着任先の新提督が色々とマトモじゃない。   作:夏夜月怪像

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ずっと書きたかったエピソード、演習編!


艦隊同士、そして提督同士の熱いドラマが!!


まったく繰り広げられませんッ!!!←(オイッ!!)


87話 : 取材準備と関西空母とぱんぱかぱーん

一条と吹雪たちが、映司らと演習の打ち合わせをしている頃。

 

 

「さぁ!先輩、ようやくこの日が来ましたよ!!」

 

「……だから、なんで俺が下っ端みたいになってんの?」

 

 

春が終わりを告げ、風に夏の匂いが混じってきた今日この頃。

 

 

様々な事件によって阻まれてきた密着取材をやっと行えるだけあって、青葉は張り切っていた。

 

 

「これじゃ、若手の女子アナとカメラマンだよぉ……」

 

 

荷物持ちを引き受けるのは構わないのだが、先輩記者として青葉に良いところを見せて、記者としての目標にして欲しいのが真司の本音だったりする。

 

 

「ほら、先輩ってば!」

 

「青葉ちゃん、はしゃぎ過ぎだってー!」

 

 

今度取材をする、石ノ森鎮守府と鴻上鎮守府の合同演習。その内、石ノ森を支援しているという警視庁鎮守府の元帥が出してくれた紹介状を再確認した真司は、改めて仕事前の緊張感を抱いた。

 

 

「…あっ、そうだ。先輩!折角ですし、お土産でも持っていきません?前々から取材の予約をさせて戴いて、時間を作ってもらった訳ですから」

 

 

青葉の提案に、真司は尤もだと思った。

 

 

「じゃあ、摘み易いように手軽な和菓子の折り詰めでも買うか」

 

 

「はい!……と言ってる側から、実はもう目星を付けていたりして♪」

 

 

可愛らしい照れ笑いをしながら、青葉は一軒の和菓子屋を指差す。

 

 

「《甘味処たちばな》……か。なるほど!流石青葉ちゃん、もう嗅ぎつけてたか〜」

 

「えへへ♪青葉の本命は、間宮さんの作るスイーツや料理全般ですけどね?ちゃんと記者としての目と鼻は、鍛えてますから!」

 

 

得意げに語る青葉を「可愛いなあ」と思いつつ、真司は青葉と共に入店。

 

そこで一回り歳上の男性店員が接客してくれたのだが、これがなかなかに不器用な様子で、レジ打ちにだいぶ苦戦していた。

 

 

「申し訳ありません〜!大変失礼しましたぁ〜っ!」

 

途中、女性店員の一人が交代したので、お釣りは問題無く返ってきた。

 

男性店員に軽く説教をしていたが、人間関係はかなり良好らしく、「ヒビキさん(たぶん名前だろう)」と呼びながら談笑していた。

 

 

「お客さんたち、テレビのスタッフさんか何か?」

 

 

菓子の折り詰めを受け取りながら、真司たちは先の不器用な従業員―――ヒビキ(仮)(カッコカリ)から尋ねられた。

 

 

「ええ、まあ」

 

「これから、石ノ森鎮守府と鴻上鎮守府による合同演習があるんです!青葉たちは今日、その様子を密着取材するんですよ!!」

 

聞かれたことをそのまま答える真司と、インタビューされる側の経験が少ないので、やや緊張気味の青葉。

 

それを見て、ヒビキはくっくと笑った。

 

 

「まあ……話術と人馴れ(こういうの)ばっかりは、鍛えるしかないわな?」

 

 

「鍛え……ですか…」

 

「要するに、場数を踏めって事だわな」

 

 

ヒビキの言葉が、真司や青葉の胸に暖かく響く。

 

 

「ありがとうございます!」

 

二人は深々と一礼して、鴻上鎮守府へと急ぐのだった。

 

 

 

「―――さて、と。俺もぼちぼち準備すっかな」

 

 

真司たちを見送った後、荷造りを始めるヒビキ。

 

 

 

そこに、ヒビキと揃いの『たちばな』の制服を着た妖精さんが一人現れ。

 

 

「………っし!じゃ、行ってきまーす」

 

 

愛車の大型バイクに荷物を積んだヒビキに寄り添って、共に《たちばな》を出発した―――。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

鴻上鎮守府 10:17 a.m.

 

 

「――以上が、石ノ森の現状です」

 

 

鴻上鎮守府との情報共有の為、一条はこれまでの石ノ森の惨状と現在進めている大改革を伝えた。

 

 

「そんな……石ノ森が、そんな酷いことになっていたなんて……」

 

 

あまりに過酷な話であったために、五月雨は途中から泣き出してしまった。

 

「で、でもホラ!司令官が来てからは、みんな力を合わせて頑張ってるよ!?ね?長門さん!」

 

 

五月雨を慰めようと、必死に今の石ノ森を伝える吹雪。

 

それに対し、長門もうんうんと頷く。

 

 

「スゴイなぁ……吹雪ちゃんも長門さんも。それもやっぱり、一条さんが先頭に立ってみんなに道を示してくれてるから…なんですね!」

 

 

「火野さん!司令官のスゴさ、解ってくれますか!♪」

 

「もちろん!!」

 

 

何やら、似た者同士で同盟が出来たらしい。

 

 

「吹雪ちゃん……提督まで……」

 

「アハハ♪いーんじゃねえか?あたしらの提督にゃ、こういうダチも必要なんだよ…きっと」

 

 

「それっぽい事を言って、次の酒瓶を空けようとしないで下さいっ!」

 

 

大人びた決め台詞を言いつつ、新しい酒瓶を空けて呑もうとする隼鷹を、香取が厳しく注意した。

 

 

 

―――と、そこに二人の艦娘が顔を出した。

 

「提督ー。遠征任務完了、艦隊が帰投したでー?」

 

「ぱんぱかぱ〜ん!提督、ただいま〜♪うふふ♡」

 

 

一人は小柄で、赤い上着とツインテール。そして関西弁が特徴的な艦娘で、もう一人は青い制服にロングスカートと言った出で立ちで、長い金髪に豊満過ぎる体付きがまさにインパクト大であった。

 

 

(だっ……大福餅が歩いてきた…だとッ!?)

 

 

この出会いは後に、吹雪に対し、ある意味大きなダメージを残すことになるが、それはまた別の話である。

 

 

 

 

「こんちゃー!ウチが航空母艦《龍驤(りゅうじょう)》や。今度の演習に参加するさかい、よろしゅうなー」

 

 

「同じく、演習に参加する高雄型重巡2番艦、愛宕よ♪お手柔らかに……ね?♪」

 

 

ハキハキとした関西少女に、無邪気さと色っぽさが同居している天然ボケな美女。

 

今回の演習にて、この二人は勿論、一条や映司たちは衝撃の事態に巻き込まれるのだが、誰一人気付く者は無かった………。




出会いはさらなる出会いを呼び、時には想い出を手繰り寄せる。


次回もお楽しみに!( ^ν^)ノシ

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