歪みを正すために小宇宙を持つ者   作:北方守護

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今回の話には人によっては少し嫌な表現をしてる場所があります。


第7話 助けられた鈴の音

束が自分の気持ちに気付いてから少し経って……

 

束がISのコアを全部で467個を世界中にばらまいた。

 

そして、そのせいで篠ノ之家が【要人保護プログラム】の適用を受ける事が決まった。

 

それが理由で箒も転校する事になった。

 

その後、モンド・グロッソと呼ばれるISを使用した世界大会が開催された。

 

その大会で千冬が優勝しブリュンヒルデと呼ばれる様になった。

 

それとISの研究により女性しか動かせないが分かり女尊男卑の風潮になりつつあった。

 

そして、それから時間が経って武昭達が小学四年生になったある日の事……

 

「ハジメマシテ、中国カラキタ凰・鈴音(ファン・リンイン)とイイマス、ヨロシクオネガイシマス」

武昭達の学校に転校生がやってきた。

 

「席は小宙の横が空いてるな、それと凰は日本語に慣れてないから手助けをしてくれ」

 

「分かりました、よろしく凰さん」

 

「ハ、ハイ……ヨロシクオネガイシマス……」

凰は武昭の横に座ったが何処か怯えていた。

 

それから数日後の放課後……

 

「ハァハァハァ、ここまで来たから少し休むか……」

武昭が合計50kgの重りを両手足と体に付けて河原まで走って来ていた。

 

「これにも慣れて来たから、そろそろ重りを増やすか……「……だろ……」ん?」

武昭が休んでいると何処かから声が聞こえた。

 

「何か聞こえたけど……向こうからだな……」

武昭が声の方に行くと鈴音が男子達にいじめられていた。

 

 

 

 

武昭が来る少し前……

 

「オイッ!お前って中国から来たんだろ!?」

 

「こいつリンリンて呼んでやろうぜ!!」

 

「あぁ!だったらパンダだから笹でも食わせてやろうぜ!!」

 

「オ願イシマス……ヤメテクダサイ」

 

「だいたい日本に来たなら日本語話せよ!!」

 

「なぁ、こいつの髪の毛切ってやろうぜ」

男子の1人がランドセルからハサミを取り出すと他の男子達が鈴音の両手足を押さえつけた。

 

「イヤッ!ハナシテクダサイ!!(ダレカ……タスケテ……)」

 

「動かない方がいいぜ、それ以上傷つきたくなかったらな」

男子の1人が髪の毛に手を掛けたのと同時だった……

 

「痛っ!誰だ!?」

誰かがハサミを持っていた男子の手に石を投げていた。

 

「俺だよ……全く……転校生に何をしてるんだ?」

 

「チッ、小宙かよ。別にテメェに関係ないだろ!!いつも邪魔しやがって!!」

 

「あぁ、確かに俺には関係ないかもな……只な、1人の女の子に大勢で何かするのは許せなくてな」

武昭は話しながら鈴音に近づいていくと手を差し出して立たせた。

 

「大丈夫?凰さん」

 

「ハ、ハイ……アリガトウ……ゴザイマス……」

 

「何だよ小宙、俺達の邪魔をするって言うのか?」

 

「そうだな……お前らみたいな奴は少しばかりギャフンと言わせないとな」

 

「ケッ!デカイ口叩いてんじゃねぇよ!!」

男子達が武昭に向かって来た。

 

「凰さん、危ないから俺の後ろにいるんだ……」

 

「デ、デモ……1人ジャ……」

 

「心配はいらないよ、俺は体を鍛えてるからね……」

 

(アッ……トテモ……アタタカイカンジガ……)

武昭は優しく微笑むと鈴音の頭を撫でた。

 

 

しばらくすると……

 

「フゥ……お前みたいな奴らに負ける程、弱くはないんでね……」

武昭の足元に男子達が倒れていた。

 

「ちきしょう……テメェみたいな()()()()()()()こんな事をしてどうなるか分かってるんだろうな!?」

 

「あぁ、確かに俺に両親はいないよ……だからと言って、それがどうした?」

武昭は1人に近づくと上から見下ろす様に言った。

 

「お前らみたいな奴らの行為を見て見ぬ振りする方が俺は嫌なんだよ!!」

武昭は、そう言い放つと鈴音のそばに向かった。

 

「凰さん、危ないから俺が送って行くよ」

 

「アッ、アリガトウ……ゴザイマス……」

 

「くそっ!舐めた事してじゃねぇ!!」

 

「アッ!アブナイ!!」

男子達の1人が落ちていた鉄パイプを拾って武昭に振り下ろしていた。

 

「ふん、これでどうなっても……お前が悪いんだからな!!」

武昭は鉄パイプが当たる寸前に右手の手刀を振り上げて、そのまま()()()()()

 

「なっ!?……う、嘘だろ?……」

 

「良いか?……これ以上、何もしないのなら俺は手を出さない……だが、手を出すと言うのなら……」

 

「あ、あぁ……分かったよ……」

武昭に手刀の先を突きつけられた男子は体が震えていた。

 

その後、武昭は鈴音を家まで送っていった。


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