへ元帥直属の秘書艦である艦娘が入室してきた。
「失礼します。提督、お茶をお持ちしました」
朱色の羽織に紺の袴、長い髪を結った大和撫子だった。
「おお、
軽空母《鳳翔》。
山県元帥の警官時代の同僚であった、故・
「だいぶお疲れのようですね……」
「まあな……。一条の指揮する石ノ森艦隊や、彼らと上手く連携を取っている現場の警官たち。そして……事件解決に最も貢献してくれている、第4号……。あとは、他の管轄区域の鎮守府幹部どもが、もう少し理解を深めてくれりゃあなあ………」
そう……
警視庁鎮守府を拠点に設置された、作戦司令部のメンバーの約半数が未だに艦娘を蔑視しており、山県の目が届かぬ所で道具扱いする状態が続いていたのである。
山県が独自に調査を進めた結果、そうした考えを持つ者の多くは艦娘に対して恐怖心を抱く者や、功績と名声目当ての者であり、総じて艦娘の軽視が背景にあった。
「秘書艦で、女房でもあるお前は勿論……部下である川内や利根にも苦労ばかりかけて、本当にすまないと思ってる。新島の……我が戦友の想いを受け継ぎ、人も艦娘も等しく、少しでも穏やかに暮らせる世の中にしようと、それなりの武勲を立てて、今の地位に滑り込んだは良いが……どうして人間てのぁ、権力を持つと化かし合うことしか出来なくなっちまうのかねえ」
面白味の無い遊びに対して愚痴るかのように、山県は呆れた様子で溜息を吐いた。
「………ああ、そうだ。時に、鳳翔」
「はい?」
「今度の演習についてなんだが……鴻上鎮守府にアポを取っておいちゃくれねえか?勿論、石ノ森の提督として、一条にも参加してもらうつもりだ」
「何か、企んでいらっしゃるようですね?」
そう指摘する鳳翔に対し、山県はニヤリと笑った。
「ハハハ……なあに。ちょいと小耳に挟んだ話なんだがな?
「……なるほど。鎮守府間の情報共有、そして艦娘に対する認識改善のPRも織り込もうという訳ですね」
山県の話を聞いた鳳翔はクスクス笑う。
「かしこまりました。では、詳しい日程などを決めなくてはなりませんわね?“あなた”♪」
うんうんと山県も頷き、鳳翔にお代わりを注いでもらうと、くいっと緑茶を飲み干すのだった。
しかし。その翌日、警視庁鎮守府はまたも殺人事件の捜査に追われることとなってしまった。
―――《不可能犯罪》の発生である。
ちょっと変化球、警視庁鎮守府サイドのお話となってしまいました(^_^;)
次回、アギトメインに戻る予定であります!!
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