歪みを正すために小宇宙を持つ者   作:北方守護

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第18話 水と氷の闘技

武昭が束と再会した日から数日後……

 

「ハァハァハァ……まだクールにいられないのか……」

 

〔タッ君、少し休みなよ 4時間もぶっ続けでトレーニングもしてるんだから〕

武昭は束が用意したトレーニング場所に来ていた。

 

武昭から事情を聞いた束はいつでも体を鍛えられる様に場所を用意し、時間が合えば武昭と鈴はそこでトレーニングを行っていた。

 

「ふぅ、4時間もやってたのか……それは疲れるな……」

 

「何が疲れるよ ほら汗を拭きなさい」

武昭が休憩室に行くと先に鈴が休んでいてタオルを渡してきた。

 

「あぁ、ありがとうな鈴……そっちの方はどうだ?」

 

「こっちもこっちでキツいわよ」

 

「それでもタッ君の方がリッちゃんよりもキツいんだけどね」

2人が話してると束がその場に来た。

 

「束さん、すみません急に変な事を頼んだりして」

 

「ううん気にしなくても良いよタッ君。私がやりたくてやってるんだから」

 

「けど、束さんって凄いですよね、直ぐにこんな施設とか用意出来るんですから」

 

「これ位なら、この束さんからしたらカップラーメンよりも早く出来るよ」

鈴の言葉に束が“どうだ”とした表情をした。

 

そんな話してる中……

 

グゥ〜

誰かの腹の音が鳴ったので確認すると武昭からだった。

 

「あら、ちょうど良かったからお昼にしましょ 武昭、今日は何か食べたい物ある?」

 

「俺は鈴が作る料理ならどれも美味しいから何でもいいぞ」

 

「じゃあ束さんのリクエストで回鍋肉と炒飯が食べたいな」

 

「分かりました、じゃあ作ってる間に武昭はシャワーでも浴びてきなさいよ」

 

「なら束さんは軽く作業をしてるから」

3人はそれぞれの場所に向かった。

 

暫くして鈴が料理を作り終えたので3人で昼食を開始した。

 

「うん、鈴旨いぞ 昔からそれなりに食べてるけど腕前が上がってきてるな」

 

「それは、そうよ私だって頑張ってるんだから」

 

「リーちゃん、炒飯のおかわりをちょうだい!」

 

「はいはい、どうぞ 武昭は?」

 

「俺は半分で回鍋肉の方を多めにくれ」

鈴は武昭と束におかわりを渡していたが、その顔は喜んでいた。


昼食を終えて休んでると束が何かを思い出した様に何かを持ってきた。

 

「そうだ、タッ君に聞きたいんだけど、コレ覚えてる?」

 

「え?コレってもしかして前に千冬さんと手合わせをした時に俺が()()()()()()()()ですか?」

 

「うん、そうだよ。コレを見てから私はタッ君に興味を持ったんだ」

 

「束さん、私にも見せてください……うわぁ、すごい綺麗に斬れてるわね……」

 

「そうか……あの時は分からなかったけど、今なら分かる俺は無意識に小宇宙を高めて使っていたんだ……待てよ……だとすれば……」

武昭は竹刀を見ながら何かを考えていたが少し経つと考え事が終わった。

 

「鈴、悪いけどコップに水をくれないか?」

 

「えぇ、ちょっと待ってて。はい」

 

「ありがとうな鈴、さてと……(あの時の感じを無意識でしないで……意識すれば……)ふぅ、何とか出来たか」

武昭は小宇宙を高めるとコップごと水を凍らせた。

 

「へぇ……本当に凍ってるねぇ……」

 

「凄いわ……まさか本当にこう出来るなんて……」

それを見た束と鈴は感心していた。

 

「あぁ、今はまだ少し集中しないとダメだけど特訓していけばスムーズに出来る筈だ……束さん、トレーニングの続きをお願いします!」

 

「うん、分かったよタッ君」

 

「待ちなさいよ!私だって直ぐに追いついてみせるんだから!」

3人は、それぞれのやる事を再開した。

 


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