と言う訳で、クウガ編第1章クライマックスです。
炎に包まれた廃倉庫。
そこで相対するのは、二つの異形。
見守るは、二つの人影。
ヤツメウナギの特徴を持つ未確認生命体……『港湾潜伏鬼』こと『メ・ギブナ・ギ』と、金色に輝く二本の角を持った赤い戦士……『未確認生命体第4号』ことクウガ。
その対決が、今始まった。
「ケェエアっ!!」
ギブナのタックルをクウガはジャンプで躱し、着地と同時に、背後を取ろうと迫ったギブナに背を向けたまま足払いで牽制。
続けて、振り向きざまに右ストレートを顔面に叩き込んだ。
「グゥウ…!!」
直撃したことで怯んだ隙に、クウガは一条と長門を連れて倉庫を脱出する。
火の勢いは増し、ギブナは取り残されたかに見えた。
「シャアッ!!」
しかし、倉庫内が火の海になる直前。ギブナは追いつき、クウガに組み付いた。
そして、飛び出してきた勢いのまま、隣の空き倉庫に突っ込んだのである。
「五代!!」
「ちっ!往生際の悪い奴だ……!!」
怪我をしている一条を連れ、長門はクウガたちを追いかけた。
「ぐっ!」
「フゥゥゥ……!」
暗がりの中、クウガとギブナは間合いを取りつつ拳を交える。
「フン!ハッ!でぇえやぁっ!!」
タックルを押さえ込み、肘鉄や膝蹴りを何度も打ち付けて弱らせていく。
相手が空を飛べないタイプの能力の未確認であることを幸運と感じてしまうことに、クウガは内心複雑であったが、すぐその迷いを押し殺し、ひたすらがむしゃらに戦う。
その時だった。
「ヌウウゥゥアッ!!」
先日の揚陸強襲鬼が乱入し、いつかの時のような展開になってしまった。
「グムナ!」
「デゾ・ザグバ!ゴセグ・ジャス!!」
グムナと呼ばれた揚陸強襲鬼は、クウガを横取りするなとでも言うように制し、ギブナはそれを不服として、そのまま2対1の戦いとなった。
「ぐあっ……!!」
いかに戦闘経験があるとは言え、複数の敵を相手に立ち回るのは数える程しか経験が無いクウガは、徐々に劣勢となってしまう。
「フゥゥゥ……!」
「ギブグ・ギギ!クウガァ……」
絶体絶命の危機…と思われた、その時。
鋭い銃声が響く。
「!!」
倉庫の二階から、一条と長門がそれぞれ拳銃と単装砲を構えていた。
「ビガラ……!」
一条らに注意が逸れた、その一瞬が勝負を決めた。
「フッ!!」
クウガは力強いパンチで拘束を振り切り、ギブナに回し蹴りを叩き込んだ。
「ガァ…!?アア……ギァ……ァアッ!!」
気付けば、外は既に陽が昇っており、倉庫の壁の割れ目から陽の光が差し込んでいた。
「今だッ!!!」
戦艦・長門の全砲門がギブナを捉え、一斉砲火された。
「ガァ……ッグ、ギァア…アアアッ!!!」
「多くの命を
この宣告を聞いていたかどうか定かではないが、戦艦という高火力に耐え切れなかったのであろう、ギブナは肉体を爆発四散させて絶命した。
一方。クウガと揚陸強襲鬼の決戦は、再びビルの屋上へと場を移していた。
「フウゥゥンッ!!」
揚陸強襲鬼の、蜘蛛の糸と漁業網を織り交ぜた特殊な糸がクウガの体を絞め上げる。
「ぐぅあ……ふうぅ……!!」
目一杯力を入れて千切ろうと気張るクウガ。
しかし、あまりの硬さ故になかなか切れない。
「ド・ゾレザ…!」
揚陸強襲鬼は腕の鉤爪を伸ばし、クウガの喉元を
「!!!」
「ギベェ!!!」
「ふぅぅあッ!!!」
「ッ!!?」
揚陸強襲鬼の鉤爪が迫った直前。これが最後だと言わんばかりに、クウガは渾身の力を込めて糸を引き千切り、揚陸強襲鬼の腕を掴んで投げ倒し、起き上がった瞬間を逃さず、左アッパーで動きを止める。
「グオッ!?」
「おぁりゃあぁぁッ!!!」
そして、間髪入れずに右脚でキックを決めた。
「ブゴァアッ!!」
蹴り飛ばされ、倒れる揚陸強襲鬼。
キックを決め、着地するクウガ。
それでも、敵は立ち上がった。
しかし……
その胸には、クウガの足裏にあるものと同じ印が刻まれていた。
「ラ…ラザザ!ゴセパ・ジャセス…ボソギ・デジャス……!ボッ…ボソグゥ!!」
「………」
消えない印。苦悶する敵の様子。
それら全ての意味を理解しているクウガは、静かに立ち上がり、その最期を見届ける。
「ジャデ・デジャスゥ…!!ク……クウガァァアアアッ!!!!!」
己を殺す敵への呪詛、とも言える断末魔を残し、揚陸強襲鬼は爆散。
炎に包まれ、肉体はバラバラに砕け散った跡には、血痕や装飾品などの破片が微かに散らばっていた。
「ハア……ハア……」
懐かしさと同時に、痛みと哀しみを思い出させる右脚の熱気と煙をクウガは静かに見つめる。
そして―――
「…………ん…」
疲れから、少しばかり眠っていた長門は目を覚ました。
「提督……」
「長門くん……よくやってくれた。我々の勝ちだ……」
目の前に立つ一条が、長門の活躍を労う。
「オハヨ、長門さん」
「五代……。何故、貴殿の肩などに……」
長門は、雄介の肩にもたれ掛かって眠っていたらしかった。
「まあ……良いんじゃないっすか?」
体勢が体勢なので、サムズアップは出来ないが笑顔で応える雄介。
そんな雄介たちを見て、昔の自分を思い出して苦笑いする一条。
そして、長門は一言、こう呟いた。
「一生の不覚だ………」
クウガ編第1章……長かった!!
クウガ編はもうちょっと続きますけど、大体こんな感じで進んでいきます!!
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