戦わなければ、生き残れないッ!!
鈴谷と分かれ、一足先に食堂へと着いた静。
鈴谷の怒号から逃げてきたJKと相席になり、持参してきた手作り弁当を出すと合掌した。
「いただきます」
「お……い、いただきまっす!」
JKも釣られる形で手を合わせ、塩サバ定食を食べ始める。
「ふぅ……。なんかさ?沼田ってお堅いっつーか、生真面目だよなあ……別に、それを変とか言うつもりはねえんだけど」
「飯を食う時の基本だろ?周りの連中が不作法になってるんだよ、周りが」
お前は違うことは解ってるけどな、と付け加えて、静は水筒の水を飲む。
(鈴谷の奴、ちょっと遅いな……。まぁ、気長に待つか)
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沖ノ島周辺 戦闘海域 12:14 p.m.
沼田統也提督が誇る、赤塚艦隊。
その主力を誇る金剛を旗艦に、随伴艦として姉妹艦《比叡》・軽巡洋艦《木曽》。そして駆逐艦枠に《深雪》と《白露》、軽空母の《
「バァァァニィィイイング……!ラアアァァァァァヴッ!!!」
力強い叫びと共に砲撃を繰り出し、金剛は先陣を切る。
「ギィッ!!」
駆逐イ級、軽巡ホ級が反撃に出て、それぞれ比叡、白露に狙いを定めて砲撃してきた。
「うわっととと!?」
「危なっ!」
二人共に辛うじて躱し、態勢を立て直す。
「白露!比叡!ケガは無いな?」
「おかげさまで!」
「いっちばんに勝利を決めるのは私なんだからね!」
―――その頃、赤塚鎮守府。
各艦娘の艤装に搭載された小型カメラで、統也と青葉たち控えの艦娘たちは戦況を見守っていた。
「流石に、空母や軽巡が混ざると奴さんも手強くなるなぁ……」
軍帽を取り、統也は頭を掻く。
「現時点では、敵機の爆撃にも上手く対応出来ているようですね」
そう呟く青葉に、扶桑の姉妹艦《山城》が頷く。
「そうね……このまま夜戦に持ち込めば、殲滅も可能なんじゃ……」
その時、統也が椅子から立ち上がる。
優勢の立場にあって、統也が艦隊に伝えた指令は思いもよらぬものだった。
「金剛、それから艦隊総員に伝える!敵艦隊の陣形が崩れ始めている今、この機を利用しない手は無い!全力で戦闘海域を離脱し、そのまま敵主力の陣営に突入する!」
「えっ!?」
『なんだって!?』
司令室で驚きの声があがる中、無線機越しに声を荒げたのは木曽だった。
『ちょっと待て!あと少しで殲滅出来るんだぞ!?それを放って逃げろってのか!!』
納得できないと問いつめる木曽に対し、統也は落ち着いた様子で答える。
「我々の目的は、深海棲艦から制海権と海域を取り戻すことだ。深海棲艦の根絶ではない。殲滅ばかりに固執すれば、その分君たちの弾薬や燃料を浪費することになり、資材全体の不足に繋がる」
「そっか……。資材不足になれば、私たち艦娘の体調管理や装備の組織全体の士気にも関わる………」
傍で会話を聞いていた扶桑や青葉など、一部の艦娘は統也の意図を理解していた。
「戦況は刻一刻と変わっているんだ。一時の優勢に溺れたら、あっという間に数秒後の劣勢に捕まるぞ!」
『……了解。すまない、つい調子に乗っちまった……。アンタから、何度も注意されてるってのに……』
「いや、良いんだ。戦線に居て優勢にあれば、誰だって浮かれるさ。私だって気を緩めていただろう」
素直に謝る木曽に代わり、金剛が応答する。
『提督。みんなは私が旗艦として、しっかりとまとめマース!』
「ああ、よろしく頼む。やれやれ………これじゃ、永遠の未熟者と言われても反論の余地は無いな……」
「私たちと同じ目線に立ってくれている証拠じゃないですか、司令官♪」
そう言って微笑む青葉に、統也も朗らかな笑顔で返す。
「…さて。悪いけど、私は少し横にならせてもらうよ。緊急の連絡もしくは、戦闘海域に入る直前になったら起こしてくれ」
「はい♪」
椅子の背もたれを倒し、机の上に足を投げ出して、軍帽をアイマスク代わりにして顔を伏せて仮眠をとる。
仮眠を取り、リラックスした状態となることで艦隊の現状と海域、敵艦の情報を整理。
そうした中で、被害を最小限に抑えられる陣形や作戦を組み立てるのが、提督・沼田統也の手法だった。
(さて………どうしたものかね?)
純粋な艦娘と深海棲艦の戦闘……
まぁ!なんてむずかしいッ!!(泣)
次回以降、ちょっと更新が今まで以上に遅くなるかもですがご勘弁を(^_^;)
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