歪みを正すために小宇宙を持つ者   作:北方守護

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第9話 日常

鈴が転校してきてから初めての夏休みのある日……けか

 

「998……999……1000……ふぅ、次は……」

 

「武昭、はい少し休んだら?」

 

「あぁ、ありがとうな鈴」

武昭がトレーニングをしてる所に鈴がいて飲み物とタオルを渡した。

 

「それにしても……一夏から聞いてはいたけど実際見ると凄いわね……」

 

「そうか?まぁ、俺はもう慣れたからな」

鈴が呆れているが武昭は平然と汗を拭き飲み物を飲んでいた。

 

「けど……鈴も大分、日本語が上手くなったな」

 

「それは武昭が教えてくれるからよ、ありがとうね」

 

「別に「お礼を言われる様な事じゃないでしょ?」先に言うなよ」

 

「だって武昭って気がついたら誰かを手助けしてるんだもん」

 

「鈴も知ってるから話すけど……俺は小さい頃に孤児院の前に捨てられていた……

そんな俺に恵さんや子供達は()()として接してきてくれたんだ……

時には褒めて、時には怒ってくれて……」

 

「それで誰かを手助けしてるの?」

 

「あぁ……俺は恵さんや孤児院の子達に貰った優しさを他の人にも分け与えたいって思ったら……

体が勝手に動いてるんだ……」

 

「そうなんだ……けど、それで私が今、こうしてる事が出来てるのよ……

だから、もう一度言うわ……ありがとう武昭……私にも優しさをくれて……」

 

「あぁ、今回のは受けておくよ……さてとトレーニングを再開するか」

 

「今度はダッシュよね?なら私がタイムを計ってあげるわ」

 

「分かった、じゃあ頼む……っ!」

 

(武昭……私は……あなたの事が……)

鈴は心に何かを思っていた。

 

トレーニングを終えた武昭は鈴と孤児院に帰ってきた。

 

「アッ、鈴姉ちゃんだー!!」

 

「ねぇねぇ、今日も何か作ってくれるのー!?」

2人が孤児院に入ると遊んでいた子供達がそばに寄ってきた。

 

「ほらほら、今日は俺のトレーニングに付き合ってくれただけなんだから」

 

「別に良いわよ?何か作っても。材料なら持ってきてるから」

 

「そうか、じゃあ悪いけど何か作ってやってくれないか?俺は作った竹細工を雑貨店に卸してくるから」

 

「分かったわ、じゃあ何を作ろうかしら……」

鈴は孤児院の台所に行き武昭は雑貨店に向かった。

 

 

雑貨店に物を卸した武昭はケーキ屋に寄っていた。

 

「うーん……すいません、このケーキを2ホールください」

 

「おや武昭君かい また、孤児院の子供達にあげるのかい?」

 

「えぇ、俺はあの中なら1番の兄貴分ですからね」

 

「そうかい、だったら今日は2ホールだけど1ホール分の代金で良いよ」

 

「いえ、ちゃんと代金払いますよ」

 

「ハハハ、子供が遠慮なんかしなくて良いからよ、ほら持って行きな」

 

「そうですか……ならお言葉に甘えさせてもらいます」

武昭はケーキの箱を受け取ると孤児院に帰っていった。

 

武昭が孤児院に帰ると鈴が調理を終えていた。

 

「あっ、お帰り武昭、ちょうど料理が終わった所よ」

 

「そうか、ありがとうな鈴 これ ケーキを買ってきたから食後にでも食べようぜ」

 

「わーい!ケーキだ!!」 「武昭お兄ちゃん今、食べたらダメ?」

 

「ほらほらちゃんとお昼を食べてからだ」

武昭が駆け寄ってきた子供達に言うと大きな返事をしながら食卓に着いた。

 

その後、武昭と鈴も一緒に座ってお昼を食べていた。

 

鈴が帰る時に子供達に「いつ武昭お兄ちゃんと結婚するの?」と言われて顔を赤くしていた。

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