着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

87 / 152
まだ未登場ながら、少しずつ印象が変わりつつあるヴァイス。

そんな彼の誕生エピソード第3話……ちょっと色々動きだします……。


77話 : 仮面ライダーヴァイス誕生秘話その3

艦隊総司令部……通称《大本営》。

 

 

そこに在籍する幹部の大半は政府官僚や旧自衛隊上層部、そして警察庁幹部である。

 

深海棲艦という、未知の敵が侵攻してきているという状況を、一刻も早く解決するために一致団結を………といかないのは、どの時代でも変わらないようで。

 

 

 

「4日前の大規模作戦だが、また沼田艦隊が先手を決めたようだ」

 

 

「沼田……あの《海上の脚本家》か……」

 

 

同僚らしい准将の話を聞き、大本営所属の幹部・荒井少将は憎らしげに表情を歪める。

 

 

 

脚本家―――。

 

 

それが、統也の指揮する艦隊の連携の質の高さや、作戦の成功率の高さを組織内で示す表現であり、いつしか彼を支持する者たちはその表現から《海上の脚本家》《脚本家(シナリオライター)統也》とあだ名するようになっていった。

 

 

「戦果だけを見れば、確かに深海棲艦の撃退には成功している……しかし……」

 

「ああ…我々に従うどころか、規範に背いた行動が余りにも多い!」

 

 

「しかも、民衆は政務や国防を担う我々にではなく、沼田個人を支持し始めている!」

 

 

「このままでは、規律と秩序を重んじる大本営を乗っ取られかねん……!!」

 

 

大本営の幹部たちは、統也が自らに集中している民衆の支持を利用して、組織を乗っ取るのではないかということをひどく怖れていた。

 

 

当の本人は、そんなつもりは毛頭無かったのだが。

 

 

「かくなる上は………」

 

「ああ……」

 

 

「世界の……引いては国家の、平和の礎となってもらうとしよう……」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

城南大学 10:12 a.m.

 

 

当時、大学院生になったばかりの沼田静。

 

兄に引けを取らぬ優秀さを持ち、特に戦史について強い関心を抱いていた。

 

 

「おーい、沼田ー!」

 

「んぁ?……なんだ、JKか」

 

 

同級生の神宮海蔵…通称《JK(ジェイク)》。

 

勉強漬けな日々を過ごし、基本独りで居ることの多い静に積極的に声をかけてきた、数少ない友人の一人である。

 

 

「今朝のニュース見たか?お前のアニキさん、また大手柄立てたらしいぜ!」

 

「流石、元・天ノ川学園高校一の情報通。朝刊に出たばっかりのニュースも仕入れちまうとはね」

 

 

「ダチの身内は、俺にとっても身内だからな!―――って、これはある人の受け売りなんだけどさ♪」

 

 

そう言いながら笑うJKを、静はふぅん…と眺めていた。

 

 

「そういやさ。お前、就職とかはどうすんの?やっぱり、アニキん所で働くの?」

 

 

ふと、話を変えてきたJKに対し、静は苦笑いしながら手を振った。

 

 

「それは無いよ。俺はただ勉強が好きってだけで、兄さんみたいに頭が良い訳じゃない。艦娘との付き合い方だってさっぱりだし……だいたい、俺が女子苦手だってこと、お前だって知ってるだろ?」

 

「えぇー……でも、お前とアニキさんがタッグ組んだら、それこそ無敵艦隊ってならね?」

 

 

「艦隊の質を高めるのは、第一に艦娘との信頼関係だ。信頼関係を深めるのに、コミュニケーションは欠かせない。……でも、俺は口下手だし愛想が悪い。そんな奴が提督や艦娘のサポートを出来るわけ無いだろう?――さぁ、この話はもう終わり!ちゃっちゃとレポート出さねえと、また教授にどやされるぜ?」

 

 

「うげぇ、このタイミングでそれ言うとかひでえな……」

 

「にしし♪な?知っての通り、俺は優しかねえんだよ……だから艦娘絡みの仕事は似合わないのさ」

 

 

静の言葉に、JKは納得いかなかったが、時間も時間だったので渋々引き下がった。

 

 

 

 

………その時。

 

金属同士の擦り合う音が響いたが、静を含めたその場に居る者たち全員が、聴き取ることが出来なかった………。




次回、ヴァイス誕生のエピソード…いよいよです!!

人気投票その7

  • 沼田 静
  • 沼田統也
  • 鈴谷
  • 熊野
  • バイトダイラー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。