着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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インフルエンザはどうにか収まってきました……

まだまだスローペースですが、頑張って進めて参ります。


63話 : 堅物な男、氷川誠

レストランAGITΩ 11:00 a.m.

 

 

「ありがとうございました〜!」

 

客が帰った後、片付けをしながら翔一は霞の採用について考えていた。

 

 

(霞ちゃん……昨日はちょっと様子がおかしかったな。面接を受けたは良いけど、気が変わっちゃった……とか?)

 

 

頑張り屋さんという印象を持っただけに、翔一としては是非とも採用したい。

 

 

「お茶だけじゃなくて、ウチで出してるデザートも試食してもらえば良かったかなぁ……」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

警視庁鎮守府 11:09 a.m.

 

 

不可能犯罪の現場検証が一段落した為、慎太郎と氷川は本庁に戻ってきた。

 

 

「アンノウンか………。資料は一通り目を通しているので、(おおよ)その事は把握していますが、氷川さんとしてはどう思われますか?」

 

 

慎太郎の質問に、氷川はこう返す。

 

「正直言って、答えようがありません……。17年前、《エル》と呼ばれる上位のアンノウンが倒れたのを最後に、アンノウン出現は無くなったと思っていましたから………」

 

 

そこへ、演習を終えたばかりの電、軽巡洋艦「川内(せんだい)」。そして重巡洋艦「利根(とね)」が歩いてきた。

 

 

「あっ、氷川くん!」

 

「……川内さん」

 

 

川内から声を掛けられた時、氷川は少しばかり眉を(ひそ)める。

 

 

「遠征任務、おつかれ」

 

「後藤さんたちもお疲れ様なのです!」

 

 

後藤からの労いに、電は敬礼で返す。

 

 

「大淀から話は聞いておる。ふかのー犯罪とやらが発生したそうじゃな?我輩たちに出来ることがあれば、遠慮なく言ってくれ!」

 

若干古風な喋りで、利根はポンッと胸を叩く。

 

 

「ありがとうございます、利根さん。ですが―――」

 

「なになに?夜戦!?♪」

 

 

それに対し、氷川が応えようとするが、横から川内が割り込み「夜戦」の有無を問い質そうとする。

 

 

このやり取りに対し、氷川はハッキリ言ってウンザリしていた。

 

そのため……

 

 

「川内さん……何度も言いましたよね?僕たちは捜査一課の刑事であって、鎮守府の職員ではありません!そんなに夜戦の話がしたいなら、石ノ森鎮守府ですればいいでしょう?」

 

 

唯でさえ不器用な上に、女性の扱いにも慣れていないことが災いして、少々乱暴な口調になってしまった。

 

 

しかし。

 

そんなことどこ吹く風といった様子で、川内はこう返す。

 

 

「あれ?言ってなかったっけ?私、山県元帥直属の艦娘だよ?」

 

 

「―――は??」

 

「我輩と電は一条提督の部下だが、川内は確かに元帥の部下だぞ?」

 

 

「あと……本庁も鎮守府として正式に認可されて、運営しているのです……」

 

 

「………」

 

信じられないといった様子の顔で後藤を見るが

 

 

「……ええ。本庁は《警視庁鎮守府》を設置し、現在は我々を含めた捜査一課の刑事たちも在籍している形となってます」

 

 

後藤の言葉に、氷川は僅かな間、茫然としていた。




今回は氷川くんにスポットを当てた形となりました。


不可能犯罪を深めるために必要なモブのキャラ付が難しい……(;´Д`)

人気投票その6

  • 津上翔一
  • 氷川 誠

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