武昭が千冬との手合わせを終えて少し経ったある日の夕方……
「498……499……500……ふぅ……腹筋は終わったから次は……」
武昭は近くの森で
(おいおい……本当にあの子は箒ちゃん達と同い年なのかい?)
研究室で小型飛行カメラを操作しながら束が武昭を観察しながら自分が調べた事を考えていた。
(
それから、そこを管理している女性に育てられて箒ちゃん達と同じ小学校に通う……
これまでは、そこら辺の奴らと変わらないけど……
束は近くのモニターに今より少し昔の武昭が写っている映像を出した。
それは、今みたいに修業をしていた武昭の右足が上から落ちてきた岩の下敷きになっていた物だった。
(普通なら、あの位の年齢の子がああなったら泣き叫んだりしても良いのに、あの子は
泣き叫ぶ所か目をつぶっている……そして……)
束が映像を見ていると少しの間集中した武昭が目を開くと
(どうやら
そう言う仮説なら、今までやってきた事の説明がつく……)
束は武昭の映像を見ながら
「よーし!これから君は束さんが調べ上げてあげるよ!!待ってなよ
研究室で束がある事を決意した頃……
「さてと……修業も終わったから、そろそろ……ううっ!?何だ今の!!」
修業を終えた武昭が帰宅準備をしていると身体に震えが来ていた。
「なんなんだ?今のは……寒気と言うか悪寒と言うか……帰ったら熱めの風呂に入るか……」
武昭は孤児院に戻った……
これから長く付き合う事になる兎のちょっかいを感じながら………
更に、それから数日後、武昭が修業をしていると……
「えっと……あなたは誰ですか?」
「にゃはは、確かに初めましてだね、私の名前は
よろしくね、タッくん!!」
いつもの修業場所に束がいた。
「はぁ、初めましてって……篠ノ之ってもしかして箒の……」
「うん!私は箒ちゃんのお姉ちゃんでちーちゃんの同級生だよ!」
「ちーちゃん?……まさか千冬さんの事ですか?」
「そうだよー!どうやら頭の回転が速いみたいだねー!」
「ありがとうございます……それで俺に何か用ですか?」
「うん 実はね……束さんの実験材料になって欲しいんだー!!」
束がポケットから取り出したスイッチを押すと武昭の足元からワイヤーが出てきて縛り上げた。
「なっ!?実験材料ってどういう事ですか?!?」
「うん、前にちょっと頼まれてタッくんの事を調べてたんだけどね、どうしてもわからないから直接調べる事にしたんだ」
「だから、こう言う事をしたんですか?……別に言えば普通に協力しましたよ?」
「そうかもしれないけど……私は自分がわからない事は徹底的に調べないと気が済まないんだ♪
だから、こうしたの……さぁ、私と一緒に行こうか?」
「残念ですけど……俺にも拒否権はあるんですよ!」
そう言うと武昭は体に力を込め始めた。
「うーん、なかなかの力だけど
「くそっ!確かに無理……みたいですね……けど……(修行中に何度か感じた事がある
武昭は自分の体内に何かを感じ始めた。
「うん?何かタッくんの雰囲気が変わった?……(まさか、これがタッくんの……)嘘っ!?」
束が武昭を縛っているワイヤーが軋んでいる事に驚いていた。
「ハァーーー!!」
「そんなバカな!?このワイヤーは普通の人間の力じゃ……キャッ!!」
束は武昭がワイヤーを引きちぎった事に驚いた。
「ハァハァハァ……篠ノ之さん……俺は貴女に仕返しをしようとは思いません。
箒の家族ですから……けど、また同じ様な事をするなら……俺は……この拳を向けます……」
そう告げた武昭はそのまま気絶をして倒れたが束は近寄って膝枕をした。
「タッくん……あんな事をしても私を許してくれるなんて……トクン……あれ?。…」
束は膝枕をしながら自分の胸の中に何かが起きた事に軽く頭をひねった。
感じたそれがのちにある思いに変わるとは 今はまだ気付いていなかった……
ご都合主義です!